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(感想)この地に足を付けて

(以下、筆者Xより転記)

12/1、金沢舞踏館『闇夜の子守唄』観賞。場面の説明書きが配られたが、読むのは観賞前でも、後でも、観客の好みに任される。私は説明文はざっと読みはするが(でもそれだけで覚えられはしないし)、実際に観て何か感じられたことを大事にしようと思った。

説明文を参照して簡単にまとめてみると、始まりの場面は現代。犀川の河原で老人が倒れる。あの世への途中、三途の河原では地蔵達が人間を待っている。地蔵達と出会う旅人。進みゆく彼らの前には魔女や魔王が現れ、旅人の行方を左右する。

舞踏は地に足が付いていて、そこから自由にはなれないということを理解した上で、重力に時には支えられ、また逆に重力を足かせとしながら、それでもどこかへ向かおうとする踊りだと思う。跳ねることをしないじわじわとした動きをじっくりと追う。

三途の河を渡るには、現世で手に入れたもの全て、良いものも悪いものも置いていかなければいけないのだろう。それに抗い、しかし諦め、受け入れて旅人は河を渡る。そんな心情なのではないかと思った。

河原の様子を表現していた冒頭では、河原を歩いている人々としてエキストラの出演があった。舞踏ではない動きと、舞踏の動きとがもっと交じり合っている様子も見てみたいなと思った。


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大場さやか
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