(感想)宗教的何かを伝えるのは人
(以下、筆者Xより転記)
10/5夜、札幌ハムプロジェクト『馬とバカ』鑑賞。新興宗教「馬の力」の3日間体験入信に潜入したYouTuber加納マコ。ちょいちょいお金を求めてくるものの、思ったよりぐいぐい来ない教団側に疑問を感じつつ、教義に触れて彼女は自分の内を見つめてしまう。最後に彼女が見るのは大いなる神の力なのか。
札幌ハムプロジェクトは、ワゴン車1台に舞台装置など全て詰め込んで移動して、旅公演を行っている。セットは黒い屋根裏部屋の隅っこ。小さくも作り込まれている。そのセットの中だけで演じられるわけではなく、教団員は下手から移動してきたり、物を持ってきたりなどしていた。
馬を中心に据えた教義はおかしな点もあるが、よく聞くとみんな知ってる何かだったりする。そもそも、歴史のある宗教にも似ている点はある。新たに宗教が生まれなくともいいのに、それができてしまうのは、人の都合でしかないのかもしれない。
仕事が長続きせず、発達障害傾向があるとされている加納マコは、自分が変であることに悩む。「馬の力」の教団員、田中も人生がうまく進んだ者ではない。しかし、そんな田中がかける言葉が加納を救う。宗教があったとして、でも人を直接に救うのは、教義を伝える「人」なのではないか。
台詞で、狭い場所に集わなくて何が宗教だ、といった感じのものがあり、それは、演劇もなのではと思った。狭い場所でなんだかよくわからないものをぎゅうぎゅうになって一緒に観る。その経験が気持ちを高揚させたり興奮させたりする。そうか演劇は宗教……。
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