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人はネコを変えられない。ネコが自ら変わる選択をしているのだ(ネコの選択理論2)。

ネコと学ぶ「幸せの選択理論」入門(第2回)


第2回は、第1回の続きで、グラッサーの選択理論心理学において、最も重要な「行動の内的コントロールの考え方」を、筆者なりに、書いてみたいと思います。前回と内容が多少重なりますが、一番大事なところですので、重ねて、取り上げます。

なお、筆者独自の表現の仕方も含んでいることを、ご了承ください。


それでは、今日のネコと学びましょう。

選択理論における「行動の内的コントロールの考え方」は、「ネコと飼い主」で例えると、以下のようなものです。


・ネコは、そのネコの内的システム(脳のシステム)で、自分の行動をコントロール(選択)している。

・ネコは、そのネコが自由に行動できる領域(「自分の自由域」という)では、自分の行動を自由に選択できる。

・人(飼い主)は、ネコの行動を外側からコントロールすること(変えること)はできない。そのネコが自分の内的システムで、自分の行動をコントロールしている(選択している)。

・逆に、ネコも、人の行動を外側からコントロールすること(変えること)はできない。その人の行動は、本人の内的システムで、本人がコントロールしている(選択している)。

・ネコも、人も、自分の行動だけしかコントロールすることができない(他のネコや人は、それぞれが自分の内的システムで行動している)。

・にもかかわらず、人がネコの行動を、叉は、ネコが人の行動を、本人(ネコを含む。以下同じ)の外側から、本人の行動を外的コントロールしようとすると(変えようとすると)、相手(その本人)は抵抗したり、逃避したりする。

・自分の方から、相手を外的コントロールしようとする行動(批判、強制、叱責、不平、文句、脅し、罰を与える、など)をとると、相手も、同じような外的コントロールの行動をこちらに対してとりがちになり、外的コントロールの応酬となる。

・このように、相手の行動を変えようとする「外的コントロールの行動」を、お互いにとりあうと、互いの基本的欲求を阻害することになり、双方共に、不自由になる。

・そのため、相手のさらなる抵抗や逃避を招き、両者の関係が今までより遠ざかり、関係の断絶を招くこともある。

・このように、相手を外側から外的コントロールしあうと、お互いに不幸になる。

ちょっと長くなりましたが、以上が、筆者が、選択理論の中でも、最も重要だと考える「行動の内的コントロールの考え方」であり、また、「相手を外側からコントロールする外的コントロールを放棄すべきという考え方」の説明でした。

なお、上の文章の中で、出てきた、「内的システム」「自分の自由域」「基本的欲求」「外的コントロール」などの言葉については、今後、順次、説明していきます。

グラッサーの選択理論が目ざすのは、個人が、良好な人間関係をつくって維持しながら、より自分らしく、より自由に、幸せに生きていけるようになること、です。

そして、お互いが、相手の基本的欲求を満たす手伝いをしながら、より幸せに暮らしていけるようになること、です。

それでは、最後に、上で書いた、選択理論で最も重要な「行動の内的コントロールの考え方」を、再確認する意味で、より短く、下のようにまとめたいと思います。


人でも、ネコでも、

・本人は、本人の内的システムで、本人の行動をコントロールしている(選択している)。

・本人は、本人の行動だけをコントロールできる(他者の行動をコントロールすることはできない。それぞれが、自分の行動を、自分の内的システムでコントロールしている)。

・にもかかわらず、本人の行動を外側からコントロールしようとすると、本人が不自由を感じ、基本的欲求を阻害されるので、本人の抵抗や逃避を招き、両者の関係が今までよりも遠ざかる。そして、双方とも不幸になる。


グラッサーの選択理論は、上記のような、一連の「行動の内的コントロールの考え方」を出発点としています。このことを、いつも土台において考えると、選択理論がわかりやすくなると思います。

今回は以上です。お疲れ様でした。

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