後味を伝えられないこの1曲 その4
フランス印象主義音楽の雄クロード・ドビュッシー。現代音楽やジャズに多大な影響を与え、耳慣れない音色や響きに魅了される現代人が求めるピッタリな作曲家だと思います。
ショパンは「別れの曲」も入ったピアノのための「練習曲」を作曲しています。ドビュッシーも似たような「練習曲集」を書いています。ショパンは指の練習という感じがしますが、ドビュッシーはかなり違う。
第1番は狂気を弾く練習と感じます。始まりは誰でも弾ける簡単な旋律。あっという間に何かが押し寄せ、しだいに狂気・狂信的な演奏へ高まります。この異常な陶酔をつくり日常に戻る練習では、とモヤモヤしながら思います。
ミシェル・ベロフ演奏、クロード・ドビュッシー「第1番(5指のために)」東芝EMI、アルバム「練習曲集」より
ベロフの演奏でないですが「練習曲集」はYouTubeでも出てきます。
後味を伝えられないこの1曲
勇気がわく、元気になる、愛おしい、懐かしい、わかるよ、せつないね、に当てはまらない曲がある。モヤモヤしてしまう、不吉さを感じる、うまく枠組みにはまらない曲たち。
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