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短歌

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「短歌人」に掲載された短歌を集めていきます。国東杏蜜名義。
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2019年12月の記事一覧

たんか 201912

たんか 201912

消えたいの意味はうっかりかかわったひとのうまれの蒔き直し

夏の海はひるをすぎるとすこしねる今なら背からかるくえぐれる

いいロスジェネは死んだロスジェネわたしは素敵な生きている負債

橋から見るおおきな川の透明の水の底から青い断崖

だからね、歌人の胸には傷がある。立ち上がる少年を見ている

(短歌人2019年12月号 国東杏蜜)

たんか 201911

たんか 201911

よく澄んだ目をもつことばを知るあなた見てきて欲しい湖がある

とおいとおい憧れの袖にすこしだけ触れてみたからこの島は沈む

なんですぐ歌を配るのあなたアーティストなのJASRACはいいの

しおりにどうぞとたこ焼きの割引券をもらってはごちそうさま

なんにでも自分を重ねて涙するならなかった・なれなかった・なる もの

(短歌人2019年11月号 国東杏蜜)