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海外人事の専門性を向上させるには?【明日から役に立つ!海外人事のヒント#4】

みなさんこんにちは。SaveExpats広報です。

SaveExpatsは、海外駐在員が健康で活き活きと働く社会を目指して活動していますが、駐在員だけでなく、それを支える海外人事の方々にもお役に立てればと思い、海外人事の皆様に向けたコラムをスタートしています!

前回のコラムでは、海外人事担当者が直面する4つの課題について整理しました。その課題を踏まえ、第4回目は仕事を計画的かつ効率的に進めるための「専門性向上のポイント」について考えていきたいと思います。


①現場で磨く人事の専門性

人事部門の専門性というと、労働法や心理学、動機付け理論などを思い浮かべる方も多いと思います。ビジネス書での勉強やセミナーへの参加も重要ですが、業務に必要な専門性は現場経験から得られることが多いです。

人事部門は法律や社内規則に基づいた対応が求められる一方で、現場での個別のケースに柔軟に対応する能力が特に重要です。最新の理論や専門用語を学ぶことも重要ですが、それを有効に活用するためには、現場の実務や実情を理解することが不可欠です。現場で直面する問題に対処し、その経験を通じて得られる知識が、真に役立つ専門性を育む鍵となります。

「70:20:10の法則」を聞いたことのある方は多いと思います。アメリカのリーダーシップ研究調査機関であるロミンガー社の調査によると、リーダーとして成長に役立ったことを尋ねたところ、「経験」が70%、他者からの「薫陶」が20%、そして「研修」は10%という結果だったそうです。

やはり実務を通じてさまざまな課題や問題に直面し、その解決に向けて必死に情報を調べ、聞き、考え、試行錯誤を繰り返し、最適解を見つけて仕事をやり遂げる。その過程で得た「汗をかいた」経験こそが、真に仕事に役立つ専門性を身につけてくれるのではないでしょうか。

②学習機敏性を高める

近年、重要な能力としてクローズアップされているものに、学習機敏性(Learning Agility)があります。変化のスピードが速くなってきている現代では、計画的な業務推進力よりも時々刻々と変化する状況にタイムリーに対応しながら、より良い方法を見つけ出していく能力が重要だといわれています。

人事のなかでもニッチな領域なので、蓄積された実務経験や参考情報が少なく、その状況でグローバルという未知の環境でビジネスを実行する社員をサポートすることが求められるのです。まさに学習機敏性が必要であり、また海外人事の仕事は学習機敏性を高めるためのトレーニングに最適な職場といえます。

学習機敏性を高める重要なポイントは、「チャレンジ」と「高速でPDCA」を回し続けることです。未知の課題に取り組むには、手持ちの限られた情報だけで仮説を立て、仮説に基づきチャレンジングに実行し、状況を見ながら適宜方向を修正します。このサイクルを高速で回し、より良くしていく流れを実務の中でトレーニングすることが大切です。

③情報収集に割く時間を惜しまない

仕事に関する情報が限られているなかで注目したいのが、コンサルティング企業などが開催する集客を目的とした「無料セミナー」です。

「無料」といっても参加者の評判はSNSなどですぐに広まってしまいますので、各社ともレベルの高い内容で開催することが多くなってきています。さらに終了後に「懇親会付き」であればいうことありません。そこにはあなたと同じ課題感を抱えた人事担当者たちが集まっています。ぜひ名刺交換をして自身のネットワークを広げるきっかけにしたいものです。

無料セミナーとともに有効活用したいのが、営業に来てくれるさまざまな企業担当者との商談です。今でもよく営業電話がかかってくることがあるかと思います。知り合いの人事部長は、「テレアポには必ず会う。忙しければ15分でもいいので、まずは話を聞き有益な情報をもたらしてくれる相手かどうか判断する」とおっしゃっていました。

さまざまな会社を回っている営業担当者は、優秀な方ほど聴く能力に長けています。そうして顧客課題を把握していき、次回のアポイントではその課題解決に役立つような情報を持ってきてくれます。

直接の売り上げや契約に結びつかなくても、顧客の課題解決のお手伝いを続け信頼関係を構築し、いざ自身の商材やサービスが必要になったときに、顧客から声が掛かるように準備をしているのです。
そのような優秀な営業パーソンとの関係性も重要な情報源になります。

④コミュニティに参加する

セミナーの懇親会などでの出会いは、さらに広げて行きたいものです。そのような場所で出会う人事の方々は、情報収集に対する意識が高いので、人事担当者が集うコミュニティに参加していることも少なくありません。

定期的に集まってテーマを持ち寄り勉強会を開いたり、ゲストを招いて話を聞くなど、さまざまな活動をしているコミュニティはたくさんあります。
名刺交換をきっかけに情報交換と称して再度会って話をすることで信頼関係が芽生えれば、自身の参加するコミュニティに推薦してもいいかも、と思ってくれる可能性は高まっていきます。

夜の会食はハードルが高いので、まずはビジネスランチがおススメです。ランチであれば、さまざまな時間的制約を持って働いている方でもハードルはかなり下がります。

SNSがあたり前になっている今では、直接会うだけでなく、SNSを使った情報交換などのコミュニティも盛んです。ただし、不特定多数が参加できるようなSNSは当たり外れも多いので、信頼できる知人からの紹介で参加するのが安心です。

良質なネットワークからは有益な情報は得られるものです。また自身のキャリアを考えていく上でも、ネットワークの存在は非常に大きいものです。常にネットワークづくりを意識しながら行動することで、目に見えない大きな財産を手に入れることができるでしょう。

専門性を磨いてより効率的に業務推進

前回のコラムで取り上げた4つの課題を踏まえ、今回ご紹介した「専門性向上のポイント」を活かして、より計画的かつ効率的に業務を進めることができます。理論や知識の習得だけでなく、実務を通じた経験が重要であり、70:20:10の法則が示すように、「経験」が最も大きな要素となります。実際の業務で得られる「汗をかいた」経験こそが、真に役立つ専門性を育む鍵となります。

また、情報収集やネットワークの構築も欠かせません。セミナーやコミュニティへの参加を通じて新しい情報を取り入れ、同じ課題を抱える他の担当者とのつながりを深めることで、多くの視点やアイデアを得ることができます。これにより、変化の速い現代において、柔軟に対応する力が養われます。

チャレンジ精神を持ち、常に新しいことに挑戦し続ける姿勢が、海外人事担当者としての成長を支えます。実務経験とネットワークを活用し、さらなる専門性を追求していきましょう。

次回からは、「実務ポイント」を詳しくご紹介していきますので、引き続きご期待ください。


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