韓国ドラマ『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』私の見方
韓国ドラマ『気象庁の人々:社内恋愛は予測不能?!』は
人気絶頂の若手俳優ソン・ガン(28歳)とラブコメの女王パク・ミニョク(36歳)の共演で話題になったが、
視聴者の反応は微妙だったかな?
私は別の角度からというか、
2人の恋愛模様より、
気象のお話しにすごく興味を持って見てしまった。
①プロローグの美しい映像
本編に入る前にプロローグとして、
その時期の気象にまつわるひと口コラムのようなものが
美しい映像と共に流れるシーンがある。
春は黄砂やPM2.5が飛来し、
梅雨はジメジメと蒸し暑く、
夏は熱帯夜にうなされ、
台風が何度も襲来し、
清々しい秋は短く、
凍てつく冬は豪雪に見舞われる。
韓国と日本では緯度が違うため、
若干気候の違いはあるけれど、
同じような境遇を体感していることに共感する。
そうしたシーンが美しい映像で描かれたプロローグを楽しみにしていた。
②予測と予報の現実
ドラマ『気象庁の人々』では、
台風の進路予報を出す前の予測として、
3パターンの進路予測をする。
1.希望的観測進路
2.現実的進路
3.最悪進路
当たる確率でいうと2.の現実的進路予想が最も当たる。
このパターンを予報して、
その通り当たると「気象庁はすごい!」と喝采を浴びる。
しかし、もしこれが外れて、
現実は3.の最悪進路をとった場合、
その被害は計り知れない。
警戒していなかっただけに、
船を出して漁に出た漁師がシケに遭い、
命も落としかねない。
通勤、通学中に嵐に遭い、
交通機関が遮断されて帰宅難民になってしまう。
などなど。
気象庁の人々は
予報を出す前に入念な話し合いを行って、
特に人命に関わる気象に関しては、
外れて罵声を浴びる覚悟で
最悪パターンのアナウンスをする。
③台風シーズン真っ只中の日本
これと同じ経験は私たち日本人に
も心当たりがある。
今、台風シーズン真っ只中の日本。
‘どうせ来ないだろう’
’また外れるだろう‘
‘台風来る来る詐欺’
けれど気象庁がこのような議論の末に出した最悪予報なら、
騙されたつもりで備えても良いだろう。
何度でも。何度でも。
先日の台風14号、
日本上陸前から声高に
過去最大級とアナウンスされていた。
関西でも通過する当日は、
デパートやスーパーは15時閉店、
JR全線15時から17時以降の運転取りやめなど、
最大級の警戒体制がとられた。
日本で最初に上陸した九州南部は
被害が大きかったようだ。
予想通りの猛烈な台風で被害を被った方もいれば、
徐々に勢力が弱まった地域では、
連休最終日と重なったこともあり、
早々に計画運休した電車に乗るつもりにしていた人から、
大したこともないのに動かしてほしかったという声もあった。
④最悪パターンに備えれど私生活は無防備?!
そもそも韓国で『気象庁の人々』というようなドラマが作られたのも、
日本でも気象予報士の朝ドラが放映されたのも、
ここのところの世界的な気候変動への警笛からに他ならない。
最悪のパターンに備えるというのは、
気象だけに関わらず、
私たちの普段の生活の至る所で必要になるシーンがある。
周りからの非難を気にせず、
最悪パターンに備えて自身の身を守ることは必要かと思う。
そんな慎重な対応ができる気象庁の人々が、
いざ恋愛となると度重なる社内恋愛をしてしまって失敗したり、
家族とのコミュニケーションがとれずに家を追い出されたり、
かなり軽率な行動をとって大失態を繰り返す。
そんなちぐはぐ感が人間っぽくて、
私には面白いドラマだったな。