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汗は意外と危険な生体システムだった
長距離を速く走るのに必要な能力とは何か?
答えは汗をかく能力です。
人間は犬科の動物よりも遅くしか走れず体力もありませんが、長距離走においては人間の方が優位な場合もあります。
人間が犬科の動物よりも優位な理由は、犬科の動物は身体を冷やすためにはパンティングという舌から熱を発散させられないからです。
犬が「はっはっは」と浅く速い呼吸をしているときは、興奮しているか体温を下げるためです。
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ですがパンティングという動作では体温を下げるのに時間がかかるので、体温が上がってきたら動物はゆっくりと動くか完全に静止してしまうのです。
そのため犬科の動物は長距離の移動をする体力はありますが、体温が上がってきたら速くは動けなくなるのです。
ですが人間のように汗をかければ、体温調節が簡単になるので長距離を速く動くことが可能になります。
哺乳類で汗をかけるのは人間と馬の2種類だけなので、それ以外の動物は速く動けても長くは続かないのです。
だから人間と馬は長距離を速く動くことが可能ですが、可能だからと無理をすれば問題が起こります。
この汗をかくシステムには限界があり、油断して熱の閾値を超えると人も馬も突然で致死的な心停止に陥ります。
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人によっては身体が熱っぽくても頑張る人がいますが、熱がある状態で動き続けるのは極めて危険なのです。
身体が弱い人ほど熱がある時は動けませんが、体力があると過信している人ほど突然死するのは汗による体温調節のシステムの限界を超えるからです。
発熱しているときには安静にするというのは、体温調節のシステムに乱れが生じているから無理をするなという事です。
熱が出ても早めに休んでおけば突然死にはなりません。
過労死という言葉は、体温調節のシステムに乱れが起こっているのに無理をした結果と言えるのです。