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【温泉】野沢温泉の外湯めぐり(長野県野沢温泉村)

今日ご紹介する温泉は、長野県の野沢温泉にある13の外湯

所在地は、長野県下高井郡「野沢温泉村」。村の名前に「温泉」がつくのは、日本でここだけだ。ブナの原生林に囲まれた、端から端まで歩いても20分ほどの小さな村。北陸新幹線の停車駅であるJR飯山駅から直通バスがあり、アクセスも良い。近くには、極上のパウダースノーで有名なスキー場があり、特に冬に人気のエリアだ。

野沢温泉の歴史は古く、奈良時代に僧により発見されたという説などがある。30余りの豊富な源泉を利用した13の共同浴場(外湯)が村のあちこちに点在している。お湯はすべて完全な源泉かけ流し。村の人たちが昔から維持管理し、日々使用しているものだが、ありがたいことに、村外からの訪問者にも無料で開放されている(なお、これらに加えて、2011年にオープンした「ふるさとの湯」という有料の温泉施設もある。)。

私は、2022年秋に、こちらの13の外湯のうち7つをめぐることができた。以下、そのときのことをまとめてみた。


外湯めぐりの前に

まずは、マップで全体像を把握するのがおすすめだ。13もの外湯があるので、どの外湯をどういう順番で回るかの戦略を練ってから、行動に移すほうがよい。

野沢温泉マウンテンリゾート観光局さんより。
より詳しい地図→https://nozawakanko.jp/assets/docs/townguidemap.pdf

また、あらかじめ知っておくとよいことがある。まず、料金は無料だが、湯屋に設置されている賽銭箱に寄付することができる。そして、湯屋内の撮影は禁止だ。

それから、お湯の温度に注意しよう。野沢温泉の源泉温度は、高温のものが多い。水で薄めなければとても入浴できない浴場もあるので、浸かる前に十分に温度をチェックしよう。水で薄める際には、他のお客さんへ配慮した方が良いだろう。

①大湯(おおゆ)

野沢温泉のシンボル的存在。江戸時代の趣を伝える堂々とした美しい湯屋が目を引く。

大湯源泉。泉質は、単純硫黄温泉。Ph8.4。泉温は62.6度。硫黄の香り、風味がした。あつ湯とぬる湯の2つのセクションに分かれていたが、ぬるい方でも、けっこう熱いと感じた。

こちらの湯船の写真は、びゅうトラベルさんのサイトからお借りしました。
https://www.jre-travel.com/article/00349/

②河原湯(かわはらゆ)

大湯のすぐ近くにある。昔は渓流に沿った凹地河原にあったところから名づけられたそうだ。河原湯源泉。泉質は、単純硫黄泉。Ph8.4。泉温は61.2度。

③麻釜の湯(あさがまのゆ)

源泉は、丸釜、茹釜、竹伸し釜、下釜、御嶽の湯の混合泉。泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー硫酸塩温泉。Ph8.8。源泉温度は77度。後述の天然記念物である麻釜(おがま)の近くにあるが、この麻釜の湯は「あさがまのゆ」と読む。

④上寺湯(かみてらゆ)

温泉分析書によると、上寺湯源泉。泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー硫酸塩温泉。Ph8.8。源泉77.9度(ただし、野沢温泉マウンテンリゾートのサイトによると、麻釜からの引湯となっていた)。

⑤熊の手洗湯(くまのてあらゆ)

熊が発見したと言われるお湯。熊の手洗湯源泉。泉質は、アルカリ性単純硫黄温泉。Ph8.9。泉温41.8度。ぬる湯とあつ湯の2つのセクションに分かれていた。源泉の泉温が低いため他の外湯よりも入りやすいが、それでもあつ湯のほうは結構熱く、他の高温の源泉との混合泉かもしれない。

⑥滝の湯(たきのゆ)

滝の湯源泉。泉質は、含硫黄ーナトリウムー硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉。Ph7.9。泉温は73.4度。この日入った外湯のなかで、とりわけ熱かった。

⑦横落の湯(よこちのゆ)

バス停近くにあって、アクセスは良い。丸くシンプルな湯船。源泉は、丸釜、茹釜、竹伸し釜、下釜、御嶽の湯の混合泉(麻釜の湯と同じ)。泉質は、含硫黄ーナトリウム・カルシウムー硫酸塩温泉。Ph8.8。源泉温度は77度。

(おまけ)温泉街の様子

私が上記7つの外湯めぐりをしたのは、紅葉が終わりかけの秋晴れの日だった。たまたま観光客も少なく、のんびりととても気持ちの良い散策ができた。

野沢温泉で見るべき場所として、「麻釜(おがま)」がある。国の天然記念物に指定されている奇勝で、5つの大きさの異なる湯だまりがあり、地元の人々が食材を茹でるなどの用途に使用している(地元の方以外は使用不可のようだ)。

特に大きな「大釜」からは、湯気がもうもうと立ち上っていた。源泉のパワーを感じる。

以下は、温泉街のスナップ。

懐かしい佇まいの民宿。
足湯コーナーもあった。
街のあちこちに道祖神が祀られていた。
洗濯場。
立派な蔵。

山あいの古き良き素朴な温泉街で、地図を片手に、レトロな湯屋をひとつひとつ探して歩く。わくわくしながら扉を開け、一つひとつ違った趣のある湯船と対面し、地元の方や他の観光客の方と一緒に極上のお湯をいただく。思い出に残る素敵なひとときだった。村外の訪問者を快く受け入れてくださる野沢温泉村の方々に、心から感謝したい。

いいお湯でした。お世話になりました!

野沢温泉観光協会のウェブサイトはこちら。

外湯めぐりにご興味をお持ちの方には、同じ長野県の渋温泉での9つの外湯めぐりもおすすめです!

私の温泉系記事へは、以下のリンク集からどうぞ!

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