親愛なるあなたへ
わたしには愛らしくて大切で何にも変え難い友人がいる。
彼女はまるで月のようだ。優しい光で闇に温かさを与えてくれる。
昼間にちらりとすがたを現すこともあって、昼寝をするわたしを見守ってくれている。
彼女は宣告された余命の月に入った。
ここのところ毎日体調が優れない。かなり悪化しているのが痛いほど伝わってくる。
寛解する。彼女も私もそう信じている。
信じれば信じるほど苦しくなるのは何故だろう。
わたしが入院で1番苦しかったときや、楽しいことがあったとき、幸せなとき、まず彼女に話した。いつもそばに居てくれた。
わたしも支えたいのだけれど、最近は連絡を取ることも難しくなってきている。
だからわたしは祈っている。
初詣で2回当てた大吉を彼女にあげたい。
彼女の痛みを引き受けたい。
わたしが精神的に苦しい時、その分彼女の肉体的な苦しみが減っていると思うと耐えられる。
なんだ、結局支えてもらってるのは私の方じゃないか。
どこまでもいつまでも彼女のことを思う。
彼女と一緒に歳をとって、ボケてきても、彼女のことだけは覚えていたい。
大好きだよ。