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創作物感想録⑩:エイプリルフールズ
入口と出口とで全く違う印象を持つことになる映画だった。
嘘で苦しんだ登場人物が、嘘によって救われていく様が描かれているからだ。
本作では、複数の登場人物がそれぞれ嘘をつく。
嘘が嘘とバレたことで動き出す歯車もあれば、真実を述べたのに嘘と思われて動き出す歯車もある。そういった歯車が嚙み合って嚙み合って嚙み合って、ミラクルが起きる。
そうなってくると、嘘をつくことが必ずしも悪いことではないことを改めて認識させられる。当然、他人を不幸する嘘は絶対悪ではあるが、様々なタイプの嘘がこの世には存在する。
弱い人間が生きていくための嘘。
勇気の出ない人間が自分を奮い立たせるための嘘。
愛する人の最期を笑顔で迎えるための嘘。
エイプリルフールが終わるタイミングで幕を閉じる物語のラストの演出もとってもおしゃれに感じました。
補足:脚本家・古沢良太さんについて
本作品を見終わった後に、本作の脚本を手掛けた古沢さんが私の大好きな「ALWAYS 三丁目の夕日」や「リーガルハイ」の脚本も手掛けていたことを知りました。(すごすぎる。。)
古沢さんのインタビューなどはネットでも出回っていたので、たくさん学ばせていただこうと思います!
脚本を書くにあたっては、ストーリー以上に「この人が見たい」と思えるような人物像を作りたいと思っています。そのキャラクターをなるべく面白く描こうとした時に、突拍子のない行動や発言をするにしても、自分が全然共感できない行動は取らせることができません。なので、多分このキャラクターはこういう気持ちなんだろう、俺の中にもこういうところはあると、そこを繋いで描いていきます。だから人物を作り上げていくことは、自分の血や肉を分け与えていくことなのだと思います。
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