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トレヴァー・ジャクソンのThe Love Language [洋楽レビュー]

 これくらいのR&Bを待っていた。
 僕はこういうR&Bが聴きたかった。
 至極ちょうどいい。終始聴きやすい。

  トレヴァー・ジャクソン(Trevor Jackson)は96年生まれ。佐藤と同じ。インディアナ州という田舎州の都会町インディアナポリス生まれ。青森県八戸市生まれの佐藤と同じ。ん?

 俳優として活動した上で歌手になったようで。"#NewThang"というEPを2013年にリリース、2015年には"In My Feelings"というミックステープにてKevin GatesやIAMSU!などを招待。18年、19年と"Rough Drafts"シリーズを発表し、つい最近の2021年3月26日に"The Love Language"が待望のデビューアルバム!2021年3月26日は良作が大量発表されてて半端ないね!


 ちなみに僕がTrevor Jacksonを知ったのは、アップルミュージックのプレイリスト「ブレイキング:R&B」からでした。

最近の音楽を知る上では欠かせない「ブレイキング」シリーズ。自分のアカウントの「今すぐ聴く」のとこから「ニューリリース」で最新アルバムをチェックできるとは言っても、それはすでに自分の好きなアーティストだけだったりするので、こういったプレイリストの存在が重要になってくる。

今この時に流れている音楽を一曲でも聴くことは、ビートルズのサージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドを100回聴くことよりも大事なことだと、個人的には思っている。ビートルズだと分かりづらいか。オアシスとかいう糞バンドのモーニング・グローリーとかいう糞アルバムを10回聴くことよりも大事なことである。あんなの10回も聴いたら耳が取れちまうだろうから、例えばDESTIN CONRADとかいう生意気そうな20歳の小僧の生意気そうな新曲"BILL$"を聴いてみる方が、どう考えても何か開ける。何か見える。

(この子はVineから有名になったらしい)

まあ僕はオアシスを理不尽にディスりたいだけなのだが、新しいものに触れることは本当に大事である。もちろんバランスこそがさらに大事なので、たまにはオアシス以外の90年代の音楽をディグって勉強することは必要不可欠である。90年代は、オアシスを除いて、素晴らしい音楽に溢れている。

Trevor Jacksonの話であった。"The Love Language"。今の僕には「愛情表現」について語る資格はない。このアルバムは僕の傷を癒すためには作られていない。けれども、少なくとも、ずっと聴いていられて、心地よい40分を提供してくれる。今後ヘビロテするかは分からない。けれど出会えて良かった聴いて良かったと、心から思った。

正直特筆すべき何かはない。時代を変えてしまう概念や鳥肌の立つようなビートチェンジもない。けれどとっても聴きやすい2021年のR&Bとして、挙げて損はないと感じた。ノスタルジーに偏ることなく、かと言ってトラップへの依存でもない。常に懐古主義を内包しながら確実に一年ごとにサウンドが変化するR&Bというジャンルの、2021年の質を確かめたいなら、このアルバムはちょうどいい。聴いて幻滅することは、まずない。




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