欲まみれ生活の末の開かれた道
こんにちは。ヨガインストラクターの吉田紗弥です。最近では甲子園の試合が熱く繰り広げられており、青春を分け与えてくれているなぁと感じる季節です。
皆様いかがお過ごしでしょうか。今日もヨガのお話から入っていきたいと思います。
今から約2000年前に成立されたとされる根本経典「ヨーガスートラ」には私たちの生活をより良くしていくための賢者の教えが記されております。
その中から一説ご紹介いたします。
「ブラフマチャリアに徹した者は精力を得る」
まず「ブラフマチャリア」は二つの言葉から成り立っています。「ブラフマン」これは神と意味づけされヨガでいう私たちの世界の背後に偏在する世界、そして「アーチャリア」は「規範を守るもの」とされブラフマチャリアは「神の教えに従う者」と意味付けされます。日本語では「禁欲」と訳します。
約2000年前にヨガが成立された時は男性の修行の一貫として旺盛な男性の性欲を戒める戒律でした。けれども今ではたくさんの女性もヨガを実践しているのでもっと広い意味で解釈ができます。
私たち人間に備わる生理的欲求というものは性欲の他にも食欲、睡眠欲があります。この欲求に溺れてしまうと私たちは途端に身体からエネルギーが奪われてしまいます。例えば、ブッフェに行った時「元を取らなきゃ」とお腹いっぱいになっているのにも関わらず食べ過ぎてしまうと食べ物から得られるエネルギーより消化に使うエネルギーが大きくなり身体は重く、集中力を欠いてしまいます。
また睡眠もまた然りで、10時間、11時間必要以上に睡眠をとてしまうと脳の整理と体の回復どころか睡眠に消費されるエネルギーの方が多くなってしまい、疲労感が生まれてしまいます。
ですので私たちはこのような生理的欲求をコントロールし、バランスをとっていく必要があります。
その昔、ブッダはこの禁欲を欲に溺れるでもなく、極端な禁欲でもない「中道」を説きました。簡単にいうと、適度に、ほどほどに欲を満たすことが大切だと教えてくれています。「腹八分目」という言葉がある通り、私たちは適度に自分の欲のバランスをとることが大切なのです。
その実践者の例として有名なアスリート、例えば大谷翔平選手や有名な女優さんなどは必ずこのブラフマチャリア「禁欲」を中道を実践されているかと思います。そうすることで大事な試合本番や舞台の時に100%の力を出し切ることができるのです。
私たちは日常生活で「疲れが取れないな」「なんとなく体が重い」と感じる理由は案外シンプルです。まずは性生活、食生活、睡眠時間のバランスをまず整えて自分の欲に溺れることなく生活を送ることが大切なのです。
私のお話になるのですが、私はインストラクターになる前はホテルの正社員として働いていました。
仕事は大抵終わるのは11:00くらい。
お酒が大好きで、仕事終わりはみんなでコンビニへ行って缶ビールで乾杯、そして時にラーメン屋さんや牛丼屋さんへ行ってガッツリ食べ、そのあとコンビニへ行きお菓子を買って家で食べて寝るという生活。
そしてさらに私は音楽大好きなのですが、休みの前の日などは仕事終わりにそのまま友達と渋谷や六本木のクラブで飲み明かし、DJの前で全力で踊るという事を繰り返していました。
若い男女が集まり、まさに欲まみれの場でお酒を飲み、爆音のかっこいい音楽に合わせて踊るのは最高に気持ちが良いいものでした。
栄養ドリンクを飲んだかのようにテンションが高くなり翼を授かったような夢心地..
そして休みの日は家でHuluやNetflixで一日中ソファーで寝転びお菓子を食べながら海外ドラマを見るというルーティーンです。
当時ウォーキングデッドという人間がウイルスに侵されゾンビになるというドラマが大流行したのですが、それを見ながら一日中動かずにいると次の日は自分もゾンビになったかのように身体はだるく、新橋の社畜サラリーマンと一緒にゾロゾロと会社へ向かうという有様です。
ある日、ホテルの先輩と合コンすることになり銀座のワインバーで集まることになり、サプライズで私の誕生日のお祝いをしてくれたのです。
気分が最高潮に達して、ワインを大量に飲みましたが次第に気分が悪くなり楽しい気分はどんどん落ち込んでいきました。そしてなんと家に帰ると財布を無くしていることに気づいたのです。
財布をどこかに落としお酒の酔いで気分も悪く次の日仕事に行くのですが、あまりの二日酔いと財布を無くした不安とで全く仕事に集中できないのです。
JRやいったお店に連絡するもつながらず最悪な状態でいると人事から内線で連絡があり、築地の警察署から連絡があり財布を預かっているということだったのです!
二日酔いを残したまま仕事終わりに築地の警察署へ向かうと呆れた顔をした警察官に対応いただき無事財布を受け取ったのでした。
しかしこの出来事から懲りずに私はお酒を飲みすぎて何度も何度も財布を落としたり、カバンを無くしたり、お酒の失敗を学ばず、過ごすばかり。
みなさんの想像の通り私の身体はお酒と不規則な食生活で乱れいつも顔には吹き出物があり、疲れが取れず、仕事のパフォーマンスも下がっていきました。
疲れをずっと残したまま、次第に「もっと健康でいたい」と思うようになり、友人がヨガを勧めてきたのもあり近所の小さな女性専用のヨガスタジオに通うようになりました。少人数制のそのスタジオの先生たちはみんな健康的な身体とそのすらっとした佇まいから、話すのも緊張するような美人で、私も先生のような綺麗な女性になりたいと憧れを持つようになり、まず形から始めるようになります。
ジャージやパジャマのようなウエアからレギンスを購入、飲み物はシリカ水や水素水を買ってみたりなど..
運動音痴だった私が身体を動かすと、今までの疲れや息苦しさから解放されてマットの上にいるだけで至福感を感じるようになり、どんどんヨガにハマっていったのです。
さらにご縁あってリラヨガインスティテュートに出会うことができ、気づくと慢性的な疲労や腰痛などの身体の不調が改善されむしろ今は身体を動かすことが好きになり、現在ではありがたいことに、皆様の前でヨガの素晴らしさをお伝えすることができています。
私達は現代においては自分の欲望をすぐに満たす環境にあります。お腹がすけばコンビニで甘いお菓子やジャンクフード、お酒を好きなだけ買え、お腹がいっぱいになったにもかかわらず多く飲んだり食べたり寝たりを繰り返してしまいます。
私たちがエネルギッシュで疲れやすいなら理由は意外とシンプルです。
まずは性生活、食生活、睡眠のバランスを考えてみませんか?
私たちは時として日常生活の中で、目の前のすぐ手に取れる幸せに惹かれて、自分の欲におぼれ、活気に満ちた生活を失いそうになってしまう時があります。
欲望をコントロールし、自己の心と身体に向き合った時エネルギッシュな人生を送っていくことができるはずです。
まるで自己の欲に溺れることなく、生命力を高めていくアスリートのように私達も自分の心と身体を大切にしながら健やかな人生の扉を開いていきましょう!