協力隊を経験したことで起きた、自分自身の変化
こんにちは。遠藤暁(@str_se)です。
ボリビアから日本に戻ってきて、もう2ヶ月半が経ちました。家の周りをジョギングしたり、英語の勉強をしたり、本を読んだり、こうしてnoteを書いたり。
協力隊として活動していた時よりも「身体を動かしている時間」は1/100くらいになっていますが、家にいて自分としっかり向き合える時間や将来について考える時間が確保できるのはありがたいなと思います。
さて。
2018年の6月からボリビアで活動していたわけですが、学生時代にも2回JICAの短期ボランティアとして活動していました。合計で3回JICAボランティアとして活動させてもらったわけですが、その協力隊の経験を通して自分自身にどんな変化が起きたのかを振り返ってまとめておこうと思います。
これから協力隊を目指している人なんかは特に、参考にしてみてください。
✔️想像の鮮明さが増す
個人的に強く感じているのは、協力隊を経験したことで「想像の鮮明さ」が増したなということ。
どういうことかというと、例えば海外でのニュースとかをみたときに、その現場で起きていることを以前より鮮明に想像できるようになったんです。
今回のコロナに関しても、例えば医療設備が整っていない国の現状の記事を読んだときに、そのシーンを本当に鮮明にイメージできるんです。
ぼくがいたボリビアではありませんが、同じ南米のエクアドルの記事↑。
ボリビアの病院や医療環境を自分の目で見て知っているからこそ、こうして感染拡大によって病院の対応能力を超えてしまっているという現状は、容易に想像できます。
でももし日本の優れた病院のイメージしかなかったら、上記のような記事を読んでもその現場で起きているであろうことを想像するのって難しいと思うんですよね。
「大変そうだな」という程度なんじゃないかなと。
「自分の目で直接見たもの」とか「旅行じゃなくて『住んだことがある』場所、とか「そこで生活していて『友達』がいるところ、そういったものや場所に関することって、他のことよりも鮮明に想像できるんです。
学生時代に短期ボランティアとしてエチオピアにいったときは、難民キャンプにもいきました。
ぼくがいったところは生活環境はある程度整っていましたが、やっぱり自分の目で初めて見た難民キャンプというのは今でも印象に残っています。
その経験があるからこそ、難民キャンプに関する記事なんかを読むと現場のイメージが鮮明に湧くんですよね。
こういったニュースも、もうなんか他人事じゃなく感じてしまうんです。
自分の目で直接見たりしたものは、より鮮明に想像できるようになる。
より鮮明に想像できるようになると、他人事として放っておけなくなる。
ボリビアでもいろんなものを自分の目で直接見たので、世界で起きているいろんな事態に対するイメージ力はかなり上がったかなと。そのおかげで、世界で起きてるいろんなことに対して自分事として関心が持てるようになったのは大きな変化ですね。
✔️優しくなったし、冷たくもなった
性格的な部分の変化でいうと、優しくなったし冷たくもなりました。
ザックリいうと
失敗とか意見の違いにかなり寛容になったけど、割り切るところはスパッと割り切るようになった
という感じですかね。
ボリビアで活動していたとき、サッカーの練習時間にコーチや子供が遅れてくるなんて日常茶飯事でしたし、予定していた大会の日程が急に変わったりということもしょっちゅうでした。
もうこういったことにはまったく動じなくなりましたし、「しょーがないよな」って許せるくらいの余裕は持てるようになりましたね。
それ以外にも、文化とか生活習慣とか意見の違いなんかに対しても、「みんな違ってみんないい」という感覚で寛容に受け入れられるようになりました。
自分の考えや意見と「違うもの」とか、そもそも自分が「知らないこと」に対して拒否反応とか嫌悪感を抱く人もいると思うんですけど、そういったものはほとんどなくなったように思います。間違いなく、心は広くなりましたね。
ただ、冷たくなったなと思うところもあって。自分と合わない人とか、やることをちゃんとやらない人とかは、見切りをつけてスパッと関係を断つようになりました。
これは多分、2年間という限られた時間のなかでできるだけしっかりした活動をしたいという思いがあったからかなと思います。
先ほど「しょーがないよな」って許せるようになったと書きましたが、なんでもかんでも許すというわけではありません。気をつければ犯さない失敗を何回も繰り返す人とか、そもそも人として信用できないなという人とは、もう注意とか話し合いをするまでもなく距離を置くようになりましたね。
もともと興味がないことは本当にどーでもいいって考えるタイプなので、その辺はかなりサッパリというかキッパリしてるかと。そのキッパリ度に、さらに磨きがかかったという感じですね。
割り切るとことは本当に割り切るようになったので、周りの人から「冷たいね」って言われる回数は増えました。協力隊を通して、優しくもなったけど冷たくもなった遠藤暁です。
✔️「なんとかする力」の習得
協力隊の長期ボランティアとして派遣される前は「派遣前訓練」というものがあって、そこで語学の勉強をみっちり行います。
訓練のおかげで自分が派遣される国の言語は多少話せるようになるんですが、やっぱりまだまだ物足りないレベル。本当に最低限の語学力が身につくだけです。
だからいざ現地に行って活動が始まると、ほとんど喋れない状態で活動をやらないといけないんですよ。でも喋れないからといって活動をやらないわけにはいかないので、もう「なんとかする」しかないんです。
身振り手振りで説明したり、スポーツの場合は自分で手本を見せてみたり。100あるうち20くらいしか伝えられらい語学レベルだったとしても、なんとかして50とか60伝えようとするんです。
そうして毎日「なんとかする」という状態を繰り返していくと、もう気づいたらなんとかできちゃうようになるんですよね。
この「追い込まれたときになんとかする力」って、いろんな場面で役に立つんです。任期中に毎日書いていた「協力隊日記」も、正直いうと、忙しかったり突然予想していなかった予定が入ったりして「今日は書けないかも..」って思った日もありました。
でもそんな時にも、なんとか時間を見つけて書き切ることができたんですよね。
協力隊の毎日更新は、自分でもよくやったと思います。
多分これから仕事を始めたり新しいことに挑戦する時に「うわぁ..これ厳しいなぁ」って思うこともあると思うんですよね。でもそんな時も、協力隊で培ったこの「なんとかする力」で乗り切れると信じています。
✔️日本にいただけじゃ起きなかった変化
ここまで自分に起きた変化について書いてきましたが、日本にいるだけじゃ起こらないような変化もあったなと。
特に最初の「想像の鮮明さ」という部分に関しては、実際に現地に足を運んで生活してみたからこそ得られたもの。もちろん日本にいてもその変化は起きることもあると思いますが、可能性でいったらかなり低いかなと思います。
約2年間の長期ボランティアの活動と、学生時代の2度の短期ボランティアの経験によって、自分自身にたくさんの変化が起きました。やっぱり日本じゃなくて世界のいろんなところに行ってみることで、ポジティブな変化はたくさん生まれるということを身をもって体験できましたね。
協力隊活動を経て得たこれらの変化を活かして、またこれからも頑張っていこうと思います。
それでは今回はこの辺で!!