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弟の面倒を見ていて気づいた、不登校の親の対応で1番大事なこと。
わたしには、自閉症を持つ弟がいる。
かつては、その「弟」の癇癪が4人兄弟の長女である自分に全て向き、当たられ、
どうして自分だけ、こんな思いをしなければならないのか?
と、親に話したこともある、そんな弟。
だが、そんな弟は現在、中学3年生。
14歳になり、かつての自分と同じ時期に同じように弟も現在進行形で「不登校」をしている。
ちょうどわたしの仕事が基本的にリモート勤務なこともあり、お仕事柄的にも、自分の経験的にも、弟の話し相手になるには適任なのか、
仕事をしつつわたしは最近、弟の自分なりの話や学校で嫌なことを聞いたり弟のご飯を買って用意したり、一緒に弟の興味があるYouTube動画を調べて見たりもしている。
そして、そんな弟の面倒を見ていくうちに、わたしは、不登校や学校に行きづらさを感じている子どもや発達障がいの子どもを持つ親の対応の「コツ」が、なんとなく分かってきたので、書いていこうと思う。
癇癪は、不安や葛藤のサイン
弟は、実年齢は「14歳」だが、知能にも遅れがあるため、同年代の中学生に比べたらかなり幼い。
それが故に、自分の抱えているものや自分の気持ちを人に上手く伝えるのが苦手だったり、気持ちや感情を頭の中で整理するのが苦手な特性がある。
そのためか、急にわけもなくイライラし、物を壊したり、お風呂の窓ガラスを割って自分を傷つけたり....。
かと思えば、急に「不安がいっぱいだ...。」などと言いながら床に倒れ込んだり、フラフラしたりする、いわゆる「癇癪」を度々起こす。
最初のうちは、わたしも含め、家族みんなが
弟を何とか落ち着かせようと必死になり、どうしようかと対処を考えたりもしていた。
だけど、弟の話し相手になる時間が長くなっていくうちにわたしは、弟が癇癪を起こしてしまう「サイン」と、特定の状況や時間帯に癇癪を起こしやすいことに気づいた。
たとえば、弟は中学3年に上がってすぐ、支援学級の新しい担任の先生などと合わなかったことから不登校になったが、そんな弟でも、何となく気持ちが揺れたり不安になる曜日や状況、時間帯がある。
それは、朝起きたら学校が始まってしまう
「日曜日の夜」や「長期休みが終わる週」
などだ。
決まって日曜日になると弟は
令和って本当に呪われてるよな〜
中学生になって、すぐコロナが来て、不安がいっぱいだし、オレはまた不登校になっちゃった。
中3は不安になることが多い...。
などといった独り言を不安そうに呟いていたり、時々わたしに話の答えを求めてきたりもする。
つまり、弟も弟なりに、今の「不登校である」自分をよく思っていなかったり、学校に行かなければ行けないのは分かってるけれど、行きたくない...。 でも、このままの状態で次の高校にちゃんと通えるのか...。
など、弟自身も今の自分と葛藤しているんだな、それをどう消化したらいいのか分からない、どう伝えたらいいのか、どう助けを求めたらいいのか、ぐちゃぐちゃになってしまってパニックになり、「わーっ!」となってしまうのか、と気づいた。
今の弟は、かつての自分
それはかつての「14歳の自分」と同じだった。
わたし自身も学校が始まる前日や、長期休みが空けるのが近づくにつれ、
あと○日で学校に行かなきゃいけないんだ
逃げちゃダメだ...宿題しなきゃ....
でも、学校のことを考えると辛い...
いやいや、逃げちゃダメだ...
といった感じで、ずーっと「学校が始まってしまう」ことに対して、行きたくない気持ちと、逃げてはいけないという気持ちとで葛藤し、無意識だが家でブツブツと独り言を言っていた。
そして、少しでも親や兄弟に話しかけられると、
うっさいんだよ!!!邪魔!!
などと、当たりが強くなっていたな〜と思うし、行き場のない「辛さ」をどう消化したらいいのか、そもそも吐き出し方さえ考える余裕がなく、精神的にもかなり不安定だったのだ。
1つだけ違うのは、この頃のわたしは人前ではずっと自分の「感情」や「本音」を押し殺しながら過ごしていたし、それをすることに悪い意味で慣れてしまっていたことから、
誰もいない深夜や1人になれる誰にも見られないようなところで「ひっそり」と、泣いたり物に当たったり、全部を1人で抱えてもがいてしまうところは、弟とは異なるところではあるのだが....。
学校に行っていても、不登校をしていても休みが空ける前日は、気持ちが揺れたり葛藤したり、これからのことを考えて不安になったり、というのは、弟も弟なりに感じているからこそ、「癇癪」という形で弟なりの「サイン」を出しているのではないか?と思うのだ。
わたしが実践している癇癪への対処法
では、そんな時にどのように対処をしたらいいのか?
あくまで「わたしが実践していること」に過ぎないので、参考になるかは分からないが書いていこうと思う。
弟が癇癪を起こしている時に発している「不安だ」とか「学校が嫌だ」などといった言葉に、まずは耳を傾けて、
そうかそうか、不安になっちゃったのね
と、叱ったりはせずに、 自分の部屋か1人になれる場所に、弟の話を「うんうん」とか「辛かったんだね」と否定せずに聞きながら誘導する。
そして、
お母さんやお兄ちゃんたちの話し声がうるさかったら、イヤホンして好きな動画見てると音聞こえなくなるから、自分の好きなYouTubeでも見よう。
と、とにかく叱らずに、弟が1番1人になって落ち着ける場所に誘導し、好きなことをするように言うと、大抵、数分で落ち着く。
親が不安になるほど、子どもも不安定になる。
あとは弟は結構、周りの人の顔色や表情、状況などをよく見ている。
たとえば、親が何気なく発する「グチ」だったりとか、わたしが不安症状を拗らせて落ち込んでいる時など、家族の機嫌が良くなかったり不安定だったりすると、弟もそれにつられて不安定になり、結果的にそれが「癇癪」に繋がってしまうことも分かった。
これは、要するに、
親の不安や焦りから行動すると、かえって子どもを追い詰めてしまう。
ということだ。
子どもは親の顔色や表情を意外と細かいところまで、よく見ている。
そして、学校に行けない自分のことを、外に出ることができない自分のことを、大人が思っている以上に責めており、中には、親から
無理して学校に行かなくていいよ
こう言われた時に、自分を責める気持ちから反発してしまう子も少なくない。
だからこそ、親が不登校の子どもに対して、不安や焦りから「良かれと思って」行動したことが、逆に子どもを傷つけている可能性があること。
親が不安になればなるほど、子どももそれを察知して不安定になったり、「自分のせいで親に迷惑をかけている」と、罪悪感を感じて塞ぎ込んでしまう。
一概には言えないかもしれないが、これが
1番わたしが不登校の弟の面倒を見ていて感じたことだ。
じゃあ、親はどう対応するのがいいのか?
それは、
親も、自分自身の時間を大切に過ごす
これだとわたしは思う。
あれを調べなきゃ、ご飯作らなきゃ、フリースクール見つけなきゃ、など「子どものため」に親の時間を作るのではなく、親も「自分のため」の時間を作っていくことで、
子ども自身も、1人で自分のために使える時間ができて回復に繋がっていくと、わたし自身の経験や弟を見ていて思う。
親からしたらただ一日中ゴロゴロして、ゲームやYouTubeを見ているように写り、心配になってしまう気持ちも分かるのだが、
子どもも子どもで、その中から興味のあることを実は調べたりもしているかもしれない。
たとえば弟は、わたしが知らないうちに不登校に関することを自らネットで調べ、ある不登校経験者で、今は自分の好きなことを仕事にしている方のYouTubeやブログを読み、
○○さんは、オレと同じで、9年間不登校だったんだよ〜
とか、
○○さんに会いたいな〜
などと最近、よく言うようになった。
だから、親も親自身の時間を大切に過ごして欲しい。
そうすることで、お互いが回復に向かっていくと、わたしは思う。
この体験談が少しでも多くの親御さんの力になりますように ☻
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![さゆり☺︎](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162587222/profile_ae4cb822a8333c2012f7a89f86694fdf.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)