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信じることができなくて、破綻した関係。

娘といっしょに湯船につかっているとき、むかしを思い出して、ふと、こんなことをつぶやいた。

「むかし、お母さんにも子供時代があってね、幼なじみの家に泊まりに行って、お布団に入ったとき、なかなか寝つけなかったんだ」

「幼なじみがね、さやちゃん、どうしたら眠れるって訊くの」

「シーンとしてるより、ザワザワしているほうが眠れるかもしれない」

「そう答えたら、幼なじみが落語家みたいに、ひとりおしゃべりをしてくれて、思わず笑っちゃった。可笑しくて。でも、嬉しくて。優しい幼なじみだった」

娘に話せたのはここまでだ。
これには、続きがある。

子どもだった幼なじみは、成長し、社会人になった。就職しだけど、いつの間にか仕事を辞めていた。そんなとき、MLM(マルチレベルマーケティング)を始めた幼なじみ。

わたしにも勧めてきた。

しばらくは、幼なじみから商品を買っていたけど、しだいに付き合うことが苦しくなり、関係が破綻してしまった。

商品を勧めてくる
イベントへの参加要請
MLMの販売員になる勧誘

それらに耐えられなかった。

こんなとき思い出すのが、女優の芦田愛菜さんのことばだ。

「裏切られたとか期待していたとか言うけど、その人が裏切ったわけではなく、その人の見えなかった部分が見えただけ。見えなかった部分が見えたときに、それもその人なんだと受け止められることができる、揺るぎない自分がいることが信じること」

映画『星の子』完成報告イベントより

幼なじみの見えなかった部分が見えたとき、受け止めることができなかった。幼なじみを信じることができなかった。

幼なじみは結婚し、いまは家庭を持っている。ご主人は全てを受け止め、幼なじみのMLMに理解を示した。続けられるように援助もしている。

幼なじみが信じているものを信じることで、愛を示したのだと思う。

幼なじみは、20年以上、MLMを続けている。




MLMとは?

マルチレベルマーケティングの略。ネットワークビジネスとも呼ばれる。友人や知人に商品を売ることで、マージンを得られる仕組み。また、新規会員を獲得するため、イベントなどを開き勧誘することがある。

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秋には干し芋を買って、12月までに新しい手帳を買いたいです。