これからの季節本領を発揮する『緑茶』の薬膳的働きと上手な活用法
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どうも!
ヤングコーン、デラウェアに続き静岡から新茶が届いた、もう、いただきものだけで生活しようかと思っている
さわたや薬房の早川です。
#本当にありがとうございます
先日の僕のPodcastでもお話をしましたが山梨県のようなのどかな田舎で暮らしていると春から秋までの間は本当に色々な野菜や果物をいただきます。
僕の周りには農業をされている方が多かったり、出荷までしてなくても畑で野菜など作っている方も多いので季節になると旬の野菜はほぼ買わなくて大丈夫です。
今は一年中どんな野菜でも食べれる世の中ですがやっぱり旬の物が一番です。
緑茶も一年中飲めるお茶ですが旬は春の終わりから夏にかけてなのでちょうど今が旬です。
寒い冬に温かい緑茶、というイメージがあると思いますが、実は薬膳的には暑い夏こそ緑茶が本来の力を発揮する時期なのです。
そこで今回は
これからの季節本領を発揮する『緑茶』の薬膳的働きと上手な活用法
というテーマでお届け致します。
☆日本人がもっとも馴染み深いお茶〜緑茶〜
緑茶は日本人にもっとも親しまれている飲み物の一つです。昔に比べると消費量が減っているようですが、今でもどこかを訪問した際にもっとも出される飲み物は緑茶でしょう。
ペットボトルのお茶の普及で若い方でも飲むことが増えましたが、お茶っ葉できちんと入れた緑茶を飲む機会はその反動で年々減っているかもしれませんね。
先程緑茶が真価を発揮するのは暑い夏、とご紹介しましたが、その理由は緑茶がもっている薬膳的な働きから来ています。
☆緑茶の薬膳的働き
それでは緑茶の薬膳的働きを見ていきましょう。
・清頭目→体内の余計な熱を収めて視力を回復する
・除煩熱→体内の余分な熱を収め、イライラを解消する
・化痰消食→痰(体の中のドロドロした余分な物)を収めて消化不良を解消する
・利尿解毒→体に余計な水がたまってる場合は尿の出を促進して、体内の毒素を分解する
このような働きがあります。
注目は体の中の熱を冷ます作用と利尿作用です。
暑い夏に体にこもった余計な熱を冷ましてくれるので、気温上昇の時期にはもっともおすすめの飲料と言えます。
また、緑茶の薬膳的働きには『利尿作用』もあるのですが、利尿作用というと西洋医学の利尿剤のようなイメージを持つ方も多いと思いますが、西洋医学の利尿剤は体に余計な水分があってもなくても尿の出を促進するものです。
しかし、薬膳的な利尿作用は体の中に余計な水分(湿)がたまっている場合は尿の出を促進しますが、必要以上にでることないので、汗をかく時期に尿が出すぎて脱水なんてことも無いですし、むしろ暑くて水分をがぶ飲みしすぎて脱水でなく水分過多、水毒になりやすい現代人にはうってつけの夏の飲料と言えるでしょう。
☆日本人に緑茶が愛される理由とは?
日本で緑茶が長年愛されている理由は高温多湿の海洋性気候の日本にピッタリのお茶だったからでしょう。
緑茶は熱を冷ます作用があり属性としては『寒性』に属します。
夏でもエアコンや薄着で体の冷えている人、もともと冷え性体質の陽虚体質の方は大量に飲まないように注意したり、冷茶などにして冷やして飲まず、ちょっと濃い目に入れたものに氷を1〜2個入れた『ぬる茶』ぐらいで飲みましょう。
(僕はいつも緑茶飲む時はぬる茶で飲んでいます)
緑茶の特徴的は味は『苦味』です。苦味は五味と言って中医学の体の5つの働き五臓を養う5つの味の一つです。
苦味は五臓の中でも夏に弱りやすい『心』を養う味で、心が弱ると血液循環に関わる不調(不整脈・動悸・高血圧)や心の弱りなので『こころ』の弱りも現れます。
特に夏の暑さで頭に血が上りイライラしやすくなっている時は緑茶の苦味と清熱作用でクールダウンすることができるので非常におすすめです。
このように緑茶には薬膳的にも非常に優れた働きがあるので、気温が上がってくるこれからの時期、積極的に活用してほしいと思います。
☆緑茶の素晴らしさは薬膳的働きだけじゃない
緑茶の素晴らしい点は当然ですが薬膳的な働きだけではありません。
栄養学的な観点から見ても夏におすすめの飲み物ということがわかります。
緑茶を飲むシーンの代表といえば『お寿司屋さん』では無いでしょうか?回転寿司などでも粉茶があり、濃いめの緑茶を飲むのがお寿司屋さんの定番です。
お寿司屋さんの最後の締めのお茶のことを『あがり』といい、昔ながらのお寿司屋さんなどでは通常のお茶よりちょっと濃い目のお茶を出してくれるところがいまでもあります。
理由としては口をさっぱりさせたり、口臭予防になることも一つですが、お茶の主な栄養成分である『カテキン』や『タンニン』が持っている抗菌作用を期待している部分もあるのです。
生の魚を食べた後の食中毒の防止になるため食事の最後に温かい濃いめの緑茶をお寿司屋さんでは出すそうです。
夏は高温で食べたものが痛みやすい時期で冬はノロウイルスなどのウイルスによる食中毒が多いですが、夏は傷んでしまって細菌が増えて感染する食中毒が多いので、日頃から緑茶を飲んでおくことで予防することが可能です。
☆蒸し暑い時期は『梅干し緑茶』がおすすめ
これからの季節にオススメなのが『梅干し緑茶』です。
梅干しは言わずとしれた酸味の王様。梅干しの酸味で唾液の分泌が促されて胃腸の機能が整います。夏の冷たい飲食等で疲れた胃腸には最適ですし、暑い場所で作業するようなお仕事の方は発汗で失ったミネラルを梅干しで、カラダにこもった熱を緑茶が冷ましてくれるので『お手軽経口補水液』とも言えるでしょう。
☆緑茶の注意点
こんな素晴らしい緑茶ですが、当然飲む時の注意点もあります。
さきほど少し触れましたが、薬膳的な属性は『寒性』でカラダの熱をとってくれる=カラダを冷やす作用が強いので、冷え性の方は飲み過ぎに注意しましょ。
また、緑茶にはカフェインが含まれています。朝昼の食後は良いですが、睡眠の質が悪い方やカフェインに敏感な方は夕食後に飲むのは避けましょう。できればノンカフェインの麦茶などがおすすめです。
貧血気味の方も注意が必要です。緑茶の主な栄養素であるカテキン・ポリフェノールカテキンは、別名『タンニン』と呼ばれています。茶渋で有名ですよね。
実はこのタンニンが鉄分の吸収を妨げることがわかっています。
病院で鉄欠乏性貧血のときに処方される鉄剤を服用の時は緑茶で飲まないように、という注意点がわざわざあるほどです。
通常の緑茶も注意が必要ですが、最近はダイエット目的などで発売されている『高濃度茶カテキン』が含まれているお茶や飲料が発売されていますが、これは因果関係もはっきりしていないことなので、あくまでも個人的な意見なのですが、貧血気味の方はタンニンと鉄分吸収の関係を考えると、できれば高濃度茶カテキンが含まれたものは避けたほうが貧血対策には良いのではないかと思います。
☆やっぱり旬が一番
お茶は春の若葉で作られますので、鮮度が命と言われています。緑茶の様々な有効成分は酸素と結合しやすく非常に酸化してしまいやすい物が多く、抗酸化作用が期待できるですが、抗酸化の過程でお茶自身が参加されて効能が低下しやすいそうです。
できるだけ新しい物を飲むようにして、保存も冷凍庫で保管しておいたり、せめて乾燥した冷暗所に置くようにしましょう。
緑茶はお茶っ葉にも栄養があるので、お茶っ葉ごと飲むのがベストですが、普通の緑茶だとなかなかお茶っ葉ごとは難しいと思います。
そう考えると日本の抹茶は非常に素晴らしく、葉っぱの栄養まで余すことなく摂取することができるので、上手に活用しましょう。
緑茶は濃すぎると胃腸やカラダへの負担になることもありますので、お茶の種類にもよりますが30秒〜1分程度に浸出時間をしておいたほうが良いでしょう。
(詳しくは購入されたお茶の説明書等をご確認ください)
抹茶の場合も濃くつくりすぎないように気をつけましょう。
今回はこれからの季節に活用してほしい日本を代表する飲み物『緑茶』についてお届けしました。
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