「お母さんになったら女を捨てるべし」というジャパニーズカルチャーの謎
きっかけはほんの少しの違和感でした。
第一子を妊娠中のときのこと。
友人とランチに行ったときのさり気ない会話の中で、この「少しの違和感」は生まれます。
私「このあいだ○○の新作のアイシャドウ買ってみたけど、良い感じだよ」
友人「へ~。子供生まれたらまともに化粧もできなくなるし今のうちだね」
私「そう、だね…」
ちなみにこの友人は当時は新婚でまだ子供はいませんでしたが、いずれ欲しいと思っているときでした。
このときはまだ特に深く考えていたわけではありませんが、徐々にこの違和感の正体が分かってきます。
紺・グレー・ピンクが定番のマタニティグッズ
安定期に入って少しおなかも大きくなってくると必要になってくるのがマタニティグッズ。お腹を締め付けない洋服や下着など、機能性の高いものが色々売っています。
でも、私が「おや?」と感じたこと。
カラーバリエーションが極端に少ない。
もっと突っ込むと、「ママ」らしい色しか選択肢がない。
薄いピンク、紺、グレーが、その上位3つを占めています。
ネットで探せばもっと種類はありますが、いわゆるマタニティグッズを置いている専門店などでは、こういう色がほとんどな気がします。
普通の服はそんなことないのに、マタニティになった途端に選択肢が限られてしまう。まるで、「ママらしくありなさいよ」と言われるかの如く。
「ママらしさ」とは?
そもそも「ママらしさ」とは何なのでしょうか?
完全な私の個人的な意見なので何とも言えないのですが、何となく子供の絵本に出てくる「優しいお母さん」像が「正解」となってしまっている感じがします。
お母さんは優しい色の服を着て、優しい口調でニコニコ微笑んでいる。それ自体は何の問題もありませんが、これがすべてのお母さんたちに当てはまる必要はありません。
つまり、たとえば「あなたの思い描く『お母さん』ってどんな人?」とか「理想のお母さん像は?」と聞かれたときに、100人居れば100通りの答えがあって当然ということです。
マタニティグッズに淡い系統の色味が多いのは、この「優しいお母さん」というイメージから来ているのではないかと個人的には感じています。
「ママ」はおしゃれしちゃいけない前提?
冒頭のアイシャドウの話に戻ります。
よく聞くのが、化粧をする暇はない、肌のお手入れをする時間も取れない、子連れで出かけるときにはヒールを履けない、など。
これらはすべて、子育てをしていると忙しすぎて時間がないから、また、子育ては大変だから、という考え方の結果として生まれているものなのでしょう。
この理論が独り歩きして独自の変化を遂げて、いつのまにか「ママになったらおしゃれができない」という思い込みを産んでしまったのではないでしょうか。
最近は、「ママになってもおしゃれに!」とか「ママだってお化粧したい!」みたいな広告も目にしますが、それらもすべて、もとは「ママになったらおしゃれができない」という前提に立った謳い文句です。
冒頭の、当時まだ子供のいなかった友人ですらこのイメージを持っていたのですから、相当強く私たちの間に植え付けられている考え方なのでしょう。
ママらしさの同調圧力
日本には、「ママはママらしくしていないといけない」みたいな無言の圧力が少なからず存在している気がします。それを気にしないでもいられる場合は堂々としていればいいのですが、なぜか多くの人がそれに合わせがちな傾向にある。
周りと合わせておく方が安心と感じる人もいると思います。そうしている方が心地よいというのであれば、そうするのが精神的にも楽だと思います。
でももし、その無言のプレッシャーのようなものに対して、少しでも「おや?」と感じている人がいるとしたら、そのちょっとした違和感に素直になっても大丈夫だよ、というのが私の主張です。
この空気の発生元が、「私はこんなに大変なんだからあなたも大変さを味わいなさい」みたいな変なプレッシャーなのか、子育ての落ち着いた年上世代の人たちの教えなのか、感覚が外国人に近い私にはよくわからないのですが、そんなものは気にしなくて大丈夫!
自分が本当にやりたいことを押し殺してまで周りの空気に気を使っていられるほど、人生長くないって思います。
24時間365日ずーっと「ママ」という鎧をかぶっている必要はありません。たまには子供を置いて思いっきりおしゃれしてお出かけしたって良いし、子どもと公園で遊ぶときには汚れても良い服でとことん遊ぶ。ママ友と子連れでランチするときには、動きやすさを気にしながらも自分の好きな服を着る。
ママである前に一人の女性で、一人の人間だ、というのが私の信念です。
この考え方に、少しでも共感してもらえたら嬉しく思います。
「自分」を強く持っていれば大丈夫
上でも書いたように、私は好きな時に着たい服を着るし、ちゃんと化粧したいときは化粧します。もともとすごくおしゃれをしたい人ではないのですが、おでかけのときは子供がいるからとか関係なく好きな服を着て好きなアクセサリーをつけます。
誰かに何か言われないかな?とか、ソワソワする気持ちは捨ててOK。もしそんな人がいたら私が飛んで行ってあなたの壁になります!(笑)
万が一何か思われたとしても、自分のスタイルを貫いていけば、いつの間にか「あの人はこういう人なんだ」という目で見てくれるようになるはずです。かえって個性も立つようになるし良いかも。
つまり、今のありのままの自分で堂々としていればよいのです。
ママであるあなたは、自分の子どものママだけでいればいい。世間のママ像に合わせる必要はありません。
この記事が、ママの同調圧力に対するちょっとした違和感を持つママさんにとって、少しでも背中を押す内容となっていればこの上ない幸せです。
sayu
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