安全運転をしているのに 毎日 交通事故に遭っているようだ
自分は、安全運転をしているのに
毎日、交通事故に遭っているようだ
この言葉は、経営者の方とお話している時に
経営者の方が本音で話してくれた時
たとえ話として話してくださった。
その経営者からお聴きした言葉
とても心に残っている。
『自分は経営者として日々奮闘している。
「経営すること」って
毎日、道路を安全運転で走行しているのに
想像もしていないことが起こったり
トラブルが舞い込んできて毎日事故に遭っている気分。
自分は安全運転で走行してるのにだよ?
昨日のトラブルが解決したかと思うと
今日も課題が目の前に降りてくる。
経営者って、どれだけ気をつけていても
道路を安全に走行できることがない』
確かに・・・そうお感じになることに対して
とても共感したことを覚えている。
この方の表現は独特だけれど
経営者の皆さんが、同じことを感じていると思う。
心理カウンセラーとして
顧問先の経営者の方々の話を毎日のようにお聴きする。
皆さん「なんで自分の会社だけこんなにいろいろなことが起こるんだ??」って言われることが多いけれど
顧問している会社のすべての会社で、問題のない日なんてない。
「問題」は「問題」だと思うと
苦しくなることも多いけれど
問題は「課題」であり
「課題」を改善していくことは「成長」であり
強い組織や素晴らしい会社を創るうえで、
大切なプロセスだと思う。
もし「課題がない」と感じるなら
それは、成長していないかもしれない。
人も組織も
成長している時は、必ず「課題」があると思う。
それは「問題」という形で現れることも多々あると思う。
安全運転をしているのに
事故に遭うとするならば
もっと、もっと、運転に気を付けて
この車の後ろを走っていたら
急ブレーキ踏みそうだな・・・とか
隣の車イライラして走っているな・・・とか
”感じる能力”や”察する力”をあげる必要がある。
「辞めたいなんていうはずのない社員が
突然、辞めると言ってきた」
突然の「追突事故」のようだ。
でも、本当は、突然「辞める」なんてことはなくて
その社員は、少しずつ蓄積された
不安や不満があったはずで
そのことに気づけなかった自分や直属の上司は
この件から何を学ぶか?が大切だと思う。
次は追突事故をされないように。
経営者の方に向けて伝えたい。
問題が毎日のように起こっているのは
あなただけではない。
・社員が病気になった
・事件に巻き込まれた
・お金の問題が起こった・・・
起こるはずがない問題が次々起こる
経営者の皆さんは、表では何もないような顔をしているけれど
たくさんの悩みや苦しみを抱えている。
今、「うまくいっている」なんてことは
なかなか難しい。難しい時代だと思う。
真価が問われている。
先日のインスタライブで
「経験を価値に変える」
「どんな経験も価値に変わる」
この言葉をテーマに話をした。
この「経験」とは、日常の中で問題のように
経営者のあなたに降りかかってきたかもしれないけれど
必ず、価値に変わる。
経験したことは財産になる。
その問題が起こったことで
人材教育を見直したり
職場環境を考えたり
社員のメンタルヘルスに目を向けたり
たくさんの「課題」を乗り越えれば
乗り越えるほど、経営者は鍛えられ強靭な精神力を持ち
会社も組織も強くなっていくように思う。
苦しいけれど、トンネルには必ず出口がある。
「戦っている最中は、強い信念と明るい笑顔に奇跡が起こる」
◇ 先日、とても尊敬する経営者の方と久しぶりにお会いした。
数年前、私は、その会社の教育に入らせて頂き
共に戦った時間は、その会社にとっても
経営者にとっても、非常に苦しい時間だった。
当時、その経営者Aさんは
自分自身の身体にも大きな影響があり
入院することもあった。
信じていた幹部に裏切られたり
想いをかけ愛情をかけていたはずの社員との
別れがあり、家族のトラブルも絶えなかった。
その会社の教育カリュキュラムを作成し
A社長と、セミナー構成を考える時、
A社長から
『「ありがとう」と「ごめんね」が言える
環境を作れるようなセミナーをやってほしい」と言われた。
その時、「ありがとう」と「ごめんね」が
言えない会社なんだと衝撃を受けた。
そういう風土の中で人が育つのだろうか?と
信頼関係はどうやって構築されるんだろうか?と。
A社長は、素晴らしい経営者なのに
なんで、こんなに人の問題で苦労するんだろうかと。
深い闇の中で共に悩んだり考えたり
多くの時間を共有してきた。
会社の中には時々「がん細胞」が生まれることがある。
会社が「がんになる」ということ。
がんは、早期発見と早期治療が大切で
早ければ早いほど助かる可能性は高い。
がんの治療を考えると
①「がん化した細胞を切除する」という外科的治療と
②(賛否両論ありますが)がんに対する抗がん剤治療か
③がんと共に共存していくか
④生活習慣を変えるか?
がんを発見したならば
治療の方法と方針を決めなければ命取りになる。
A社長は、会社の体質改善に向けて
「がんを切る」という選択をした後
会社は大きく変わった。
がんを取り除き、体質改善をしたら
新しい細胞が生まれ新しい仲間が増えた。
風土は人が創る。
環境で人は育つ。
どんなに良い人材だったとしても
風土や環境が悪ければ育たない。
久しぶりにお会いしたA社長が話してくれた
話を聴いて、もう大丈夫だなって強く思ったことがある。
いつも厳しく人の甘えることが苦手だった課長に対して
誰も課長に意見を言えない環境だったのに
新しく入った女性社員が
「課長がもたもたしているせいで
後ろが(仕事が)渋滞してるんですけど~(笑)」
「ごめん、ごめん、PCのここがわからなくて
仕事が止まっているんだけど・・・教えてくれる?」と
言えるようになったと。
「課長ってこういう人だ」って
ずっと働いている社員はラベリング・イメージを強く持っているけれど
何も知らない社員が、何も知らずに
課長の「おかしいことをおかしい」「間違っていることは間違っている」
って言ってくれたおかげで、課長のラベルがはがれた。
何も知らない社員おかげで
もともといた社員たちは
課長は、本当はこういう人だったんだって。
気づくことができた。
だから、課長は変わるキッカケを与えられたし
その課長が変わったことで
会社の風土は変わった。
人は変わる。
・数年前に起ったこと
・今までのその人のイメージ
周りがそのことに固執していると
本当は、目の前の人が変わったのに
その変化を見落とし
変わった自分を認めてもらえないから
ずっと、そのイメージの人を演じ続けなければならない。
過去を見るのではなく
今、目の前のその人を見てほしい。
その人をちゃんと見たら
その人は変わっているかもしれない。
一人の力は大きく
組織に与える影響は大きい。
もう一つ、会社は変わったなって思うエピソード
A社長は、甘いものが大好きで
よく会社にお菓子やお土産を社員に持って行ってた。
以前は、お土産を会社に持っていき
みんなに「食べる?」と聞くと
「あっ、いいです(もらわない)」
「後でいただきます」
席に持っていって食べる・・・
こんな風だったのに
今は、朝礼が終わった後に
A社長が「コロナが気になる人は
無理にここで食べなくてもいいんだよ」
と言いながらお菓子をふるまうと
みんなが同じ場所で「いただきま~す」「おいしいね」と
ニコニコしながら食べていると。
その様子を見ながら
男性社員も甘党多いんだな。
スイーツ好きなんだな。と様子を見ながら
みんなの笑顔を見て幸せでいっぱいになると。
久しぶりにお会いしたA社長が、会社のみんなのことを
幸せそうに話している。
その様子を見て、私は、本当に幸せな気持ちになった。
その会社の業績は上がっている。
当たり前だと思う。
もう、この会社に私は必要ないし
必要なことがあったらもちろん駆けつけるけれど
外部の力なんて借りずに
自分たちの力で歩むことができている。
教育とは「自立」である。
私は会社の教育に入り
関わったすべての人に「自立」してほしいと願っている。
この経営者(A社長)と会社はもう大丈夫。
本当に力をつけた。
強靭な精神力とたゆまぬ努力
あきらめない底力が、会社に活力と笑顔を取り戻した。
今、苦しんでいる私の周りの経営者に言いたい。
乗り越えられない壁は訪れない。
乗り越えられない過去はない。
今、目の前に起る問題は、自分に必要だから、訪れている。
乗り越えて、乗り越えて進んでいくと
知らない間にとんでもない場所まで行きついている。
それを「成長」っていうんだと思う。
人は変われる。
あきらめなくて本当に良かった。
選んだ道でどれだけやるか?の精神で
自分の選択をすべて受け入れてよかった。
そう思える時が、必ずやってくる。
冒頭の経営者が言うように
経営者は経営をしていると、交通事故には遭う。
でも、命まで取られる事故に遭わないことが大事。
事故に遭うなら・・・
頑丈な強いボディを持つ車に乗ればいい。
事故をもらいそうになる車のそばを走行しなければいい。
事故しても、車を修理し完璧に直してくれる人、
周りの協力者を大切にすればいい。
問題は、毎日事故に遭うことではない。
どんなことをしていても最善の注意を払っていても
道路を車で運転すれば 誰でも事故に遭うことはある。
「なんで私が事故に遭うの?」
「なんで私ばかり事故に遭うの?」
ではなくて
事故に遭う可能性があることを知っていて
どうその問題と向き合うかが大切だと思う。
問題と向き合うことにエネルギーが足りないなら
共に歩んでくれる、走ってくれる伴走者を見つければいい。
人は一人では生きられない。
だから、そばにいる人を大事にして
自分を守ってほしいと思う。
心理カウンセラーとして
経営者を支えることはカウンセリングの領域の中でも
コーチングの要素を多く含んでいると思っている。
マイナスを取り除き
プラスを見つけ出し
そのプラスを最大限に引き上げる
”パイオニアコーチング”を
これからも全身全霊で続けていきたいと思う。
今、支えている大切な経営者が自立するまで。