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男性脳か、女性脳か

 私は、憑依型の作風です。
 基本的に私小説と呼ばれる、一人称で小説を書き続けてもう40年近い。というのも一人称小説は映像化がしにくいのです。
 かの西尾維新の「化物語」がアニメ化不可能とかつて評されたのは、そういう事情です。
 つまりカメラという三人称視点を廃することで成立する、ただひとつ映画やアニメにできない表現メソッドだと思います。それに徹して幾年月か。
 で。問題化したのがそのバリエーション不足。
 主人公が、私、俺、僕、拙者では物足りない。
 そこで私が磨いたのが、女性一人称での文体。
 とうとうnoterの皆さまのなかでも、「百舌さんは男なの、女なの」という声が最近ちらほら聞こえてきました。

 憑依型の作風なもので。
 男性脳か、女性脳かが動き出すまで、どっちになるか判らないのです。
 おれか、わたしか。
 毎日が気分次第で。
 百舌というペンネームも。
 語り手が100人はいるよ、100人分の舌だよ。っていう意味合いをこめています。かつ毒のある存在を示したくて。

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