『気象病』〜天候変化で体調が悪くなる原因とは?【漢方的セルフケア】
※今回は無料記事としてお届け致します。
前回より天候変化や気温の変化など、ちょっとした気象の変動で体調を崩してしまう
『気象病』
についてお届けしております。
前回の冒頭は五苓散という漢方薬が
『天候変化によっておこる頭痛の薬』
というちょっと漢方の専門家としては見逃せない販売のされ方をしているので、最初に注意喚起も兼ねてお伝えさせていただきました。
もちろん、水分の過剰摂取や排尿に問題があるなどしてカラダに余計な水分が溜まっている『水毒』の方は急な気温変化や気圧変化で血流が悪くなり頭痛を起こすことがありますので五苓散という漢方薬は適している場合がありますが
すべての気象病による頭痛の原因は同じではありません。
前回よりお伝えしている気象病のnoteをご覧いただき少しでも
『あ、自分が天候変化で体調が崩れる原因はこれだったのか?』
というヒントになれば幸いです。
今回は
『気象病』天候変化で体調が悪くなる原因とは?【漢方的セルフケア】
というテーマでお届けいたします。
【なぜ気象は体に影響を及ぼすのか?】
前回より気候変動、気温変動によって体調を崩してしまう『気象病』についてお届けしております。
前回は気象病でおこる不調にはどんなものがあるのか?
ということで様々な不調が起こるところまでご紹介しました。
今回は原因について。
なぜ僕たちは気候変動、気象変動によって心の不調からカラダの不調まで様々な不調が起こるのでしょうか?
すごく暑いところにいるとか
すごく寒いところにいるとか
そのような過酷な環境にいるならカラダに負担がかかって具合が悪くなるのも想像も理解もできるかもしれませんが、気象病はそんな大げさな変化でなく
『低気圧が来てる』
『雨がふっている』
『台風が来ている』
このような日常的に起こりうるちょっとした変化でも前回ご紹介したような様々な症状がおこる厄介なものです。
僕たちの体は周囲の気温、温度の変化はもちろん
低気圧や高気圧などの気圧変化
そして湿度の変化など
様々な気象状況の変化に常にさらされています。
そして僕たちはそのちょっとした変化に常に対応できるようにカラダを変化させるシステムを持っています。
気温が上昇し暑くなると汗をかいて体温を下げたり
寒いと体温が下がらないように毛穴を閉じて熱を逃さないようにして、カラダの中心部や脳にちゃんと血液が優先的に届くようにしたり
そのシステムの働きは多岐に渡ります。
天気が変わって外部の気温、気圧、湿度などが変化するたびに、内部環境を一定に保とうと僕らのカラダは必死に頑張ってくれています。
このようなシステムを
『ホメオスタシス』
と呼びます。
しかし、あまりに外部環境の変化が急激であったり
疲れが溜まっていたりしてその機能がちゃんと働いていないと気候の変化に体がついていけず、病気や様々な症状が出てきてしまうのです。
気象変化で体調を崩す原因の一つはこのホメオスタシスのバランスが崩れるからだと考えます。
ホメオスタシスは基礎体力という土台に
内分泌(ホルモン)
免疫
神経
3本の柱が立っており、カラダという屋根を支えているようなものです。
ストレスや疲労、激しい気候変動など、負担が強かったり、土台が弱っていたりするとホルモンバランスが崩れたり、免疫機能が乱れたり、自律神経が乱れてしまい様々な不調が起こるのです。
【気象病発症のメカニズム】
このようなカラダの仕組みを踏まえた上でもう一歩踏み込んでなぜ気象変化でホメオスタシスが乱れて体調が悪くなるのか?
改めて理由を考えてみましょう。
☆気象が変わることで起こる気圧変化
1つ目は気象状況が変化することでおこる前線や低気圧の接近による気圧の急激な変化がカラダに負担をかけます。
体の仕組み、生理学的には気圧の急激な低下、減圧によって体内にヒスタミン、またはヒスタミン様物質と言う物ができて、体内の水分がたまってしまい、平滑筋の収縮、血管の透過性、炎症反応が増強されるため、様々な不調が起こると考えられています。
また、気圧の変化は自律神経に影響を及ぼします。
低気圧は副交感神経が優位に
高気圧は交感神経が優位になるので
急激な気圧変化は自律神経の乱れを生んで様々な不調が起こります。
もともと天気を悪くする低気圧の時は動物はゆっくりのんびり過ごして雨をやり過ごそうとするので、のんびりモードの副交感神経が優位に
そして晴れの天気を作る高気圧は『餌取り行動』と言われるやる気モード、交感神経が優位になります。
これが気圧の乱れが酷い時は入れ代わり立ち代わりスイッチがオンになったりオフになったりするのですからカラダのバランスも当然崩れてしまいます。
さらに低気圧の時は雨雲を作るような上昇気流を生むため(中学生ぐらいの理科で習っているそうですが僕はすっかり忘れてました)、地表の酸素濃度が低下します。
日頃から鼻炎があったり、呼吸器が弱っている人は、ちょっとした酸素濃度の変化でプチ酸欠のようになってしまい、僕らが生きるために最優先で必要な酸素が少なくなるので、当然ですが様々な不調をカラダに引き起こします。
☆寒暖差
次は気圧変化よりは僕らが体感として感じやすい寒暖差によっても気象病は引き起こされます。
春は気温が上がったり、下がったり、1日の中でも変化が激しい時期
20℃ぐらいでシャツ1枚でも大丈夫なぐらいの暖かい日があったと思えば
翌日は真冬のような服装をしないと行けないぐらい寒い
このような急激な寒暖差はカラダにとって大きなストレスとなり、気圧同様自律神経を乱します。
『え、体温下げるの?上げるの?どっち?』
とカラダのコントローラーである自律神経も乱れてしまうのです。
また、寒暖差で急激に血管が収縮することで血流が悪くなり、酸素の運搬も栄養素の運搬もうまくいかなくなりますし、筋肉も強張りますから痛みなどの様々な不調を引き起こします。
気象病を具体的に引き起こす原因はカラダの仕組みから考えるとこのような理由が考えられると思います。
今回は『気象病がなぜ起こるか?』ということを深堀りしましたので、最終回の次回は気候変化に耐えられるカラダ、気候変動に強いカラダにしていくためには何が大切なのか?
気象病対策の養生法をお伝えしたいと思います。
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