今日の1冊 #59 【湖国の十一面観音/石元泰博】
湖国の十一面観音/石元泰博
個人的ハイライトは無数の虫穴と欠損の激しいニ躯。間違った鑑賞かもしれませんが、欠損した耳や指先はどうなっていたのか、想像を膨らませて見ることができました。特に観音様の削ぎ落とされた佇まいに美しさを感じました。
石元泰博 Ishimoto Yasuhiro [1921―2012]
1921年アメリカ合衆国サンフランシスコに生まれる。3歳のとき両親の郷里である高知県に戻り、1939年高知県立農業高校を卒業。
同年に渡米し、終戦後は、ニュー・バウハウス(シカゴ・インスティテュート・オブ・デザイン)で、写真技法のみならず、石元作品の基礎を成す造形感覚の訓練を積む。
1969年に日本国籍を取得。丹下健三、磯崎新、内藤廣など日本を代表する建築家の作品を多く撮影していたことでも知られる。
1983年に紫綬褒章、1993年に勲四等旭日小綬章を受章、1996年に文化功労者となる。
2006年、高知県立美術館に作品や資料の寄贈が決定。3万5千点におよぶプリント作品のほか貴重な資料が収蔵されている。
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