【stand.fm放送要約⑦】2021年12月27日「『青天を衝け』ー歴史的な視点と心理占星術的な視点で気づいたことー」
音声配信スタンドstand.fmのアカウント閉鎖前に、番組内で配信した放送を自分で聞きなおして内容を要約してこちらに収録しようと思います。
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2021年の大河ドラマ『青天を衝け』の主人公は渋沢栄一でした。実物の栄一と主役を演じた吉沢亮さんとの顔面のギャップが気になったり、新札導入に向けてのイメージアップの狙いを感じたりで、始まる前の印象はイマイチだったのですが、実際には見ごたえのあるドラマでした。
(吉沢亮さんの〝あれ、吉沢さんって芸人さんだっけ?〟と思ってしまうような熱演もすばらしかったと思います😆)
さて、この『青天を衝け』について、歴史に学ぶ視点と占いから見た視点の両面からお話してみたいと思います。
一つ目の歴史に学ぶ視点ですが、公のために私欲を捨てるという渋沢栄一のあり方は、東洋的な思想に基づくものでした。
栄一は幼い頃より、従兄の尾高惇忠から論語などの教えを受けます(当時の豪農層の知的好奇心とそのレベルの高さも伺えます)。
また、ドラマ初期の印象的な場面として、役人が栄一の父に対して、横暴な態度で税を納めることを求めた場面が描かれていました。
のちに栄一が、何のために経済を回していくのか、カンパニーを作るのか、つまり、事業や経営の意義ということについて考えた時に、若い頃の学びと経験がその原点となっています。
個人がラクをしていい思いをするためでは決してない、パブリック(民)のためであるというところに経済(お金)の価値を見出していたわけです。
以前私は、アメリカの自由経済主義の中で億万長者となった人のドキュメンタリーを見ましたが、インタビュアーの〝幸せですか〟という質問を受けた大富豪は、あまり幸せそうではない表情を浮かべました。
よりよき社会、一人一人が豊かになるという理想を掲げてこそのお金や経済の価値、そんな大げさなことでなくとも、人としての基礎の基礎とも言える〝分かち合い〟の大切さを思わずにはいられませんでした。
かつて私はタチの悪い起業塾にひっかかり(占星術的にお金の不安が強い人間ゆえ、そこを見事にを突かれたと言えます…)、お金もうけに目がくらんでしまいましたが、主催者が金を得ることこそ〝勝ち〟みたいなことをくり返すことに違和感を覚え、目が覚めました。
高度経済成長期やバブル経済期のシステムが崩壊する中、こうした事実に気づき始めている人は増えているのではないでしょうか。そのような時期に、渋沢栄一を主人公とした『青天を衝け』は放映されました。
何のために栄一がたくさんの事業や経営を手掛けていたのか。それは、日本のため、多くの人々の幸せのためであったということが、純粋に描かれていたドラマであったと思います。
また、二つ目の占いから見た視点ですが、渋沢栄一は〝自分を生きた〟人でした。
栄一は、ユング心理学をベースにした心理占星学に照らすと、「自我(エゴ)」ではなく「自己(セルフ)」の導きに従った人と考えられます(このことは、私の占星学講座の生徒さんの指摘があり、目から鱗でした)。
若き日の栄一は攘夷の思想を持ち、横浜の異人襲撃の計画に加わっています。しかし、一橋家への仕官により、まったく異なる主義・主張の環境に飛び込み、徳川昭武の同行で長期にわたりフランスに滞在します。
その間に倒幕がなされ、一旦は新政府で働くも、自分には合わないとして去り、民間のための経済の仕組み作りに従事します。ーー栄一は決して、社会や環境に自分を適合させはしないのです。
栄一には、豪農の息子として育った根本と、これまでの経験に基づいた、こういうことがしたい、こういうことができるという、真ん丸で真っすぐな自分といったようなものがあります。そして、それが生かされる場所に常に身を投じています。
環境が合わくなければそこは去るのですが、不思議と次の大きなチャンスに恵まれたりするのです。ーー引き寄せどころか〝爆寄せ〟じゃないかと思いました。
誰もが栄一のような偉業をなしとげるわけではなくとも、社会の枠からの逸脱や世間の冷たい目をおそれることなく〝自分を生きる〟ことがいかに重要かの示唆に富んだドラマでした。
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〔2021年12月27日にstand.fmで収録した内容を2023年6月15日にブログで文字にして再構成しております。〕
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