(感想)信じて待つ
(以下、筆者Xアカウントより転記)
映画『1%の風景』観賞。助産所や自宅で出産する女性は全体の1%。妊婦と助産師、家族たちが新しい命の誕生を待った時間の記録。「人が人を生むことの大変さ」と「待つことの大切さ」が、じんわりと染みるように伝わってくる。
妊婦に寄り添い、励まし、できる限りの手助けをして、だけど誕生の瞬間は制御できないから、ただ、信じて待つ。「人事を尽くして天命を待つ」とはまさにこのことなのだと思う。何もかもが都合良く動かせそうな気分でいる現代に「そうでもないよ」と、そっと声を掛けてくれているようだ。
生む場所や手段は、生む人が決められるならそれがいい。でもどんな方法での出産だったとしても、苦しい時に励ましてくれる存在が側にいてほしいと思う。少子化対策をと言うのなら、何よりまずそういうことではと思う。
生まれてきたことへの疑問などを持つ立場があることは承知の上で、それでも、誰もが誕生を待たれていたのだ、と思える。
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