BOWMORE|月15万円の自炊日記#117
私にとっての三陸
前の会社には20年近く在籍したが、退職した最後の年は、軽い鬱状態だった。そこで、1か月ほど三陸の伯父の家でワーケーションというか、半逃亡生活をさせてもらった。
朝起きて、熱いほうじ茶をすすり、90近い伯父の作る美味しい朝食を食べ、フルーツを食べ、仏壇のある和室で仕事して、お昼ご飯を食べて、仕事に飽きたら農作業を手伝って(労働力にはなっていない)、縁側で昼寝して、おやつを食べて、伯父と一緒に夕飯の買い出し行き、晩酌して、9時に寝る。
この生活を2サイクルぐらいやってみたら、会社のくっだらない人間とか、社内政治の根回しに費やす資料作成とか、落下傘のように次々親会社から落ちてくるプライドだけヒマラヤ級のおっさんのマウントとか、もうどーでもよくなって、転職することにした。
私が健康になったら、当然、以前のように仕事に精進してくれると思い込んでいた想像力のない上司は、会社を辞めると告げた日から、私と口を利かなくなった。でも、私はもう新しい世界しか見てなかったから、そんな仕打ちなんて耳糞ぐらいの感じだった。
命の恩人の伯父さんとは、コロナもあり、数年会っていないので、ちゃんとお話ししてこないと。なんて不義理な姪だ。
うちの伯父は所ジョージみたいに飄々とした雰囲気で、現役の小学校教師だったころは、女子児童からバレンタインデーのチョコを山ほどもらう人気者だったのだ。
もちろん、私も伯父が大好きだった。
姉とウマが合わない分、おおらかで真面目過ぎない伯父に理解を求めていた気がする。
そう。私は生真面目な人間が苦手なのだ。もっと正直に言うと、クソ真面目な人の自分勝手な倫理観や、他人にまで強制する自分だけの行動様式を毛嫌いしている節がある。
仕事で遅くなった日
木曜日は帰宅が遅くなった。
疲れていたせいか、普段居酒屋に行かないのに、無性に居酒屋料理が食べたくなり、焼うどんをつくった。普通に美味しいけど、年1で満足する料理だった(写真も撮っていない)。
夕食を食べながら、夫に新しく買った旅行用のカバンを自慢された。春にバーバリーのカバンを買ったばかりなのに……。
新しいカバンは、セリフ体のロゴが印象的な某Yブランド。なんでも、私がキャリーケースをコロコロ、コロコロさせるのが気に入らないらしく、旅行用のカバンが2つ必要だと考えたらしい。
購入理由を聞いたけど、さっぱりわからん。
あのカバンを買うなら、私はHirotakaのピアスが欲しかった。
2個ぐらい買えるぞ。
ユニクロに感動
フットネイルの予約がそこしか取れなかったので、金曜日の昼間、仕事を抜け出してサロンに行った(もちろん勤怠にはつけてます)。
予約時間までの30分、ユニクロでリブタンクトップを大人買いした。
久しぶりのユニクロには魅力的なお洋服がたくさんあった。このタンクトップも胸の空き具合や肩から脇にかけてのラインがすごくキレイ。
他にもカーゴパンツやシャツも気になったけど、時間がないので、断念。連休中に再訪しよう。
サロンの後は、TIME&STYLEに寄り、たびたびnoteで紹介している波佐見焼のミニ重箱と同じシリーズのお皿を2枚を購入。女性のスタッフさんが、食事に使っているテーブルや普段の食生活などカウンセリングしてくれて、すごーく、いいのが見つかった。
うふふふふ。いつ卸そうかなぁ。考えるとにやけちゃう。
がしかし。夜まで仕事が残っているので、再び自宅でPCを立ち上げた。
夕方編集者さんから電話がかかってきて、重要度の低い課題をあれこれ質問してきたので、少しイライラしながらも、口角をあげながら回答した。
おっさんよ。そんなことより、君にはもっと重大なタスクがあったはずだ。
今日の18時までに「何が何でも提出する」と約束したゲラが、17時45分の時点でまだ出てきていない。
おっさん編集者はやっと思い出したらしく、「デザイナーに確認します!」と元気だけはよかったが、こんなやりとりがもう何度も続いているので、「18時を過ぎるなら、明日の土曜日に提出してください」と冷たく突き放してしまった。自己嫌悪に陥ったけど、もうこれ以上は仏ではいられなかった。
BOWMORE
箸で卵焼きをつっついていたら、夫が帰宅。
「飲む?」と聞いて、BOWMOREのソーダ割を作ってくれた。
BOWMOREを飲みながら、伯父と過ごした日々や、昼間、たびたび約束を反故にする編集者さんに少しきつい言い方をしてしまったことや、電話で母から聞かされた50年前の姑のいじめの話や、親切に対応してくれたTIME&STYLEのスタッフさんにiPhoneに入っているミニ重箱の写真(←ユーザーによる使い方事例)を見せなかった後悔や(他人に見て見て―って言えないタイプなので)、そんなごっちゃごちゃの時系列の思い出がぐるぐる頭を回り、寝るしかなかった。
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