【温泉】乳頭温泉郷「鶴の湯温泉」(秋田県仙北市)
今日ご紹介するのは、秋田県は乳頭温泉郷の秘湯、鶴の湯温泉さん。
人気の温泉宿なので、ご存知の方も多いだろう。予約が非常に取りづらい宿としても有名だ。
こちらの温泉の広々とした混浴露天風呂の写真が、色々な雑誌の温泉特集にたびたび掲載されているのを見て、ずっと行きたいと思っていた(次の写真は、乳頭温泉組合のホームページからお借りしました。)。
この鶴の湯温泉は、乳頭温泉郷に8軒存在するうちの1軒で、同温泉郷のなかで、最も歴史が古い。同温泉の公式ホームページには、以下のような説明がある。
古くは寛永15年(1638年)に二代目秋田藩主 佐竹義隆公が、寛文1年(1661年)に亀田藩 岩城玄蕃公が鶴の湯に湯治訪れたといわれています。一般客相手の湯宿としての記録は元禄時代(1688~1704年)から残っています。
とある秋の日。こちらに日帰り入浴をするため、公共交通機関で訪れた。
JR秋田新幹線で田沢湖駅まで行き、田沢湖駅からバスに乗り「アルパこまくさ」という施設のバス停で降りる。このバス停まで、鶴の湯さんが車で迎えに来てくれるのだ(送迎は要予約)。
お宿の車で、細く曲がりくねった山道を延々進んで、到着。
冒頭の写真の正門をくぐると、小径の両側に、古い建物が並んでいる。左側の茅葺屋根の建物のほうは「本陣」というらしい。
公式ホームページによる「本陣」の解説をどうぞ。
茅葺き屋根の本陣は二代目秋田藩主 佐竹義隆公が湯治に訪れた際に警護の者が詰めた建物として今では鶴の湯を代表する建物となっています。
茅葺きは数十年ごとに葺き替え(ふきかえ)という作業をします。
生保内下高野地区からススキを刈り 一冬越してから神代梅沢地区の茅手(かやで)と言われる職人が昔ながらの作業をします。
伝統のある建物だ。その本陣の一番奥に、受付がある。そして、その先に、憧れの温泉エリアが見えてきた。
公式ホームページに掲載されている、温泉エリアの地図。
こちらの温泉には、4つの源泉があり、それぞれ泉質が異なる。ホームページには、以下の説明がある。
鶴の湯には4種類の泉質の異なる源泉があり、それぞれ白湯、黒湯、中の湯、滝の湯と呼ばれています。
開湯時は田沢の湯と呼ばれていましたがマタギの勘助が鶴が温泉で傷を癒しているのを見つけたのが鶴の湯の名前の由来だといわれています。
この日は、秋の行楽シーズンでもあり、鶴の湯温泉は大人気だった。お風呂の数が多いため、芋の子洗い、というほどではないが、次から次へと、ひっきりなしに日帰り入浴のお客さんが訪れていた。そんななか、根性ですべてのお風呂に入ってみた。服を脱いだり着たりするのが大変だったが…。
以下、お風呂の写真を、お宿の公式ホームページから拝借して、ご紹介しよう。
まずは、こちらが、有名な、混浴露天風呂!
なんといっても、広い。素晴らしい開放感。そして自然湧出の新鮮なお湯が、身体の下からぷくぷくと湧き出てくるのを、肌で感じられる。サイコーだ。
そして、こちらは、混浴ではあるけれど、女性にとってハードルが比較的低いと感じた。
というのは、この混浴露天風呂は、隣のセクションである「中の湯」の女湯エリアとつながっているからだ。「中の湯」の女湯エリアからの通路は、男性客には見えないように目隠しがされている。お湯が白濁しているので、その通路でまずしゃがんて首までお湯につかり、そのまま、スクワットのような体制で中央に出てゆけば、大丈夫! 裸身を殿方たちの目にさらさなくてもよいのだ(この点、以前記事にした「酸ヶ湯温泉」の「ヒバ千人風呂・四分六分の湯」と似ている。)。
老若男女、家族連れ、カップル、一人客。色々な客層がいて、それぞれ、伸び伸びと温泉を気持ちよく楽しんでいる。ああ、平和。ああ、天国だ。
以下、その他のお湯(男女別)もご紹介しよう。
まずは、黒湯。色は黒くはなく、むしろ、白いのだが…。
続いて、滝の湯(打たせ湯)。
そして、白湯。美人の湯、冷えの湯ともいうらしく、女性には嬉しい。
さらに、中の湯。眼に効くようだ。
これらの写真のお風呂のほか、女性専用の露天風呂もあった。広々として、素晴らしかった!
それぞれに違いはあれど、どの源泉も、成分豊富。全身で、大地と自然のパワーを受け止めた。
さて、温泉を満喫した後は、腹ごしらえ。
こちらのお宿で、ランチをいただくのだ。
日帰り入浴料金を支払う際に、あらかじめランチをオーダーし、食事代も支払っておいた。食事場所は、先ほどご紹介した伝統的な建物である「本陣」の一室。
そこは、いかにも雪国の民家という風情の和室だった。
ふと、上を見上げると、こんなものも!
壁には、古いポスターも。いつのものかはわからないが、こちらの「山の芋鍋」は、昔からの名物料理であるようだ。
実は、私がこの日のランチにオーダーしたのも、これなのだ。
現物の写真が、こちら。「山の芋鍋定食」(川魚の塩焼き付き)1,800円。
どの料理も、山の幸いっぱいの、優しいお味だった。自然の恵みが、湯めぐりで少々疲れた身体の、五臓六腑に染みわたっていく。
暫くの間、ノスタルジックな空間で、伝統料理をゆっくり味わった。まさに、至福のひととき。
ゆっくり休んだら、さあ、出発だ。
ここからは、「湯めぐり号」という乳頭温泉郷の巡回バスで、乳頭温泉郷内の別の温泉へと向かったのだった。
湯めぐり号の詳細については、こちらの乳頭温泉組合のホームページからどうぞ。
こちらが、私が乗車した「湯めぐり号」の車両。てっぺんに湯桶が置いてあるのがかわいい。
続きは、こちらの記事でどうぞ。
「鶴の湯温泉」の公式ホームページは、こちら。
「乳頭温泉組合」のホームページはこちら。
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