変革と伝統 #8 伝統工芸の表装技術を世に知らせる私のプロジェクト計画
いよいよ衛生管理者試験が2週間後に迫っているので、試験日まで勉強に集中することにした。
とはいえ今週も実家に行きはしたし、母とした会話にこれからやりたい事の構想が含まれていたので、ここに記録しておく。
父の持つ軸となる価値は「仏表具修復技術」だ。
日本の伝統工芸の中でも、「物を作って売る」仕事ではないので、認知されづらい。
しかしここ数年、表装技術を使って父が趣味的に作っている雑貨がある。
値付け
いつの事だか聞きそびれたけど、その雑貨を京都市長にお見せする機会があり、ぜひ販売すべきだと奨められたらしい。
その時、「売るなら10万くらいかな……」と父は値付けしたけど、市長は「そんなの安すぎですよ、30万はするでしょう」と仰られたそうだ。
作っている本人は「いやいや、そんな大したものじゃないんで……」と感じるようだけど、市長の見立てに私も賛同する。
いま円安の日本では、あらゆるものの値付けが世界に比べて安く付けられている。
だから日本人の私たちが「これくらいの値段かな~」と思う値付けより全然高くしていい。
生産体制
母は、売るって言っても天然素材だからコンスタントに生産できるわけじゃないし、という。
私は全然それでいいと思う。
日本の職人の手仕事で、一個一個丁寧に作られ、二つとして同じものがないのだから。
量産体制を整えて流通に乗せるものじゃない。
季節になったら制作されて、最高クオリティの一個が30万、次点のいくつかを10万、残りのサイズの小さなものやいびつなものがお手頃な1-2万ぐらいで売り切る、そんなやり方で良いはずだ。
父母とも、あとは最期まで平穏に暮らせたらいいなー、といったイメージで大儲けしたい訳ではないのだから、工場を作るのではなく、自分たちの季節の楽しみが世間の皆様の楽しみにもなる、そんな感じで良いじゃないか。
位置づけ
繰り返しになるけど、「父の真の価値は表装技術」で、一般消費者は接触する機会がない。
だけど、世界に誇れる日本の貴重な技術であるという事を、日本人自身に再認識してもらいたい。
だから私のするべきことはその技術を見せて知ってもらう事。
一般消費者が得ることができるのは、見る聞く知るの「体験」しかないのだけど、スピンオフとして作られたこの雑貨によって、手に取り、味わい、この技術の片鱗を所有することができる。
この雑貨は、「表装の世界を知る」のタッチポイントになりうる。
私のやるべきこと
なので、衛生管理者合格を勝ち取った後にやりたいことはこれだ。
父の手仕事の写真、動画を撮る
過去の取材を受けた時の素材を集める
各種ソーシャルアカウント開設
ファンを集める
販売サイトを作る
ただ、ここでやっていることは「消費者向けアプローチ(toC)」だけだ。
根本としてやりたい事は「デベロッパーの育成(toB)」なので、toC影響力を育てることがtoB力を開発することにもなっていけるようにしたいと思う。