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地方移住と地域おこし協力隊

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東京出身、海外生活7年、YouTuberという仕事を経た私が、ご縁に導かれるように地域おこし協力隊としてやって来た、瀬戸内海に浮かぶ香川県土庄町(とのしょうちょう)。小豆島、豊島…
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#田舎暮らし

地域ブランド「小豆島島鱧®︎」誕生秘話

鱧といえば、京阪神を中心に夏の風物詩として親しまれている高級魚。鱧の産地としては兵庫県の淡路島や明石港、徳島県、愛媛県、山口県などの瀬戸内海に面したエリアが有名だが、瀬戸内海で2番目に大きい離島、小豆島にも「小豆島島鱧®︎」というブランド鱧があることをご存知だろうか。 小豆島ブランドに学ぶ地域活性化「小豆島」といえば他にも、日本のオリーブ栽培発祥の地として有名なオリーブ、昔ながらの手延べ製法が人気のそうめんなども有名だが、近年は、オリーブの搾油後の絞りかすを使った飼料を小豆

瀬戸内の離島で天日塩づくりに魅了された元ラジオディレクター【やりたいことの見つけ方】

「自分の中で確信の持てる直感」に従って、導かれるように人生を決断した経験はあるだろうか。振り返ると、1年半前に私が小豆島へ移住を決めた時も、そんな自分の直感を疑うことなく、流れに乗って決めたように思う。 この記事の主役は、東京のど真ん中のラジオ局で番組制作をしていた元ラジオディレクター。彼は、取材で訪れた瀬戸内の離島、豊島に惹かれ、翌々月には妻と共に移住。さらにその2年後、自身の直感に従って塩ハウスをつくり、天日塩づくりを始めた。 今回は、そんな1組のご夫妻の移住と塩づく

小豆島で本屋をつくる!大手書店勤務から地域おこし協力隊で島移住【やりたいことの見つけ方】

「小豆島で暮らしたい」 「本屋さんをつくりたい」 2022年夏、そんなふたつの夢をドッキングさせ、叶えてしまった人がいる。 今年の春に香川県土庄町地域おこし協力隊を卒業した田山直樹さんだ。 ◆プロフィール田山 直樹(たやま なおき) 現職: TUG BOOKS(タグブックス) 店主 Instagram Facebook Twitter 前職: 土庄町地域おこし協力隊 任期: 2019年5月7日〜2022年5月6日 所属課: 企画財政課 ミッション: 移住定住促進

全国初!地場産物の学校給食×YouTube×ICTで漁業振興が成功した5つの理由

「地産地消」というワードを耳にする機会が増えている昨今。 地元の地場産物を思い起こしても、東京で生まれ育った私には残念ながら東京の地場産物がパッと浮かんではこないのだが、昨夏に瀬戸内海の離島、小豆島、豊島のある香川県土庄町へ移住してからは、自然豊かな風景と旬の食材で、季節の移ろいを身近に感じながら過ごす楽しみを知った。 瀬戸内海に浮かぶ小豆島と豊島は地場産物が豊富!移住してからのこの1年の間に、日常生活や取材で触れた土庄町の旬の食材たち。 そのほんの一部だけを並べて振り返っ

「働く」と「暮らす」が寄り添う島生活 夫婦ではじめたオーガニック農園【やりたいことの見つけ方】

週末に小豆島を訪れるという人には、土曜を挟んで滞在することをおすすめしている私。 「せっかくなら土曜を挟んで来てほしい」 私がそうおすすめする理由は、小豆島を訪れたらぜひ足を運んでいただきたい!と個人的におすすめしている島の素敵なカフェ、HOMEMAKERSが、毎週土曜の昼間、週に一度だけオープンしているからだ。 名古屋から小豆島へ移住、オーガニック農家へ転身この記事の主役である三村拓洋さんが、妻・ひかりさんと2013年に設立したオーガニック農園「HOMEMAKERS」

小豆島のたべもので島の魅力を伝えたい!香川県オリジナルアスパラ「さぬきのめざめ」とオリーブ作りをはじめた農家の想い

好き嫌いがほとんどなく、大人をほぼ困らせることなく育った私だが、唯一、幼い頃から嫌いな食べ物があった。 「アスパラガス」である。 娘の私がなぜアスパラを嫌がるのか、そのきっかけも理由もさっぱり分からないと母はよく話していたが、アスパラ嫌いの私に言わせれば、嫌いには嫌いなりの理由があった。 ① 独特の香りと、食べた時のクセのある味 ② ぐちゃっとした歯ごたえと口に筋が残る食感  (茹ですぎと皮を下処理忘れという、母のうっかりが原因な気が…。) ③ 缶詰の白いアスパラガスの

「魚礁」で海の環境を育てたい!瀬戸内海の漁師さんとタコの放流【小豆島の漁業レポ】

約7年の海外生活を経てコロナ禍真っ只中の2020年末に”一時帰国”の予定で帰国後、偶然のご縁が次々と繋がり、昨夏、地元東京から瀬戸内海の離島「小豆島」へ移住した私。 移住の大きなきっかけとなったのは、総務省の「地域おこし協力隊」という取り組み。 映画「二十四の瞳」「八日目の蝉」で有名な”オリーブの島”小豆島、瀬戸内国際芸術祭で人気の豊島を含む、香川県の土庄町という小さな町の自治体で、私は自身の活動と並行しながら「地域おこし協力隊」として漁業振興に携わっている。 今回の記

移住で出会った島風景 小豆島の夜を彩る電照菊ハウス

小豆島へ移住して初めての冬。 温暖な瀬戸内気候であるこの島も、今冬の夜の冷え込みは一段と厳しかったという。 そんな冬の夜に車を走らせると、暗闇にぼんやりと光るビニールハウスを時折見かけることがあった。 光りの正体は、「電照菊」のハウス。 電照菊の産地としてよく知られるのは、愛知県の渥美半島。 私が昨夏に移住したここ、小豆島は、いまでこそ「オリーブの島」として認知されるシーンが増えたが、かつて小豆島は日本有数の電照菊の産地として知られていたそうだ。 小豆島の島内あちこち

金融コンサルからいちご農家へキャリアチェンジ!40代からの島移住

大阪で10年間、金融コンサルとしてバリバリ働くサラリーマン生活を送っている中、40歳のある日、瀬戸内海の小さな離島「豊島」へ移住。 島暮らしの生業として選んだのは、農業だった。 それが、今回の記事の主役であり、私にとって香川県土庄町地域おこし協力隊の大先輩でもある新屋貴之さん。 前回は アウトドアを仕事に!自然に魅せられた彼女の島移住ストーリー【やりたいことの見つけ方】 地域おこし協力隊のカタチ と題して、3年間の任期を満了されたばかりの元・土庄町地域おこし協力隊の立屋

島移住で知る冬の風物詩「いものつるタワー」で感じる季節の移ろいと地域の文化

2021年7月に東京から小豆島の小さな町、土庄町へ移住した私の島暮らしライフは早くも7ヶ月が過ぎ、現在、島で迎える初めての冬を絶賛満喫中。 年末年始から1月中旬までの小豆島の最高気温は5℃以下、最低気温は大抵マイナスと、結構な寒さ。 「オリーブ栽培が盛んな小豆島の冬はあったかいだろう」と勝手に期待していた私のイメージは、早々に打ち砕かれ、灯油ストーブやもふもふの布団カバーを買い込んで新年を迎える運びとなった。 大事なことなので、もう一度お伝えしておく。 瀬戸内の冬は、そこ

アウトドアを仕事に!自然に魅せられた彼女の島移住ストーリー

好きなことで、生きていく。 2014年のYouTubeCMでヘビロテされていたこのフレーズに憧れ、感化された人は少なくないはず。 冒頭で早速厳しいことを言うようだが、ほとんどのケースにおいて、好きなことを仕事にするのは容易ではない。好きなことが嫌いになり得る可能性もある。好きなことでごはんを食べていくことは決して簡単なことではないからだ。 好きなことで、生きていける?「好きなことで生きていく、ってどうなの?」っていう、そもそも根本的なところについて、まずは自身の経験も交え

地方移住で知った「ふるさと納税」の背景と思い

背景に潜むストーリーを「知っている」か「知らない」か。 それが、人の物事の捉え方や感情を大きく左右させるし、ちょっと知っているだけでスッと心に入ってくることもあるはず。 そんな観点から、いままさにシーズン真っ盛りの迎えている「ふるさと納税」という制度ができた背景と地方の人たちの思いについて、今回みなさんに知ってほしいな、という私の気持ちをシェアしたい。 今回の記事は、参考データがちらほら出てくるため一見硬めだが、半分以上はパッションで書いているので、最後まで目を通していた

東京からの地方移住でわかる、都会と田舎の文化の違い

田舎の人は「都会は冷たい」と言い、都会の人は「田舎はコミュニティが狭すぎる」と言う。誰もが一度は耳にしたことがあるはず。 適度な距離感だからこそ、きっと都会の生活は成立するのだろうし、培われてきた濃ゆい関わり合いがあるからこそ、きっと田舎の生活は回っているのかもしれない。東京で生まれ育った私だが、地方に住み始め、地元のみなさんとの関わらせていただく中で感じるのは、個人的にはどちらの言い分もよくわかる気がする、ということ。たぶんホントのところは、全てにおいてどちらかが優れてい

地域おこし協力隊は本当に「やばい」のか?

昨年末に台湾から一時帰国のはずで日本へ帰国した私だが、先日の記事でお知らせしたように、この夏から「地域おこし協力隊」というお仕事に就かせていただいている。瀬戸内海に浮かぶ「オリーブの島」として有名な小豆島の半分のエリアとその周辺の島を含む小さな町、土庄町に住み始めて早くも3ヶ月*が経過した。 *着任自体は8月からだが、東京からの地方移住のため、島の方にご不安を感じさせぬよう、半月の自主隔離期間と、残り半分は準備や引っ越しなどを挟んだため、実際は7月から小豆島に住んでいる。