キラメキ内臓占いから見た薬膳シリーズ①五穀
五穀とは、東洋医学の五行色体表の中でも身体の気(代謝)を高める基本的な食材です。
穀物によって身体に与える影響は様々なので、体質によって相性の良い穀物は違います。
今回は、そんな五穀に分類される以下の穀物について紹介します。
1、麦
2、黍(もちきび)トウモロコシ
3、栗または稗(ひえ)
4、稲(米)
5、豆
1、麦の効能
麦を好む人は木タイプの人が多く、気(代謝)が盛んな人が多く見られます。
麦には小麦と大麦があり、小麦は主にパンの原料となり大麦は麦ご飯となります。
大麦にはパンがふっくらするために必要なグルテンが全く含まれていないのでパンには向きません。
対して小麦は大麦ほど吸水率が良くないためご飯には向かないためです。
大麦と小麦の成分はよく似ていますが、大麦は小麦に比べて繊維がやや多く、灰分、カルシウム、鉄分、ビタミンB1、ニコチン酸などがやや多くあります。
大麦には二条大麦と六条大麦とがありますが、日本ではふつう大麦と言うと六条大麦のことを指し麦茶などに利用されます。
二条大麦はビールの原料になる品種でビール麦とも呼ばれています。
薬膳から見ると小麦には以下のような効能があります。
・清熱除煩(せいねつじょはん)
⇒頭にこもった熱を発散して煩わしさを取り除く
・養心安神(ようしんあんしん)
⇒精神状態を安定させる
・補益脾胃(ほえきひい)
⇒消化器系を元気にする
薬膳から見ると大麦には以下のような効能があります。
・清熱和水(せいねつわすい)
⇒熱を発散させて体内の水分を調節する
・利水止瀉(りすいししゃ)
⇒尿を促して下痢を止める
これらの効能は気(代謝)の高さにより身体にこもりがちな熱を発散してくれます。
五穀の中でも身体の熱を冷ます涼の性質を持っています。
2、黍の効能
黍を好む人は火タイプが多く、気(代謝)が高い人が目立ちます。
黍(きび)は他の作物が育たないような乾燥地や荒地にも強く、短い生育期間で収穫できる食物です。
実は黍はトウモロコシと同じ品種で、白米よりメチオニンを含んだタンパク質を多く含み亜鉛は白米の約2倍あり、食物繊維やマグネシウムは約3倍と多くの栄養を含んでいます。
またトウモロコシの黄色い色素はポリフェノールの一種で抗酸化作用に優れています。
薬膳から見るとトウモロコシには以下のような効能があります。
・清熱利水(せいねつりすい)
⇒熱を発散させて尿の排泄を促します
・健脾和胃(けんひわい)
⇒消化器系の機能を高めます
・和中利胆(わちゅうりたん)
⇒消化器系の機能を整えて胆汁の排泄を促します
黍も麦と同様に身体の熱を冷ますのがメインで、加えて消化器系の機能を高める作用があります。
3、栗の効能
栗を好む人は土タイプが多く、気血津液のバランスが良い人が目立ちます。
栗は五果にも入り木になるものは果物に分類されています。
ちなみに五果では腎を助ける食材とされ、農耕が始まる以前の縄文時代には栗は主食でした。
また稗(ひえ)についても解説すると、稗は米と同じイネ科の作物です。
縄文時代の頃から存在し、寒さに強く土質を選びません。
稲や麦が不作のときに代用される救荒作物(きゅうこうさくもつ)でもあり、白米よりも高い栄養価が注目されています。
栗にはビタミンB1・Cに加えて抗酸化作用の高いタンニンが豊富なので、老化を早める活性酸素を無害化してくれます。
さらに栗はカリウムも多く含むので尿での老廃物の排泄を促して腎臓を助けます。
加えてエネルギー補給にも最適なので脾胃の機能を高める作用も期待できます。
薬膳から見ると、
・健脾益胃(けんひえきい)
⇒消化器系の機能を高めます
・活血補腎(かっけつほじん)
⇒血流を良くして腎の不調を解消します
・止咳化痰(しがいかたん)
⇒水分代謝を高めて咳を止めます
栗は糖質が豊富なことから穀物としても役立ち、ビタミンが豊富なことから果物にも負けない栄養を持ったスーパーフードが栗なのです。
熱を冷ます効能はなく、血流や水分代謝を高めるのが主な作用です。
4、米の効能
米が好きな人は金タイプが多く、気(代謝)は低いけど津液(水分)が充実している人が目立ちます。
米は東南アジアなどの高温湿地帯が原産で、身体を温める作用があります。
対して、麦は地中海沿岸が原産地で夏は乾燥して高温、冬は寒くて適度に降水がありました。
麦は涼性で冷やす作用があるので気(代謝)が高い人向けですが、米は身体を温めるので気(代謝)の低い人向けです。
薬膳から見ると、
・健脾益胃(けんひえきい)
⇒消化器系の機能を高める
・補腎活血(ほじんかっけつ)
⇒腎の機能を高めて血流を良くする
・止咳化痰(しがいかたん)
⇒水分代謝を高めて咳を止める
などの効能があります。
米には粳米(こうべい)と糯米(もちまい)があり、粳と糯は粘性の強さが違います。
糯米はアミロペクチンが100%で粘性が高いのが特徴で、身体を温める効果が高くなります。
玄米は精米した米の作用に加えて、補気と利水の作用に加えて肝の機能を高めます。
5、豆の効能
豆が好きな人は水タイプが多く、津液(水分)が最も多いのが特徴です。
炭水化物を多く含む豆は小豆で、たんぱく質を多く含むのが大豆です。
ちなみに中東アジアではひよこ豆が主食となっています。
豆類には、
・えんどう豆
・小豆
・大豆
・枝豆
などがあります。
豆類には共通して利水と呼ばれる水分代謝を高める作用があります。
薬膳から見ると、黒豆は利水に加えて血(栄養)を補って血流を良くする効果があります。
えんどう豆なら利水に加えて気(代謝)を高めて気の巡りを良くする効果があります。
大豆と枝豆は同じ植物で若い豆が枝豆で熟成すると大豆になります。
対して大豆と小豆、えんどう豆は違う種類になります。
大豆はタンパク質と脂質が多いのですが、小豆は炭水化物が多いのであんこ等の甘味料に利用されます。
大豆は特に身体を潤す作用が高く、小豆は熱を冷ます作用が高くなります。
枝豆は気(代謝)も血(栄養)も高めてくれる食材です。
そのためエネルギー補給には小豆が便利で、身体を作るのは大豆が効果的です。
枝豆は元気に動ける身体を作ってくれます。
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