JICA海外協力隊の、これから
こんにちは。遠藤暁(@str_se)です。
コロナウイルスの拡大により、世界中で活動していた協力隊員が全員日本へ一時帰国するという、前代未聞の状態になっています。
3月の上旬くらいから順次帰国を始め、いまはもうすべての隊員が帰ってきたはず。
そして昨日、JICAから「新型コロナウイルス感染拡大を受けた派遣計画の見直しについて」というメールが届きました。
内容を引用したりするのは控えますが、とにかく
今の段階では再派遣の目処は立っていない
ということ。
書かれている文章を見る限り、個人的には、隊次に関わらず再派遣の可能性はかなり低いんじゃないかなと思いました。
書かれていた内容をどう解釈するかは人それぞれなので、「隊次に関わらず再派遣の可能性はかなり低い」というのは、ぼく個人の見解だということは頭にいれておいてください。
✔️この通達を受けてどう思ったか
このメールを受け取った時、個人的には、動揺したり気持ちに大きな変化が起きたりはしませんでした。
というのも、ぼくの任期はもともと今年の6月まで。
残りの任期が少なすぎるので、ボリビアから帰ってくる時点でもう「再派遣はないだろうな」と覚悟していたんです。
日本に帰ってきてからは、今後の進路への準備をひっそり始めています。
でも正直なことをいうと、やっぱり2年間の任期をしっかり全うしたかったし、最後までやり切りたかったという気持ちはあります。
以前JICAの職員さんから
最後の3ヶ月のために残りの1年9ヶ月がある
というセリフを聞きました。
要は2年間の任期の中で、一番充実して思うように活動ができるのが「最後の3ヶ月」ということ。
任期が始まったばかりの頃は、うまく言葉が話せないからなかなか思うように活動が進まない。
まだ信頼関係も築けていないから、言いたいこともなかなか言えないし相手のこともわかり切っていない。
でも1年9ヶ月も任地で過ごしていると
言葉もだいたい覚えて自分の言いたいことも言えるし、相手の言ってることもちゃんと理解できる
信頼関係も築けてきたから、いろんな意味でやりやすい
というような理由から、最後の3ヶ月は本当に充実するし活動がうまくいくんだそう。
しかしぼくの場合、この「最後の3ヶ月」を残しての帰国となってしまいました。
これまで1年9ヶ月任地で過ごしてきて、配属先の同僚ともたくさんコミュニケーションをとって、信頼関係も築けて、言葉の壁も乗り越えて。
最後のラストスパートだ!と意気込んできた矢先での帰国。
誰のせいでもないし仕方ないことですけど、残念という気持ちは強いです。
でもさっきも言ったように、もう気持ちは切り替えて次への準備をコツコツやっているので、問題ないです。
いつまでもクヨクヨしてても、いいことありませんからね。
✔️他の隊員さんたちの心境
日本に帰ってきてから時間はたくさんあったので、いろんな人とZoomとかSkypeで話す機会を作りました。
協力隊の人と話すことが多くて、一人ひとり悩みや今の状態に対する気持ちの持ちようはやはり違いましたね。
戻れるなら戻りたいけど、厳しそうだから次への準備を始めてる
という人もいれば
とりあえずはJICAの決定を待つ
という人も。
協力隊に合格したものの派遣や訓練が延期になったしまっている人たちは
モチベーションの意地が難しい
派遣されたときをイメージして準備を続けてる
どうなるかわからないからとにかく不安
などなど、いろんな意見がありましたね。
中には「協力隊に参加することを前提にキャリア設計をしていたので、もし協力隊に参加できないとなるとかなり辛い」という方もいて、正直なんて言葉をかければいいのか分かりませんでした...。
逆に「協力隊にもし行けなくても、自分の将来の目標とか最終ゴールは変わらない。目標までの道のりがちょっと変わるだけで、行けなかったら行けなかったで他の道を探せばいい」と、この状況にもめげずに柔軟に対応してる人も。
いろんな境遇の人がいて、いろんな考えの人がいて、将来についてもいろんなキャリア設計をいる人がいて。
悩んでるのは一人だけじゃないし、みんなそれなりに辛い思いをしてるはず。
苦しいのは自分一人じゃないって思えば、少しは気持ちも楽になるのかなと。
✔️もう前を向くしかない
最後はもうスパルタ論になってしまいますが、再派遣は難しいという今の状態を受け入れて、前を向くしかないよなと。
悲しんでたって下向いてたって、状況は好転しないわけですからね。
当然ですがJICAが悪いわけじゃないし、もはや誰のせいでもないし。
誰かやなにかを責めたところでなにも変わらないので、今なにができるかを考えて行動していくしかありません。
昨日、Twitterでたまたま見つけた「スナック箕輪」というやつに参加しました。
編集者の箕輪さんと、サッカー選手の本田圭佑さんの対談です。
その対談の中で「本田選手のメンタルの強さ」について話していたときに、本田選手が
うまくいっていない時ほど、自分を俯瞰して見る。世界から見たら、宇宙から見たら、自分の悩みなんてちっぽけだしどうでもよくなってくる。
というようなことをいっていました。
一種の「開き直り」です。
でも多分これくらい開き直れるからこそ、いつまでたってもくよくよせずに気持ちを切り替えて次に進んでいけるんだと思います。
箕輪さんが
ワールドカップで負けた時とか、(時間的に)どれくらい落ち込むんですか?
と本田選手に聞いたら
長くても1時間くらいですかね
とサラッと答えたので
いや短すぎでしょ!サポーターの方が落ち込んでんじゃんそれ!笑
と箕輪さんが突っ込んでいて、普通に笑いました。
ワールドカップで負けたのに1時間くらいしか悩まないなら、きっと本田選手はこのコロナの状況なんて悩むまでもないのかも知れません。
今のコロナの状況で悩んだり辛い思いをしてる協力隊員さんがいたら、本田選手ほどとは言いませんが、開き直ることも大切だと思います。
10年後くらいには
あの時コロナのせいで協力隊行けなかったけど、でもまぁ意外となんとかなるもんだよ。
と、ネタにして話せるはずですから。
みんなで頑張りましょう。
それでは今回はこの辺で!