【温泉】乳頭温泉郷「黒湯温泉」(秋田県仙北市)
今日も、先々週と先週に引き続き、「乳頭温泉郷・女ひとり湯巡りシリーズ」をお送りします!
先々週は、「鶴の湯温泉」にて日帰り入浴とランチを楽しんだ記事をアップした。
そして、先週は、「蟹場温泉」での日帰り入浴の記事をアップした。
今日は、これらの温泉を訪問したその足で向かった、「黒湯温泉」をご紹介しよう。この日、こちらで1泊させていただいたのだ。
こちらが入り口。この看板裏の小径を下っていく。
別の温泉「孫六温泉」との分岐点。(孫六温泉は、今回訪問できず。)
こちらが、黒湯温泉の受付のある建物。
案内図。敷地内は、結構広い。
私が泊まったのは、旅館棟の、ひとり用の小さいお部屋。トイレ・洗面はなし。
このとおり、部屋の真ん中に、布団が鎮座していた。布団以外のスペースは、あまりない(苦笑)。
しかし。この部屋は角部屋になっていて、2つの窓から見える景色は、とても美しかった。
こちらが、右の窓からの景色。
次が、左の窓からの景色。
部屋に荷物を置き、敷地内の散策に出かける。
旅館棟を出て、自炊棟の側を通りかかる。
レトロというか、古い!
すきま風がよく通りそうで、冬はめちゃ寒そう。こちらは宿泊料金がお安いので、こちらに何週間も滞在する湯治客もいるらしい。
さらに進むと、すごい景色が!
湯けむりがもうもうと立ち上り、まるで地獄のよう…。
立ち入らないように注意する看板が。ここに落ちてしまうと、どうなってしまうのだろう…。
こちらでは、ゆで卵を作っているようだ。
こちらが、男女別温泉のある湯屋。
同じ建物の入り口。夜景。
こちらが、女湯の内湯。
そして、女湯の露天風呂。
次は、反対方向の、混浴風呂のある湯屋をご紹介しよう。
こちらの混浴風呂の湯屋は、内湯と露天の2つがあり、脱衣所だけが男女別になっている。
混浴内湯はこちら。
この写真のとおり、浴槽の出入りには、浴槽のふちを跨がなければならず、その際、絶対に裸をさらさなければならない。
内湯エリアから外へ続くドアを開けると、そこには、混浴露天風呂。これが、更にハードル高し!
このとおり、舞台のようなエリアの真ん中に湯船が鎮座していて、そこまでは、ランウェイを裸で歩いていかなければならない。
宿の方に、「混浴露天風呂はいつも混んでいますか?」と聞いてみた。すると、「人気があるので、大抵、誰か入っていることが多い」という答え。女性にとってハードルが高いことを、気の毒がってくれている表情だった。
でも、有益なアドバイスをくれた。「下足箱に1足も靴がなければ、チャンスですよ」と。下足箱の靴を見て、先客がいるかを判断するといよいというのだ。考えてみれば当たり前のことではあるが、親切だ。
そのアドバイスに従って、何度も下足箱をチェックしに行ってみた。しかし、いつもそこには、何足もの靴やサンダルが…。
しかし、深夜、何度目かのトライで、ついに、下足箱がカラになった瞬間に出会った!
よし、今だ!!
例によって、速攻で、脱ぐ!
裸になって、まずは混浴内湯に浸かる。ああ、極楽!
しかし、その後、数分。急に、ガラッと扉を開ける音がした。
おっと、これはまずい! 慌てて湯船から飛び出して、バスタオルを纏い、女性脱衣所に駆け込む。
その際、下足エリアで靴を脱ぎ終わったばかりのおじさまと出くわした。
おじさまは、「わっ!」と言って、大変驚いていた。そりゃそうだ。裸にタオル巻きでダッシュで脱衣所に駆け込む熟女を見たら、そういう反応になるわな…。
おじさまも私も、瞬間的に、
「す、すいません!」
と、謝った。ほぼ同時だった。
しかし、もちろん、おじさまは何も悪くない。ああ、とても気まずい。おじさまは、おろおろしている…。
そこで、一か八か、脱衣所から、おじさまに声をかけてみた。以下のような交渉をしたのだ。
「驚かせてすみません。もしよろしければ、少しだけ露天風呂に入らせていただきたいのですが、その間、恐れ入りますが、内湯に浸かっておいていただけないでしょうか。私が露天風呂から出たらお声がけしますので、それまでお待ちいただけないでしょうか。」
幸い、内湯エリアからは、露天風呂への扉は、角度的に、見えにくい構造になっている。だから、おじさまが内湯に入っていてくれさえすれば、私は、おじさまの視界に入ることなく、脱衣所を出て、さらに露天風呂への扉から外へ出て、ランウェイを舞台(露天浴槽)に向かって歩けるのだ。
すると、その方は、「もちろん!」と、二つ返事でお受けくださった! 紳士だ! 良い方でよかった!!
男性は、内湯に入ると、「もう、いいですよ」と女性脱衣所でスタンバイしている私に向け、お声がけしてくださった。それを合図に、私は、脱衣所から出て、裸にタオル巻きで、露天風呂に向かう。
扉を開けると、肌寒い夜風に、全身が震えた。冷たい木の床でできたランウェイを、つま先立ちでぴょこぴょこと歩き、舞台中央の浴槽に進み、輝かんばかりの白い液体に、身体を沈める。
じわー。
こりゃ、たまらん。極楽だ。
10分くらいだっただろうか、闇夜の中での露天風呂を、独泉で堪能させていただいた。
露天風呂から脱衣所に戻る。そして、内湯のおじさまに向かって、
「お待たせしました。(露天風呂から)出ましたので、いつでもどうぞ!」
と声をかけた。
すると、
「もういいんですか? もっとゆっくりされてもいいですよ?」
と、何ともお優しい言葉。おじさまの温かさに感激した。丁重にお礼を言って、着替えて、混浴エリアを後にした。
続いて、貸切風呂へ。
こちらが、貸切風呂内の脱衣所。新しくて、きれい。
これが、貸切風呂の湯船。極上のお湯。これが無料で貸し切りなんて、素晴らしい!
次に、旅館棟の内湯にも行ってみた。男女別だ。
どのお風呂も、やはりお湯が素晴らしい。
泉質は、単純硫黄温泉。色は薄めの乳白色。そして、香りはゆで卵のような硫黄臭。そして、お湯から出るとすべすべとした肌感覚。魔法のような、素晴らしいお湯だった。
旅館棟の食事も、とても良かった。
こちらが、夕食。
秋田名物、きりたんぽ鍋!
きりたんぽも、ご飯も、美味! さすが、米どころ!
こちらが、朝食。
実は、朝食時に、嬉しいことがあった。
昨夜の混浴の紳士が、すぐ隣のテーブルで、ひとりでお食事をしていらしたのだ。
目が合うや否や、
「ああ、昨日の!」
と、お互いを認識して、にっこりと微笑み、挨拶をした。改めて、お礼を申し上げた。
そして、朝食の間、楽しくお話をさせていただいた。温泉好きの方で、休暇を使ってお一人で湯巡りをされているということだった。
ほかには高齢の女性一人旅の方と、カップルがいた。みなさんマナーが良い。客層が良いなと感じた。
朝食後、もう一度、女湯のお風呂に入ると、名残惜しいが、あっという間にチェックアウトの時間になった。荷物をまとめて受付へ。
ラムネを売っていた。昭和レトロだ。
名物「黒たまご」。ひとつ買って食べた。味が濃く、美味しかった。
チェックアウト後、後ろ髪を引かれながら、乳頭温泉郷を後にした。
鶴の湯温泉、蟹場温泉、黒湯温泉。今回の旅で訪れた、乳頭温泉郷のこれら3つの温泉は、いずれも、本当に素晴らしかった。お湯も、雰囲気も、出会った人々も。そして、これらのお宿の名物である混浴露天風呂にそれぞれ浸かることができたのも、ラッキーだった。
乳頭温泉郷には、まだあと5つの温泉がある。いつか機会を作って、是非巡ってみたい。
素晴らしい温泉でした。お世話になりました!
黒湯温泉の公式ホームページは、こちら。
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