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(感想)その場所から立ち上がる物語

(以下、筆者Xより転記)

金沢ナイトミュージアム2024、PANCETTA『声』の関連企画、『まち歩き×演劇ツアー@菊川』に参加。菊川町公民館の天地さんに案内されて巡る町の、古い家の中や路上で出会う人々。住宅街の日常にちょっと紛れ込んでしまった非日常。

私は菊川の辺りはあまり通ったことがなく、もちろん住宅の辺りに入ったこともなかった。繁華街から思ったより近く、知らなかった町を通ってみることが興味深かった。

知らない町の誰かが暮らしている日常に、好奇心だけではなかなか入り込みにくい。しかも、ゆっくり歩いて、町にある何かをじっくり見ることもやりにくい。そういうことができてしまうのが、こういった企画のまず面白い点だと思う。

見学に入ってみた古い家で出会う二人。通りすがりに話している二人。お茶屋さんの店員さん。公民館で作った防災すごろく。二人と二人のつながり。町にあるものを紹介しつつ、発展させた物語になっていた。

サイトスペシフィック×観客参加型の演劇ということで、しかも基本がまち歩きとして、日常の延長で参加してきている観客を、演劇世界に引き込むのは結構難しそうと思っていた。また参加者の参加度合によっても対応と展開が異なってくるだろう。

でもそこは俳優の力で、ちょっとした非日常に少しずつ参加者も慣れていき、菊川であるからこそ生まれた物語を受け止めていたように思う。

立ち位置がわからず、シーンの邪魔になるような場所に立ってしまっていたことが多かったような気がしてならない。写真撮影可能だったのだが、参加者が写り込んでしまうので撮りにくかったかもしれない。すみません……。

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大場さやか
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