抗うつ薬SSRIは人間をゾンビ化させるか
イーロンマスクは抗うつ薬のSSRIは人々をゾンビ化させると言っている。
— フクコミ (@satori_xyz) October 27, 2023
自分も最近SSRIをやめたばっかりだけど、やる気とか意欲が戻ってきてるように感じる。
たぶん良くも悪くもフラットな状態にするのがSSRIなので、気持ちの落ち込みは無くなるが意欲も無くなるのだと思う。 https://t.co/GFGvwdpOdo
今日はこんなツイートをしてみた。かのイーロン・マスクはASD(自閉症スペクトラム)と公表しているのだが、その治療の一環として、ケタミンを定期的に摂取していることは有名である。ケタミンは麻酔に使われることもあるらしいが、少量であれば抗うつ効果があってうつ病の治療にも使われるらしい。実際、治験が進行中で現時点の情報によると、一回ケタミンを摂取させると2週間ほど抗うつ効果が継続するらしい。
本題に入るが、引用元のイーロンマスクのツイートの内容を日本語訳すると以下のようになる。
米国ではうつ病が過剰診断されていますが、一部の人にとっては実際には脳の化学的問題です。
しかし、SSRIで人々をゾンビ化することは確かにあまりにも起こりすぎます。私が友人たちから見たところによると、ケタミンは時々摂取する方が良い選択肢です。
イーロンはうつ病の治療によく使われるSSRIを「人々をゾンビ化させることがあまりに多い」と評している。これは果たしてどんな意味を持つのだろうか。自分なりに考察してみようと思う。
まず、SSRIは脳内のセロトニンを増やす薬である。私は薬学部卒でも医学部卒でもないのでその詳しい仕組みについては知らない。しかし、ネット上の情報によれば、セロトニンは安心や幸福感をもたらすホルモンであることがわかる。であれば、なぜSSRIは人々をゾンビ化させるのか。なぜ安心と幸福をもたらすはずのホルモンがゾンビ化させるのか。
ちなみに自分は日本で処方される抗うつ薬をほぼ全種類試したことがある。以下のポストはそれぞれの抗うつ薬を試した時の感想を示したものである。
メンタルやってから主要な抗うつ薬全種類試したので感想書く。(個人差あるので注意⚠️)
— フクコミ (@satori_xyz) October 25, 2023
ミルタザピン→抗うつ効果強い。強すぎて半錠から1錠にしたらパニック発作と焦燥感が悪化した。飲んで30分で必ず眠れる。食欲が爆増して胃炎になった。…
この経験からわかったのは、SSRIという抗うつ薬は感情の起伏がなくなるということだ。抗うつ薬を処方されるときに精神科医から説明されるのは、「抗うつ薬はうつ病を治すものではなくて、気分の落ち込みを予防するもの」という説明だ。私の他にもこれと同じような説明を受けた人は多いのではないだろうか。気分の落ち込みを予防するとはどういうことなのかというと、簡単にいうと感情を無くすということだ。薬には基本的には効果と副作用がセットであり、都合の良いものはこの世には存在しない。SSRIももちろん都合の良い代物などではなく、気分の落ち込みを無くすということは人生の喜びさえも無くしてしまうのである。
これは私がSSRIを飲んだときに体験したものだが、確かに気持ちの落ち込みというか、物事を悲観的に考える機会は減ったような気がする。しかしそれと同時に「何かをやりたい」という欲求が全くなくなってしまったのである。もしかしたらこれがイーロンマスクの言っていた「人々をゾンビ化させる」ということではないだろうか。ポジティブな何かをやりたいという欲求がない人間は確かに側から見ればゾンビである。SSRIを飲んで脳内がぼんやりして天井をただ眺めている人間がそこにいれば、周りの人間が、「こいつはゾンビになってしまった」と考えるのは無理もないだろう。
最近私はパニック障害が寛解してきたこともあって、SSRIをやめている。確か最後に飲んだのはレクサプロという薬だったが、やめて1週間が経った今でもまだ少し離脱症状のシャンビリ感がある。SSRIをやめてからわかったのは、本来の何かをやりたいという欲求や目標に向かって努力するための気力のようなものが戻ってきているということだ。SSRIを飲んでいる時は、朝起きてからなんだか体を動かすのが億劫に感じて、現在取り組んでいる資格勉強にも身が入らない日々が続いていた。自分が本来努力したいと思っていることをできないのは本当に辛いことである。しかし、抗うつ薬をやめてからは朝起きてから自然と体が動くようになった気がする。それに、朝起きる時間も早くなった。抗うつ薬を飲んでいた時はなぜか眠気や頭がぼんやりしている感じがあって、昼の12時ごろまで寝てしまうことがあったが、午前9時ごろにはきちんと起きることができるようになってきた。
医師が解説しているネット記事で見たのだが、抗うつ薬は若い人(特に20代前半)にはあまり効果がない、というかむしろ副作用の方が強く出てしまうことが多いようである。それを考えると、抗うつ薬を若くて自然回復力がまだ残っている若い人間が飲むのはあまりプラスに働くことは少ないのではないかと思ってしまった。自分の場合はパニック障害の治療に抗うつ薬を処方された結果、余計に症状が悪化してしまって、その悪化がパニック障害の悪化だと勘違いされ、さらに薬を増やされるという悪循環に陥ってしまったことがある。この経験からも言えることだが、抗うつ薬が簡単に処方され過ぎているのではないかと最近は考えるようになった。パニック障害の第一選択薬にはSSRIが推奨されているらしいが、医者の中でも軽いパニック障害には抗うつ薬は副作用が出過ぎるために、処方を躊躇する人もいるみたいである。それを考えると、少しパニック発作が出たからといって、精神科の診療に行ってすぐに抗うつ薬を飲む必要はないのではないかと思っている。