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競争の世界から子どもを守りたいという親の願い
我が家には今、中1の息子がいます。
小学校の頃に中学の進路について…息子を公立に行かせるか否か、とても迷い…
結局、今は公立の中学校へ通っています。
私たち両親は既存の学校に懐疑的であって、のびのびとした校風の所に行って欲しいという願いがあったんです。
教科型の受験用の学びではなく、人間の成長に必要な学びを与えてくれるような学校。
だけれども、それを望んでいるのは親だけなのかもしれない。
子どもは案外"のびのび"なんて求めていないんじゃないか??と考えさせられて。
既存の教育の否定は、大人の先入観の産物なのか?
色々考えさせられた息子の進路についての話を今日はしたいと思います。
そして息子の成長の話です。とりとめのない話ですが、良ければお付き合いください。
私たちが行かせたかった学校はいわゆる"お勉強"はほとんどしないんです。
非認知能力の涵養を目指し、変化する時代に対応していける人間を作る先端系教育のプログラムを採用している学校です。
寮生活で自立心も養う。
息子もその学校の話をしたところノリノリで。
受験をし、合格をいただきました。
そこからが、とても大変でした。
入学するのか?しないのか?
息子に決断させることにしたんです。
子どもに選択を委ねるというのは、本当に忍耐が要りますね。
親もとてもとても苦しかった。
我が家は元々、ほとんど全てのことを本人に決めさせている。
もちろん大人としてアドバイスはしますが、彼が決めたことは尊重する。
例えば、習い事を休むか?とかも。
休むことの影響。
休んだ分をどうするか?などなど
決断を任せます。
そして選択の責任は自分に持たせています。
本人が休むと決めたのなら、休ませます。
その約束を親の都合で反故にすることは決してしません。
そのようにして、自分で考え選択する力が養われてきたように思います。
そうしてきた私たちなので、今回の進学も本人に選択させました。
そこを選ぶことのメリット/デメリット
公立のメリット/デメリットを伝え。
よく考えて、と。
学費も自分で調べ。
1年間の学費が約1千万円。寮費を加えるともっとかかります。
大金です。
息子は教育にはそれだけお金がかかると知り大変なショックを受けていました。
親だって覚悟が要ります。
覚悟があることを伝え、彼に任せました。この金額の決断を12歳の子どもに任せることも覚悟と勇気が要りました。
お金を何に使うのか?
お金は無限ではないこと。
有効な使い方も含めて話し合い。
どうするのだろう?と私は不安で不安で仕方なかったです。
周囲の人(祖父母や叔母など)に、子どもに選択を任せるなんて親として無責任なのでは?
一緒に責任を背負ってあげるべきでは?
と、言われ。
私自身も迷い、苦しかった。
選択してあげたかった。
でも、そこで、夫が言ったんです。
「これは学校云々の話ではなく、自分で考え決断するというこの過程こそが重要な教育的機会であって、実際どちらに行くかは僕としてはどっちでも良いんだ。
人生の大きな決断をしていく。
決断の連続が人生なのだから。
僕らも苦しいけれど、本人が決めるまで耐えよう。」と。
私たちがわかって欲しかったのは
「どんな選択をしても、それで失敗しても大丈夫。
入学してみて嫌なら辞めたって良いんだ。
私たち親はいつでも君のチャレンジを応援するよ!」
ということ。
息子はとても悩んでいた。
毎日毎日。
地元の友達がたくさんの息子が遠い他県に行くこと。
全国大会レベルで頑張っている習い事が続けられる環境が無くなること。
様々に考えたようです。
そして出した結論が
公立へ行く。
でした。
理由は
①
寮生活の自主自立は、人から与えられた自主自立であると思うこと。
公立で誘惑の多い中、周りに流されずに己を律して勉強とスポーツと両立していくこと、自分の身の回りのことをすることこそが真の自主自立と言えるのじゃないか??
真に自立した人間になりたいからこそ公立へ行く。
②
のびのびをなぜ?3年間しなければいけないかわからない。
せいぜい非認知能力のトレーニングは1年で十分だと思うこと。
頭の良い人に憧れているから、勉強をしたい。
勉強が出来てプラス非認知能力が高い人の方が良いのじゃないか?と思うこと。
③
努力さえすればお金は必要無いこと。
大きくその三つの理由から、決めたそうです。
私たち親は驚きました。
のびのびは退屈??だって??
大人が思うほど子どもはのびのびを求めていないのか??
とても考えさせられました。。
私たちはこの競争の世界から救い出したかったのに。
息子はその競争を楽しんでいる。
この矛盾に戸惑いました。
私たち大人が与えたいと思っている桃源郷とは一体。。。何だったのか?
その学校もそうですが…
アメリカの先端系の学校なんかも…
運営している側(教員も含め)は皆、トップ層の学校出身の方々ばかり。
もしかしたら…ここは、詰め込み型の教育を無理やり受けさせられてきた大人が、その経験の反動で描く"理想の教育"なのか??
個人的経験の投影か??
と、考えてしまいました。
あまりにも従来の教育観へ否定ばかりが目立つ昨今…現実の子どもたちのそれぞれの個性を見失っているのかも?
個性を尊重するという美辞麗句に隠れて、古い型を好む子どもたちの否定になってやしないか?
と。
とても考えさせられました。
改めて、教育のあり方を考えさせられた経験となり。
私たち親も考えを見つめ直す機会となったのでした。
それにしても
ここまでちゃんと自分の意見を持って選択できたこと…本当に待って良かったと思いました。
こんな結論を出せるとは思わず。
自分で決めたことだからこそ、毎日一生懸命に学校生活を楽しんでいるようです。
勉強もスポーツも。
息子の成長も感じられる出来事でした。
親の願いはあくまで願いでしかないですね。
どう生きたいかは子ども次第。
子どもの人生を見守るしかありません。
忍耐の要ることです。
親も日々修行です。