「私に似た誰かが、いるような気がする」
私に似た誰かが、いるような気がする。
ずっと、頭の中で映画のように記憶が再生されて、遠いようで見たことがある景色をただただ見つめる。
あれは、私だ。
自分のこのどうしようもない感覚が、当たり前にならないように。
どうか、私が私でいられるように。
自分の記憶の中にいる自分が、まるで知らない人のようだ。
人に囲まれ、当たり障りのない言葉を紡いでいる。
1人になれば肩が重くて、なんだか頭が働かない。
どうしたらいいかと戸惑っても、助けを求める言葉が紡げない。
その様子を見ても、実感がない。
私は本当にこの日々を過ごしたのだろうか。
これは私の記憶なのだろうか。
紛れもない自分の記憶が、誰かのものになってしまう。
嫌だ。
私の元から離れないで。
私の記憶で私の感情を思い出していたい。
頭の中で再生される映像は、2回目に観る映画のようで、「この話を知っている」と客観視してしまうのだ。
ーー2021/6/21 爽香 なこの携帯のメモより
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