B型作業所は認知的不協和を利用した搾取である
今回はB型事業所が搾取である仕組みについて書いていきたいと思います。
作業は大変なのに報酬が少ないという矛盾
まず認知的不協和について説明する必要があります。
認知的不協和とは、自分が矛盾した行動をしてしまったときにあとからその行動を、自分の意識を変えることによって合理化してしまうということを言います。
B型作業所に通っている人が搾取されている理由もここにあって、認知的不協和を利用して自分が作業所に通っていることを合理化してしまっているのです。
具体的に言うと、いくら福祉的就労といえど、B型作業所の作業は楽ではないはずです。
それもそのはずで、作業はお金を生み出すために行う生産活動ですから楽ではないのです。
それなのに作業内容に応じた報酬がもらえないという仕組みがあります。
B型作業所の一か月間の平均工賃は1万5千円となっています。
一カ月働いて1万5千円しかもらえないのですから、いくら作業内容が簡単なものではあるといっても内容に合致した報酬をもらえているとは言えないという状況です。
認知的不協和の具体的な内容
ここで人間がどのような認知的不協和を起こすかというと、自分が頑張って作業したという変えようのない事実と、それに応じた適切な報酬がもらえていないという事実の間に矛盾が生じていて、それを認知によって解決しようとしてしまうのです。
つまり、作業をしたという事実はもう変えようのないことですから、仕事内容に対する認知を変えようとするのです。
ただの単純作業であるにも関わらず、「自分のした作業はお金以外の価値がある作業である」という認知の変化が起こり、それによって自分の行動と報酬の間の合理化を図ろうとします。
つまり、B型作業所の作業内容にお金以外の価値を見出すことで自分の行動には意味があったと認知を変化させるわけです。
たとえば、自分がした作業によってスキルアップしたに違いないとか、やりがいがあったとか、そうした認知が生まれるようになるわけです。
これはやりがい搾取をするようなブラック企業と同じであり、B型作業所はブラック企業並みの悪だということができます。
B型作業所は重度障害を持っている人以外は離れるべきである
これまでB型作業所の悪口ばっかり書いてきましたが、現在のB型作業所は重度の知的障害や自閉症をもった人の居場所としてはとてもフィットしたものであるということができます。
よって、そうした重度障害を持った人が居場所として通う場としては一定の意味があるものだということができます。
しかし、一方で健常者に比較的近い障碍者の方が通うには報酬が物足りなかったり、実質的には生活保護や障害年金の利用が前提になっている面は見逃せません。
自分がもしB型作業所よりもレベルアップできるのにもかかわらず通所しなければいけないと感じているのならば今すぐにB型作業所はやめるべきだと思います。
たとえばA型作業所にレベルアップしたり、一般就労に障碍者雇用枠でチャレンジしてみたりするべきだといえるでしょう。
また、B型作業所のレベルは本当にさまざまであり、一概に意味がないとは言えない点に注意が必要です。
本当に自分が通っていて意味があると思うのであれば通所していても問題ないと思います。