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【ショートエッセイ】言葉は凶器にも救いにもなる
ドイツ語検定のコラムで、大好きなものがあります。
後半、ゲーテのくだりからは涙が出てきました。コロナ禍で、外出を我慢しながら家に籠って勉強していた私に響いた。
名文すぎて、思わずポメラ(メモガジェット)で模写してしまいました。定期的に読み返したくなるので、再読しに行っています。
https://dokken.or.jp/column/column61.html
このコラムから一部引用します。
読者さんもぜひ、全文を読んでみて下さい。
言葉は,人間の持つ宝箱に残された最後の希望だからです。人間が行うあらゆる表現の中でも,言語だけは「否定の表現」が可能です。「テーブルの上にリンゴがある」ことを絵に書くことはできますし,「森の奥で小鳥たちが鳴いている」ことを音楽で描写することもできるかもしれません。しかし,「リンゴがない」ということや,「森で小鳥たちは鳴いていない」ことを絵画や音楽で表すのは難しいでしょう。言語だけが,「〜ではない」「〜がない」ことも表現できるのです。それは,「嘘が可能であること」とも表裏一体です。言語は,事実でないことも言い表すことができるのですから。それゆえ,言葉によって不幸になる人もいつの世も必ずいるのです。しかし,だからこそ「希望」もまたあります。目の前の現実がいかに冷厳なものであったとしても,それとはおよそ逆方向の事柄を言い表すことができるのです。
言葉を使う人として、職業として、この箇所は言葉の素晴らしさを再確認したところでもあり、いつも気をつける戒めにもせねば、と思ったものです。
言葉で否定の表現ができて、ひどくなると凶器にもなるのは、ネットの誹謗中傷で自ら命を絶ってしまう方がいることで、よく分かります。
それがきっかけで、刑事罰で厳罰化されましたよね。
一方で、言葉に救われた経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
ちょっとした温かな声掛けに救われたとか、どん底だった気分を上げてくれた文章とか。
言葉は良いほうにも悪いほうにも変わるので、使い手によって別のツールに変身するかのようです。
善いほうに使っていきたいものです。
ちなみに、ドイツ語検定受験の過去記事はこちら。よく読まれています。
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