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要らない人間

私の母親は愛した人との結婚を祖父の見栄のために破談させられて、社会的地位だけは高い穀潰しと番わされたんだけど。

だから私は、最初から母親が本当に欲しかった子どもではなかった。
母親は本当は、心から愛した人の子どもが欲しかったんだよ。

私は、最初から生まれてこなきゃ良かった子どもだった。愛してるとか、嘘ばっかり。
ありのままを愛せなかったから虚飾で固めて、娘のブランド力高めて、人形扱いしたんだよ。

父親も結局負け犬のくせにプライドだけ高いお坊ちゃんで、バブルの時に親の金転がして株で一山当てたのが唯一の自慢で。
金で妻子持ちのステイタス買っただけだから、経済DVとネグレクトするだけだったし。

幼い頃から愛されていないと感じていた理由が、思春期に母親から暴露話を聞いて納得がいったもんです。
私はまず、この世に要らなかった。
モノとしては欲されていたけど、人形としては望まれていたけど、一度も人として望まれてはいなかったんだ。
だから虐待されたんだ。

それでも生まれてきた意味が欲しい。
無いなら作るしかない。
何もないなら早く死にたい。

私が要るんだって、誰か言ってよ。

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