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ザ・トラベルナース 完走感想

最近の民放ドラマではあまり見ない10%超えのドラマ。
さすが、中井貴一さんはいいお芝居をなさいます。
読後感が気持ちのいいドラマはやっぱりいいですねー。

物語の作り自体であれば、もっと面白くて頭の良さそうなドラマはいっぱいあるんです。でも「トラベルナース」はドラマに必要な要素が詰まっていたように思います。それが何かなんて語り始めたらそれだけで大変なことになり、さらには炎上案件になりかねないので・・・というよりは結果論ですかね。いいドラマって多分、狙ってもできないもののような気がするんです。少なくともトラベルナースを見た感想としてはそうです。

僕自身はアンメットのほうが小難しくて「いいの撮ってる感」があって、それを毎週見てる自分がちょっと誇らしい感じはありました。トラベルナースはそういう画面をグッと見るような感じではなかった。皆さんもそうじゃないですか?じゃあこのドラマは何が良かったかって?

それは
看護師たちのわちゃわちゃシーンです。
それと
中井貴一さんと岡田将生の仲良しのケンカです。

つまりチーム力です。こういうキャストたちの活き活きした芝居が生まれるのは撮影現場でひとりひとりが発言できて、尊重している空気作りができているからではないかと思うんです。

芝居のことで言えば他の役者に比べても圧倒的に中井貴一さんが一枚も二枚も上を行っているでしょう。岡田将生はそんな高みにいる中井さんといい意味で戦っていたのではないでしょうか。先輩として尊敬しているから自分の意見を中井さんにぶつけることができる現場だったんじゃないでしょうか。

そんな岡田さんに対して、中井さんは偉ぶるでもなく、同等の目線で接して二人で一緒にシーンを作っていたように思います。そしてそこには演出家やカメラマンも交えての活発な議論があったのではないかと思います。中井さんと岡田さんの関係性が発端になってチーム全体の力が底上げされていく。

そうなればナースの面々も自分らしさを存分に出してみたくなる。ま、ナースチームには寺島&安達コンビが中井&岡田コンビと同じようにいい空気を作り上げていく、いい循環がキャストたちに生まれていたように思います。

正直、物語や演出やカメラ割りに特別なものは一切なかった。へんな話、役者たちが作り上げた空気をカメラに収めることに徹した、だからこそある種の名作・・・いや安心して見ることが出来るドラマになったんだと思います。実はこういう成功例が「相棒」であったり「ドクターX」だったりするんですよね。

そして実際にこういうドラマが数字を取る。トラベルナースはおそらく「今期ナンバーワンの注目作」ではない。だがしかし、これから先も「トラベルナース」は続編を作り続けても、数字を取り続けられるドラマになり得るように思います。テレ朝はそういうところがスゴイ。

脚本家や演出家についてはどこまで書いたらいいか分かりませんが、少なくとも役者の邪魔をしない作りに徹したことは大事な成果だと思います。プロデューサーは中井さんと岡田さんとどういう話をしてこのドラマに参加してもらえるようになったのか、その経緯は聞いてみたいですね。

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佐藤雀@すずめ組
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