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乱暴に心のやわらかいところを触ってくれ

毎日ONE PIECEが読みたいONE PIECEが読みたい。一巻からじっくりと読み直したい、と私が喚いているものだから、家族が一体どうしたんだ?と。そんなにONE PIECE好きだったっけ?何そのONE PIECE熱、、と呆れている。

そうだよね、どちらかといえばジョジョやHUNTER×HUNTER好きの私だもの。一体どうしたんだ?と、またこの人の奇行が始まったよと思われても仕方がない。

ONE PIECEは学生時代から途中までずっと読んでいたのだが、なんかこう、、これ絶対に泣かせようとしてないか?という、あの分かりやすく心のやわらかいところに乱暴に触れてくるところが、そこそこ年を取ってくると少し苦手になってしまって、本屋で新刊を見つけても手が伸びなくなっていた。

しかしながら、私の魂の三分の一くらいは漫画が刷り込まれている自信があるほど、私は漫画を愛しているので、いつかまた読まねばならないと思っていた。謎の義務感。

誰のために?何のために?なのかは、ちっとも分からないこの使命感。ほんとに謎です。しかも、数ある漫画の内のこの漫画!っていうより、漫画そのもの、漫画をひとくくりにして総てをわたしは愛しているのだ。とにかく好きなんだよ。

そんなわけで、そこまで好きじゃなくてもなんとなく使命感で読んでいる漫画は沢山あるし、結末を知っておかねば!と責任感を持って漫画を読もうとすることもしばしばだ。(つまり変人)

ところが今回のこのONE PIECE熱は、そういった謎の責任感とは少し違う。おそらく心が疲れているためによるONE PIECE熱ではないかと推察する。

ここ最近の失恋により私は、一生懸命誰かを信じたり、心を込めて相手に尽くしたことが全て無駄だったと、油断すると無力感というか人間不信の渦に溺れて、今にもカオナシみたいになりそうなのだ。アー、、アーー、、。

それで今、
お前が必要だぁあああーーーーとか、助けてやるぅうううーーーーーーーとか、俺の仲間をーーーーーーーーーーーーーーー!!!!とか、あのあっついやつ。あの激アツなアチアチほくほくの性善説王道大団円でもって、荒ぶる私のこころを乱暴に揺さぶってほしいのである。


人を信じること。仲間を大切に思うこと。自分が大事にすると決めたことは譲らないこと。世界を敵に回そうが、誰に嫌われようが、それよりも自分にとって大切なものがあること。また自分の大切な人が大切にしているものを、自分も大切にするということ。こういったキラキラ世界線がONE PIECEの中にはある。

このいわゆる美徳というモノを、普段なんにも考えず日常に忙殺されて過ごしていると、普通に忘れる。いい意味で社会に擦れてきているので、「世の中は信じるな。人を簡単に信じるな。」がデフォルトで、人々はとても慎重に生きているわけで。そして恋をして気が狂った時だけ、安易に人を信じて痛い目に遭うような気がしている。私だけかもしれないけど。

だが、だがね諸君。きっと人々はほんとは安易に人を信じたいのだ。分かりやすい言葉で情熱的にあなたが必要なんだよとシャウトされたいのだ。ONE PIECEがヒットする理由の一つにきっとこれはあるだろう。

それで私は今、分かりやすい言葉でアツイ想いをすぐに叫ぶ海賊どもを読んで、ひたすら癒されたいのかもしれない。


失恋には上書きの恋が手っ取り早いのは知っている。今までもそうしてきた。でも今回はそんな気にならない。

私が大体いつも恋に堕ちるきっかけって、自分の心のやわらかいところに相手がとてもいい感じに触れてきたり、また逆に触れさせてもらうことができて、且つその事を相手が好意的、特別感をもって私に伝えてきてくれたりしたらもう、フォーリンラブは始まる。すぐに。

それを解っていてそれでいて、今の私はその自分の心のやわらかいところを誰かに触れてほしいと思ってないような気がする。ある意味、また恋を始めるにはパワーがないのだ。そりゃそうか。あんなに好きだったんだもの。


今のところONE PIECEだけだ。

乱暴に私のこころを触ってほしいのは。


つまり、
ONE PIECEが、読みたい!!フガーーーー!

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