映画レビュー『ドアマン』
作品情報
公開:2020年(アメリカ)、2021年(日本)
監督:北村龍平(『あずみ』、『ゴジラ FINAL WARS』など)
全体的なレビュー、感想を箇条書きで語る。
・これまでの北村作品は二時間を越える作品が多かったが、
本作は97分と短めなのでサクッと映画を観たい方には向いている。
・北村作品の特徴として「激しいアクション」が挙げられるが、
ストーリーに特に関係のないアクションが多すぎて少々「くどい」と感じることが たまにある。
しかし本作は後述するストーリーの関係でアクションは抑え気味である。
激しいアクションを求める人、北村作品の大ファンにとっては物足りないかも知れないが、
あくまで普通のアクション映画として観れば なかなか楽しめるだろう。
なおヒロインと敵のラストバトルでは、かつて監督が手掛けた『あずみ』のラストバトルを彷彿とさせるカメラワークが観られるなど、監督らしいショットもいくつかあるのでファンなら探して見るのも楽しいかも。
・北村作品のもう一つの特徴、というより欠点と言えば「ストーリーがあるようでない」と感じる所だ。
先述したアクションやギャグ、演出の過剰さが原因でどこか まとまりのないストーリーになりがちだ。
しかし本作ではある程度ストーリーがまとめられている。
要人警護に失敗し、心に傷を追ったヒロインが疎遠だった義兄とその子供達と関わることで少しずつ心を癒しつつも、強盗団から家族を守るために再び戦う決意する過程。
ある理由からギクシャクしていた義兄と子供達が、強盗団襲撃をきっかけにヒロインと力を合わせて絆を修復して行く過程。
これらが、これまでの監督作品に比べれば まだ丁寧に描かれている。
加えて甥の高級マンションに関するある知識やモールス信号の知識などが後の伏線となるなど、脚本のおかげでアクションだけに頼らない作品に仕上がっていると感じた。
まとめ
一時期 北村龍平作品にハマっていた時期があり、今回ようやく視聴 することが出来た。
感想としては
「過剰なアクションや演出を抑えストーリーにある程度 力を入れた分、全体としては可も不可のない普通のアクション映画」
という感じだ。
北村龍平の大ファンには物足りないが、サクッと映画を観たい人には楽しめるかも知れない。