[小児科医ママが解説] 「ドーナツ枕」で、頭の形はなおりません。
生後1〜2か月ころになると
など、頭の形について悩みが出てきますよね。
よくご質問されるのが、お家でなにかできることはありますか?と。
市販のドーナツ型の枕についても、良いものがあるのか、と聞かれます。
が、ドーナツ枕で、頭の形がなおると医学的に証明されたものはありません。
頭の形についての世界的なガイドラインなどでも、
「向きぐせを治すために、クッションなどは使わないこと」
としています。
(Neurosurgery. 2016 Nov;79(5):E627-E629.)
(Dtsch Arztebl Int. 2017 Aug 7;114(31-32):535-542)
枕だけでなく「向きぐせ改善クッション」などと銘打った商品なども、医学的に効果が証明されたものはありません。
ドーナツ枕は、乳幼児突然死症候群のリスクにも。
そもそも「赤ちゃんのベッドには何も入れない」というのが、乳幼児突然死症候群(SIDS)対策の、キホンのキです。
枕。クッション。布団。毛布。
これら全部、SIDS対策としては、赤ちゃんのベッドに入れてはいけません。
(SIDSについては過去noteにまとめています。)
え?じゃあ寒いときどうするの?
と思われるかもしれません。
そんな時には「スリーパー」が大活躍します。
赤ちゃんの寝袋みたいなものですね。
布団をけっちゃう!布団から出ちゃう!
こんな悩みも、スリーパーを着せれば解決です。
おもちゃの位置。ベッドの位置。寝る位置。横だっこの向き。すべての左右を均等に。
ドーナツ枕は使えない。
となると、日常生活で他に何ができるのか。
それは「日常生活のあらゆる左右を、均等にする」の一言につきます。
特に見落としがちなのが、ベッドの向き。
赤ちゃんが寝るベッドの右側に窓があると、常に右側から日光が入ってくる、右側が明るい状況になります。
そうすると、赤ちゃんもずっと右を向きやすいので、より右向きのクセが強くなります。
ほかにも日常生活で気をつけられる点は、過去noteにまとめています。
また、生後2〜3か月以後になると「ヘルメット治療」を受けられる場合もあります。こちらも気になる方は、過去noteをチェックしてみてください。
これからも、お子さんの成長を少しでも安心・安全に見守れるようなお助けができれば、幸いです。