20年前の魔法にかけられて
PERFECT BLUEと千年女優を劇場で観てきました。
久々の映画館、ふわふわな座席。
スクリーンには、幕があって、アナウンスと開演ブザーの後に幕は開き
予告もなく作品が上映される。
今年、今敏監督が亡くなって10年が経ったそうです。
池袋新文芸坐では今月5日まで今敏監督作品を2本立てで上映中
詳しくはこちらをチェック https://www.shin-bungeiza.com/schedule
私が監督を知ったのはとても遅かった。
林原めぐみさんが好きな私が最初に観た今敏監督の作品は
言わずもがな、林原めぐみさん主演の「パプリカ」でした。
夢が題材の作品だったのもあり
他の作品を見た後も 疾走感のある楽しい悪夢 と言うのが私の監督作品への感想です。
今回は以前見たことがあるPERFECT BLUEと初めて観る千年女優を劇場で観れるとあって、ルンルン(死語)で映画館に向かいました!
2時間も前について時間を潰すなどしつつ 会場へ
最初はPERFECT BLUE
PERFECT BLUEは仕事柄、ルミちゃんに共感する部分はありつつ
ミカド劇場がある土地であのストリップ小屋のシーンが観れたのはすごい感慨深いと思うなどしながら目を背けたくなる痛々しいシーンの鮮明さ、境界線が曖昧になる物語進行に脳天を殴られまくりました。もうフラフラでした。
感動して泣く作品では無いですが
答えの出ない気味の悪さが美しい疾走感のある悪夢そのもの。でした。
そして、脳みそがぐちゃぐちゃのまま、千年女優。
結果、監督の作品で千年女優が一番好きでした。
音楽と映像美。カタルシスで時間も概念も吹き飛ばす物語進行。
自分がレトロ趣味なのもあるし、登場人物が祖母に歳が近いからか親近感も強かった。お世話になっていた先生が活動していた時代というのもあります。平成初期産まれにしてはこの時代の物に触れる機会が多かったのです。
細かい事は置いておいて、小気味よく印象が鮮烈に流れ込んでくる。理屈をぶっ飛ばして脳みそに語り掛けてくる。
ああ、これが魔法か。 と思いました。
最後のオチのセリフ。
私はそれを聞いて、今まで勝手に感じていたカタルシスが風船みたいに破裂して 唐突に「そうだよね。」と現実に戻されてしまった。
ああ、悔しい悔しい。勝手に共感してしまう!好きです!
そしてエンドロールへ。エンドロールまで古い映画の様な加工がされていて、その徹底ぶりに感動。
EDテーマを聞いて平沢進さんが音楽担当だと再認識し、驚愕する。
これは、どういうことだ。
作品への寄り添い方が真摯すぎて忘れていたけれど。
これ全部あの人の楽曲だったと驚き泣く。歌詞でも泣く。
アーティスト平沢進ではなくクリエイター平沢進を感じる作品でもありました。なんていうか、最強タッグですよね。
そして、全編シーン毎に多少手法は違えど、映像処理でレトロな映像にしているのが好み過ぎて泣きました。
ちなみに冒頭のどうってことのない番頭のセリフに泣くなどもしました。
最後、製作年 2001年と書いてあって
ああ、20年も前にあったのになぜ私はこの作品観てなかったのかと強く後悔。でも映画館で観れたのは嬉しいのでいいのです。
2001年って私10歳か。演劇をはじめた歳……。
いつまでも、いいものはいいのであります。
少なくても私にとっては。ずっといいものであります。
これからもずっと。
まとまらない感想。
脳内では未だに映画の登場人物が走りまわっている
また、一緒に走りたいので、近々また観ようかなと思います。