カレーという荒療治
やる気が出ない。
朝からずっとやる気が出ない。もっと言えば前日からやる気が出ない。
夕方から通院という予定しかなく、なんでもできるのに何にもできずにごろごろとする火曜日。
かろうじて終わらせた洗濯を干し、おそーい朝ごはんを食べ、もう一度ベッドに潜り込む。
そんなことをしていたら、気づけば14時半。
ぼんやりとした頭に浮かぶのはカレーを作るべく揃えた材料たち。
カレーのことは大好きなのに具材を複数刻む面倒くささから、一人暮らしになって以降一度も作っていなかった。
いざ、1人では初めてのカレーづくり。
不思議なものである。あんなにやる気が出なかったのに、もやもやとした気持ちを抱えていたのに、野菜を刻んでいるとすこし気持ちが晴れていくのである。
とはいえ、玉ねぎは強敵。
舐めてかかった私は、小玉ねぎ2つをみじん切りにし終えるまでにぼろぼろと涙を流した。
今度からは冷凍してから切ってみようかな。
具材を刻み終えてしまえばこっちのもの。少し油で炒めてから、くつくつと煮込む。沸騰してから20分とあったのに、なかなか沸騰せず何分煮込んでいるのやらわからなくなったのはないしょ。
じゃがいもがほどよく溶けた頃、ルーを入れて混ぜながら追加で5分。
お待ちかね、カレーの完成である。
完成したのは16時過ぎ。
家を出るまで30分ほどある。目の前には出来立てのカレー。
抗える人などいるのだろうか。
見事私はおかわりまでしてカレーを平らげ、家を出るのであった。
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