読書感想文「Z世代マーケティング 世界を激変させるニューノーマル」
1.きっかけ
私はミレニアル世代。いつまでも気持ちは若いつもりではありますが(笑)
とはいえ、生きてきた時代、見てきたものは異なりますので、学びたいと思って手に取りました。
2.概要
3.気になったポイント
備忘録として、気になったことを各章ごとにあげていきます。
Z世代の特徴
①9.11の記憶がない
②コロナにより、恐怖や不安、脆弱さ、混乱を味あわされている
第1章 ニューノーマルへようこそ
Z世代のノーマル。生まれたときからオンライン。
買い物はAmazonでワンクリック、すぐ受け取る
車はすぐに免許を取らなくても、オンデマンドの移動手段
旅行はAirB
お金周りはアプリで送金、割勘
仕事の依頼はインスタのメッセージ
Z世代について学ぶ理由
①Z世代がすでに20代半ばを迎え、労働者や消費者として影響力を高め、今後そのパイが広がる
②相続などによる富の移転で、資産を譲り受ける
第2章 「世代」を再定義する
9.11について
伝統主義者世代 1945年以前
ベビーブーマー世代 1946年~1964年
X世代 1965年~1976年
ミレニアル世代 1977年~1995年
Z世代 1996年~2012年
世代を形成するには、時期的、地理的要因に加えて、決定的瞬間。ある世代の発生における重要な時期(通常は10代以前)に起きた、世界観を決定づける出来事や事件を指す。
例えば、
ベビーブーマー世代→ケネディ暗殺、ビートルズ
X世代→ベトナム戦争の終結、オイルショック
ミレニアル世代→携帯スマホが普及し、アナログからデジタルへ。Amazonの創業、9.11
世代を形作っている枠組みを理解する。
Z世代を作る決定的瞬間
世代がどこで区切られるかは後になってからでないと分からないが、少なくとも9.11を覚えていない1996年生まれからがZ世代のスタート。Z世代が終わるのはいつかはまだ分からないが、コロナ禍が決定的瞬間となるのは間違いない。
安価なモバイルテクノロジーをいつでも使える常時接続世代。
第3章 Z世代が見てきたもの
・オバマ大統領当選
・世界的大不況→リーマンショック
・Metooと社会運動
・銃乱射事件と国内テロ
・幅広い学習機会
・動画が全て
第4章 スマートフォンの世界で生きる
プラットフォームの使い分け
スナップチャット
Facebookの後に普及したZ世代と同時代のソーシャルメディア。インスタのような完璧さではなく、くだけた感じ。
インスタ
世界から見られたい姿
Facebook
親以上の世代が使っているメディア。イベント管理は使いやすい。
Twitter
速報性。場所に居合わせたリアルな人々からリアルタイムの情報を得られる。
基本的にメールや電話はせず、インスタントメッセージ。全てはスマホありき。
Z世代における教育の本質。世界中の知識がアクセス可能になり、学習は自主自律の傾向が強まる。何よりスマホが深く組み込まれている。
第5章 Z世代とお金
お金に関して、自分の未来は自分で作ろうとする。理由はX世代やミレニアル世代の親が味わった家計の危機には陥りたくないという思いに突き動かされているから。
収入獲得や貯蓄、投資、消費がモバイルテクノロジーのおかげて簡単にできる時代だからこそ、Z世代はお金に関する人生の場面において、有利に進められる。
お金とは財布の中の現金より、スクリーン上の数字。
現実的な経済感覚
・借金を背負いたくない
→ローンに頼らない大学選択。格が高い大学より学費が安いか奨学金が貰える大学を選択する。
・フィンテックの活用
クレジットカードの延滞損害金や金利が膨れ上がっていた上の世代の恐怖体験はしたくないが、クレジットカードを完全に排除しているわけではない。信用情報の算定の透明性、手数料ゼロ、金利ゼロで支払いを4分割できるなど、要望に応えたものを利用
・もう始まっている老後計画
銀行に預けただけでは十分なリターンを得られないことは分かっており、政府によるセーフティーネットには期待していないため、投資資産形成の助言にはロボアドバイザーを活用。
第6章 Z時代のブランド構築
社会正義を購買行動の決め手に。
ナイキの広告「何かを信じろ。たとえすべてを犠牲にするとしても」
Z世代は、ダイバーシティーやインクルージョン、社会正義を購買行動の決め手にする。
ナイキは、長期顧客が離れることを承知で、批判を恐れずに、社会課題への立場を明確にした。Z世代のパートナーになれるのはナイキだと証明した。
企業への期待
①価格ー出費に値するか
保守的で現実的な経済感覚を身につけているため、有用性、耐久性などに相応の価値がなければ財布のひもは緩めない。
②パーソナライゼーションーコンテンツも広告も
個々に合わせて高度にカスタマイズされた広告が当たり前。むしろパーソナライズされていない一般的な広告には目もくれない。「個人データを共有するから、私にあったものを提案してねー」ってことよね。
③社会的責任ー利益追求だけでなく
通常のビジネスだけに執着するのが、Z世代の目からは一番の悪手。企業は、株主だけではなく、顧客、従業員、仕入先、環境全てのために奉仕すること。その理念に真剣に取り組んでいるところを見せてほしいと思っている。
ブランドをプラットフォーム化する
信頼できるブランドかどうか。
・製品だけではなく、責任ある原料調達、環境への責任、公平な賃金などの透明性
・デジタルプライバシーについて企業の透明性。データは共有してもいいが、安全に保管されるのが条件
Z世代への適応はスピード勝負
トレンドの移り変わりが激しく、毎月のように新作が出ているので、季節ごとの商品の入れ替えを待つ必要がない
ショールーミング。お店で見て試して、レビューを確かめて、そのままネットで購入。
質素で堅実なお金の使い方をする一方で、パーソナライズされた広告やソーシャルメディアの影響で買い物に意欲的でもある。
困った困ったといっているのではなく、Z世代の常識を認め、適応していくことが不可欠だ。
第7章 Z世代の消費行動
セフルアクセプタンス、オーセンティシティ、インクルージョンが求められる時代で、Z世代は特にその傾向が強い。
アパレル
古着店。ブランド品が安く手に入り、新しい発見がある。
来店から来店までの間のコミュニケーション、パーソナライズされたショッピング体験
コスメ
YouTubeやティックトックでのハウツー動画発信、寄せられたコメントを開発に活かす
商品以上の存在として
気候変動などの社会問題に対する意識をビジネスのあらゆる部分に織り込んでいる。
エンタメ
ストリーミング。
エンターテイナーのソーシャルメディアの投稿
好きなデバイスで好きなエンターテイナーと24時間356日繋がれること
食
キッチンカー、地元の料理人やコンセプトを応援、社会的な大義を後押しする料理を提供する、自撮りしたくなるようなビジュアル
銀行
倹約家で金融リテラシーを貪欲に学ぶ勉強家。テクノロジー志向と貯蓄習慣の両方に答えることが必要。
あらゆるサービスを店頭に行かずに出来る未来を期待。支出と貯蓄のデータを分析して見える化。
プラットフォームのビジュアル化、情報にたどりつくまでの操作数の削減、問い合わせの音声入力対応、即時送金、支出と貯蓄の分析、新方式の決済手段やクレジットカード不要の決済オプション、未入金分を含む資金管理が出来るツール
自動車
ライドシェアサービスの普及、公共交通機関の利便性の向上でそもそも車への所有割合は減少。
環境に優しい高品質な車
定期的に乗り換えるサブスクリプションリースサービス
投資
口座残高が少しずつでも増えていく様子が可視化され、手軽に友人に紹介しやすいモバイルベースのテクノロジーソリューションを提供できるか
保険
AirBでの予約と同じシンプルさで、保険の比較、購入を透明化、簡素化。
対面での体験ではない。
迅速な見積もりと審査、複数の支払い方法、払い込み期間、動画のQA、優良行動に対する割引・特典、モバイル端末からの手軽な保険金請求、もちろん営業員は介さない。
第8章 Z世代を優良顧客にするには
ブランドを買うのではなく、ブランドとの絆を作る
自分のアイデンティティの表現であり、上昇志向への表れ。
ブランドに期待されるのは、共感。
商品をどのように製造しているか、その商品を使うと何が達成できるのか、企業がどれほど真剣に社会的責任に向き合っているか。
ポジショニング
商品を検討するより先に、ブランドのストーリー、理念、解決しようとしている問題、経営陣の考えを知りたい
エンゲージメントと認知
商品が自分に合っていると顧客に納得させること。
Z世代に響くのは友人や信頼しているネット上の有名人のレコメンデーション
初回トライアル
購入、決済のステップを少なく
返品もシンプルで簡単にする
ブランドロイヤルティ
リピート顧客になる理由は、品質と体験は当たり前。ブランドの理念や社員、影響力に共感できるか。一貫性と透明性があるか。
リファラル
クチコミマーケティング。デジタルプラットフォームで紹介の波が起こせるか。
ビジネスライクに紹介させるのではなく、まずは手早くインスタントメッセージで友人に話すように軽く背中を押すこと。
割引クーポンなどもそうだが、上質なデジタルコンテンツを作ってシェアされるのを待つ。
第9章 エンゲージメント、認知、購入
購買のきっかけとなった要因トップ3
①個人的つながりからの紹介
②ブランドやプラットフォームへの信頼
③ソーシャルメディア、セレブ、インフルエンサーからの情報
Z世代に影響を与える人々にもブランド、製品、サービスの形成や支援に一役買ってもらわなければならない。
評価やレビューはZ世代ではもはや製品サービスに最低限必要なものになっているため、購入者にレビューの投稿と購買体験のシェアを促す仕掛けが必要。
シェアがあったら、感謝のレスポンスをすることで高回転のフィードバックが実現する。
シェアしたくなるような刺激を与える。レストランでの予想外のオブジェや演出など。
モバイルファースト
簡単さと直感性を備えていないデジタルチャネルは他社に乗り換えられてしまう。
全てのサイトはPC用ではなく、スマホ用にすること。
第10章 Z世代への正しい求人活動
実は、皆がギグエコノミーの仕事やYouTuberになりたいと考えているわけではなく、安定した会社を希望し、地に足のついた仕事をしたいと望んでいる層が多い。理由は、仕事を失ったミレニアル世代の姿や話が胸に刻まれているからだ。
応募手順
インターネット上で完結し、スマホに対応し、記入途中で一時保存できる応募システム。
明らか時間かかりそうだったら、そもそも離脱してしまう。
そこまで根気がないのであれば、弊社には要らないというのも企業の考え方なので、それはそれで良いと思うが、そもそも応募のスタートラインにすら立てない。出会いの数が減ってしまうことを意味する。
私だったら、求人も応募しないし、その企業の姿勢やブランドイメージにもマイナスイメージを持つと思う。
透明性の高い従業員のフィードバックが飛び交うオンラインの文化。消費市場と同じだ。
採用についてもYouTube、ソーシャルメディアの活用を検討する。
社員紹介制度
Z世代は、買いたいものをリサーチする時と同じ方法で企業をリサーチする。
友人や家族の紹介の次に大事なのがリファラル制度。
これができるのは、従業員が勤務先に満足しているから。
選考スピードをあげ、独自の労働体験を提供すること。企業の使命と文化を採用プロセス全体に織り込むこと。
第11章 長期的戦力の採用と育成
モチベーションを刺激する3要素
①情熱との合致
夢中になれるキャリア
②社会的な意義
事業がどのように世の中の役に立つか
③継続的な成長
利益以外のものを大切にする姿勢。
新人の業務が、企業全体のどのような位置付けで、企業のミッションにどのような役割を果たしているのかを明示することで、モチベーションとやりがいが高まり、行動と結果への責任感に繋がる。
長く働いてもらうためには
・定期的、継続的なコミュニケーション
自分が進歩し、新しいスキルを身に付けている実感が欲しい。小さな勝利を評価すること
・柔軟な勤務スケジュール
勤務シフトの組み換えのしやすさ、早上がり制度なと
・キャリアへの投資
資格取得支援、オンライン講座の受講料補助
Z世代は、日増しに消費者として購買力を伸ばし、労働者として勢力を増している。
4.まとめ
様々な角度から、考察されており、リアルなZ世代の姿が見えた。私はミレニアル世代であり、書かれている内容は、分かる部分はあるが、やはり、体験した時期はズレているから、影響度は異なる。
若者は!本来はもっと不便でどうのこうの言われても、そもそも前提が違うから、知らんがなの一言。少なくとも戻ることはないから、ブーブー言うのではなく、理解して、どう対応していくのか。結局相互理解。
Z世代だから、ミレニアル世代、ベビーブーマー世代とか、何が良い悪い、新しい古いではない。
それぞれの世代が「そういうものだ」と理解することで、よりよい未来に近付けるのではと思う。
だって、時代や出来事に応じて、その瞬間を必死に生きていこうとした姿の集大成だから。
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