古民家で暮らそう!⑧「この家がいいかも」
篠山、丹波を中心に探索を繰り返していましたが、その後、丹波の西側にある多可町というエリアに住みたい!ということが決まり、後は物件が出てくるのを待つばかり…と言っても、待っているだけというのはなかなかつらいものです。性格上、じっと待っていられないので、妻も僕も毎日のようにネットで情報を収集していて、その中に一軒、気になる物件が候補にあがりました。
ただ、ネットに掲載されていた連絡先が個人の携帯番号だったので、なんとなく自分で連絡してみるのは躊躇していたのですが、先日案内をしていただいた不動産屋の社長さんはずっと丹波で仕事をしているので、たぶん知り合いだから売り主が分かんじゃないかなとのこと。案の定お知り合いだったようで、仲介役の方と話をして下さって見に行くことができました。
場所は多可郡多可町の加美区という場所です。一緒に車に乗せてもらって、ここから先にはスーパーが無いとか、ここに郵便局があるとかの解説を聞きながら連れて行ってもらったのですが、素朴でとても良い感じの社長さんでした。
住みたい町の候補になってから何度かドライブに来ていますが、毎回、周辺の山の雰囲気や空気感に癒やされます。水がきれいだし、谷間と言っても広々とした谷なので開放感があります。
多可町の真ん中を国道427号線が縦断しているのですが、そこからさらに谷の奥の方に入って行きます。田んぼの横に水路があって、きれいな水が流れている!ウチの実家の田舎にも家の前に山からの水が流れているのですが、こういう水路がある場所が憧れです。スイカが冷やせるし、いろんな洗い物ができます。
ちょっと迷ってもう少し奥に行くと、その物件がありました。確かに写真で見たとおりの家です。古民家によくある茅葺きの上にトタンを引いた屋根で、なかなか良い感じ。家主さんの代理で管理をしている不動産屋が来ておられて、鍵を開けてくれて中を案内してくれました。
お~、すごいよ!エエ感じにボロボロです。昔の家らしく田の字作りに和室が4つあって、玄関は土間です。その他、後から増築した部屋やかなり広い屋根裏部屋もあります。まだ他人様の家なのに申し訳ないのですが、ホンマにボロ屋のワクワク感満載の家で、一目で気に入りました。「ここだ~!」って思いました。
庭には大きな倉庫がついていますが、屋根がボロボロだし邪魔なのでこれは解体するかな…。
その他、台所の外に味噌小屋だったというトタン板の囲いもあるけど、これもいらない。家の前には小川が流れていて、カワニナがたくさんいるのでホタルが飛ぶそうです。たぶん沢ガニもいるでしょう。それに、周りには大きな古民家が転々とあるだけで、隣は畑を挟んで1軒しか隣接していません。
庭に大きな実山椒の木があって、これはかなり嬉しい!瓦もたくさん予備が置いてあるので、追々、小屋などを建てるときに使えるかも。それに、屋根裏には大きな長持が2つある。もし捨てるなら置いておいてほしいな~。
他にも、探せば家主さんにとってはゴミでも、僕にはお宝のモノがたくさん眠っていそうな感じです。
ただ、良いことばかりではなくて、解決しないといけない問題点もいくつかあります。まず、根本的にボロなので、どこまで自分でやってどこまでを業者にお願いするか…これは予算次第です。
次に、巨大な倉庫の解体に結構な費用がかかりそう。それから、屋根のトタンは塗り直した方が良さそうです。
…と、まだ自分のものになった訳でもないのにあれこれ考えてしまいますが、帰りの車の中で妻に「気に入った」と伝えると「え〜、大丈夫なの!?」という反応でしたが、最終的には意見が一致したので、後は金額交渉のお願いをすることにしてその日は帰ることにしました。
「ついに来た!」って感じです。いよいよ、「このエリアのこの家に住む!」っていう具体的なビジョンが持てるようになって来ました。まだ決まった訳じゃないけど、気に入るときってこんなに簡単に話が進むんですね。何ともあっけない感じがしました。