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「交響曲名鑑鑑定百科(吉井亜彦・著)」

この1年主にロマン派の交響曲を収集してきた私にとっては、こんなめちゃくちゃ役に立つ本があったなんて、誰か教えて欲しかった(?)。刊行は2024年3月、亜紀書房。

この本自体は、もともと1997年や2007年に春秋社から出版された「名盤鑑定百科 交響曲編(同著者)」の改訂版で、主に今回版では2000年以降の録音も紹介されていたり、四半世紀過ぎて状況は変わったかもね、といった書き足しがあったりします。
この本の特徴は、交響曲100曲についての解説だけではなく、主要な録音についての一言コメントがついている点。その数約6000枚とか。
もちろんこの世に存在するすべての録音を網羅することなんて現実的ではないので、あくまで一部ということになりますが、ちなみにベートーヴェン交響曲第5番「運命」についてはこんな感じ…

見開きでずらっと一言コメント。これ全部「運命」。なお次ページまで続きます。

2000年以降の録音も補足されているとはいえ、メインはレコード興隆の60年~80年代が多い気がします。レコード蒐集してる私にとってもピンポイントで刺さる資料です。
何でこんな本が見つかったかと言うと、別に買おうと思って探していたわけでもなく、ふらっと本屋さんで適当に棚を見てたら、たまたま目に入ってきたのがこの本。まさに衝動買いしてきました。レジで値段見た時はちょっとだけビックリでしたが、まあこの情報量ならコスパ十分でしょう。ネット本屋では得られない体験ですね。

100の交響曲なので、全部の交響曲が網羅されているわけではないです。全交響曲が解説されているのは、ベートーヴェン(1~9)、シューマン(1~4)、ブラームス(1~4)、マーラー(1~9+大地の歌)。例えばチャイコは4,5,6とマンフレッド、ドボルザークは7,8,9、ブルックナーは3~5と7~9。このあたりは、まあ妥当な線かなぁという気もします。

昨年末(2023年12月)にレコードプレーヤーを購入し、がむしゃらに自分の知ってる範囲の曲目を、手に入りやすいものから集めて、棚の一角が揃う頃には、「(曲名)名盤」とかで検索するなど、多少下調べしてから盤を選ぶようになりました。
このあたり、近くのブックオフで買ったレコードやら、オークションで安売りされているものを何も考えずに購入したものが、この本をみると意外と名盤と評されているものが多くて、ビギナーズラックだったと言えるでしょう…

実際に著者が本の中でも言及していたり、レビューサイトでも指摘されているんですが、あくまでも一口メモは参考までの情報で、ちょっと偏りがあるのは否めません。気になったのは小澤征爾は基本誉めてない(苦笑)。カラヤンも比較的塩評価なのですが、私が今年購入でもベスト5に入るチャイコ5は「カラヤンらしい冴え」と評価されていて、逆に、こりゃあ…となったシューマン3は「苦労しているようだ」と評されていて、意外と私と反りが合うかも(?)
私はロシアと言えばスヴェトラーノフ推しなんですが、どうやらMELODIYA時代の若いスヴェトラーノフの盤は評価にいなさそうです。指揮台に赤い扇風機置いてる時代の盤でようやく登場しますね。

今後のレコード選びをどうする

聞きたかった曲は概ね揃った…というより、私の人生でわずか触れてきたクラシックが一通りそろって、ここからは未知の領域。
管弦楽曲や協奏曲を集め始めるとキリがないのと、持ってるレコードで余程でなければ1か月に1回はちゃんと聞きたいな(ただのコレクターではなく、持っているからには溝をしっかり減らしていくつもりで)と思ってるので、今後も交響曲をメインで集めようと思ってます。
私のここまでのクラシック人生で全く交差することがなく、いまだに一切手を出せてないのが、ブルックナーとシベリウス。ブルックナーは先日買った「ベルリンフィルと小澤征爾」に収録されて聞いてますが…楽曲的にイマイチ刺さらなくて、今のところ次はブルックナー集めるか!とはなってないです…。

一応今探している/購入検討してるレコード

バーンスタイン/ベルリンフィル マーラー交響曲第9番(1979年)
クラシックの逸話を検索するとまず確実に出てくるくらい伝説のライブ。これ2021年ぐらいにLP化されてるんですよね。
ただ、CDはめちゃくちゃ溢れてて、今でも新品購入できます。とあるCDショップだと、マーラー第9番の在庫がこの盤しかなかったくらい…(正直演奏としてはかなりのイロモノなので、それもどうかと思うが…)

ワルター/ベルリンフィル マーラー交響曲第9番(1938年)
モノラル時代は録音がしんどいけど、この録音は持っててもいいのかも、と。
しかし、このままだとマーラー9番だらけになるぞ、定期的に聞くには重い。

シューマン交響曲やベートーヴェン交響曲のマーラー編曲版
90年代以降だとちらほらいるみたいなんですが、やはりレコード全盛の時代は邪道とみなされたのか、今のところレコードではないんじゃないか、感。

FranklinMint The 100 Greatest Recording Of All Time
全50セット・100枚からなるFranklinMint社発売のクラシック曲集。赤盤を採用してて、選定も外れがない名盤。完全にオークション頼り。
現在6セット保有。噂によれば中古ショップに行けば意外とあるとか。FranklinMintを求めて、いつか東京の中古レコードを回るのもありかもしれないなぁ。

ショスタコーヴィチ交響曲15番
ショスタコーヴィチは交響曲1~10まで揃えましたが、5・7・10はまあまあ刺さったんですが、全体的にあまり刺さってなくて11以降は手を出してません。ただ、最後の交響曲にハズレはなかろうと踏み、この本でも15番は取り扱っているので、参考にしながらいつか手に入れようかなと。そうすると11~14も聞きたくなるのが世の常ですが。

次の土曜日から、某オーディオ店で中古クラシックレコードフェアやるらしいので、本片手にお宝盤がないか漁ってくるかな?

今年の年末は贅沢1週間休みながら、やることもなく金もなく、引きこもるしかないので、その期間に今年の購入レコードの振り返りとかだらだらnoteに書いていきたいです。


この棚が今年1年で集まった「交響曲棚」(ただし右のカラフルなのは化物語の「歌物語」)

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