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教師の“問いかけ”を考える【読書のキロク】
こんばんは、"もっちゃん”です。
記事に興味を持ってくださり、ありがとうございます。
今回は、【読書のキロク】です。
以前、【論文備忘録】で取り上げた、安斎勇樹氏の著書を読みました。
最近自分の中でマイブーム的な考えになっています。若干偏りがあるようで申し訳ありません。
◯今回読んだ本:『問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術』 安斎勇樹 ディスカヴァー・トゥエンティワン
2021年に出版された本になります。ちなみに、その前作として、『問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション』というものもあります。
Amazonのリンクになってしまって申し訳ありません。
特に前書を読んでおかなければいけない内容でもありませんが、参考までにお示ししておきます。
◯概要
チームの主体性と創造性を発揮したい、すべてのマネージャー必携!
ベストセラー『問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション』の著者による最新作
仲間と力を合わせ、チームで成果を出すためには、周囲に投げかける「問いかけ」の質を変えることが重要です。
著者の長年の研究と実績をもとにノウハウ化された、チームの眠っているポテンシャルを最大限に発揮させるための「問いかけ」の実践的指南書!
中原淳氏、佐渡島庸平氏、推薦!
チームは動かすのは「叱咤激励」ではなく「2つの問いかけ」にあり。マネージャー必読書!
——中原淳氏(立教大学経営学部教授)
「問い」について考えていた安斎さんが、「問いかけ」について考え出した。この2つの差がわかるだろうか。
「問いかけ」は、クリエイティブなチームを作るのに欠かせない。これは、最強のチームビルディング本だ。
——佐渡島庸平氏(コルク代表)
チームのポテンシャルが阻害される要因は、
「4つの現代病」(認識の固定化、関係性の固定化、衝動の枯渇、目的の形骸化)にあります。
これらは、目標達成を効率よく目指すなかで出来上がったもので、
企業や学校、地域コミュニティ、あるいは家族まで、多くの組織やチームに蔓延しています。
これら4つの現代病を乗り越え、チームのポテンシャルが発揮された状態にするための解決策こそ、
「良い問いかけ」を行うことなのです。
問いかけとは、仕事などのさまざまなコミュニケーション場面において、相手に質問を投げかけ、反応を促進することです。
そして、良い問いかけは、「見立てる」「組み立てる」「投げかける」という3つの行為のサイクルによって成立しています。
本書を読むことで、この問いかけのサイクルをどのように考え、回し、実践していけばよいかが分かります。
集団で話し合うチームミーティングや、1対1の面談形式で行われる1on1を想定していますが、
同僚や後輩、あなたの上司、また家族や友人とのコミュニケーションの場面においても有効な方法です。
*本書を購入いただくと、本書にはおさめられなかった未収録原稿をダウンロードすることができます。
問いかけについて、より実践的な視点や技術を磨きたい方は、本書を読んだ後に合わせて読むと効果的です。
前書『問いのデザイン』と比較して、タイトルが『問いかけ』となっていることもあり、精選した“問い”をどのように提示していくのか、ということも含めたより実践的な内容になっていると思います。
◯授業における「問い」と「問いかけ」
本書では「ワークショップ型」の組織の在り方の意義を説きつつ、その場面でのファシリテーションについて語っています。
現在では学校教育現場でも”ファシリテーション”という言葉だったり、“ワークショップ型”の学習なんてものが広がってきています。
教員にとっても非常に有用なものが多々紹介されています。
考えてみると、教員は「問い」というものをとても重視していると思います。
それが授業内での言われ方は「課題」であったり、「発問」であったり、さまざまなものがあるかもしれません。
ただ、実質的に指しているものはそう相違ないとも思います。
それをどのように子どもたちに提示するのか、というより具体的な方法を考えるにあたって、とても参考になりました。
◯学校とワークショップの相違
とはいえ、学校教育の授業の中でファシリテーションの技法だけで済むわけではないとも思います。
学校という、「教師」と「子ども」という、絶対的ともいえる関係性があるのは一考すべきことと思います。
もちろんワークショップでも「ファシリテーター」と「参加者」という関係性はあるかもしれませんが、
学校での関係性とはやはり異なります。
本書でも言及がありましたが、その関係性を踏まえて、というか、
その関係性を生かした問いかけの作法を追求していくことが求められているのだろうと感じました。
ワークショップ型というのが、従来の学校教育のスタイルのアンチテーゼ的な扱いになることもあるように感じますが、
学校側もそちらに傾倒するばかりでなく、本書であったように◯:◯みたいな、
必要な要素を取り入れていく必要があるとも思います。もちろん目的に応じて、という形になりますが。
◯授業の要素
授業においては、「子ども」「教師」「教材」の三項で考えられることが多々あると思います。
前書の『問いのデザイン』では、「教材」という視点で、本書では「教師」の視点で、
授業の改善に向けたヒントが得られるように思います。
では、「子ども」の視点での授業改善とはどういったことになるのか、ということを改めて考えるきっかけとなりました。
そんなことを考えた1冊でした!
本書は現在ではAudibleでも聴くことができるようです。
もう一度、確認も含めて聴いてみようかなとも思います。
自己紹介はこちらから。