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BFC5落選展感想「ダダダダダ」まか

「鈍く汚れた鉛よりも美しくあたたかい言葉をたくさん撃ちたいよ」という一文の通り、言葉が濃密な作品。幻想的であると同時に力強い、原始的であると同時に電子的な描写が、現代社会の地獄につながっていく展開が素晴らしいです。これが、計算されたものだとしても、感覚的にできあがったものだとしても、すごい力量の方だなと思いました。
 まかさんのX(旧Twitter)によると「ガザや戦争のことを取り込まずにはいられなくて途中で書き直した。 このタイミングで無視はできなくて」ということらしいです。ふつうは、後からそうした書き直しをすると、どうしても新しく加えた箇所が浮いてしまいますが、すべての文が自然に組み合わさり作品世界が成り立っている。技術に加えて、「このタイミングで無視できなくて」という責任感が、作品を上滑りでないものにしていることを強く感じました。
「ダダダダダ」というタイトルも好きです。オシャレなタイトルをつけてもいい本作に、リズム感と迫力があるタイトルをつけたところに、作者さんの決意のようなものを感じました。

 余談ですが、僕の作品と花火つながりですね。

 この感想を書く前に「顔のない人」も読みました。こちらは社会問題をストレートに扱った作品。これはこれで好きです。ぜひ読んでください。


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英語を教えながら小説を書いています/第二回かめさま文学賞受賞/第5回私立古賀裕人文学賞🐸賞/第3回フルオブブックス文学賞エッセイ部門佳作