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障害者雇用における当たり前のことを当たり前にできる重要性について
今回は過去を振り返ってみて、当たり前のことを当たり前にできる人の少なさに気づいたのでその件について書いていこうと思います。
私の中学時代の学年目標
私は公立中学に通っていましたが、そのときの学年目標が「当たり前のことを当たり前にできる」でした。
それを目標にするくらいですから、公立中学にはできて当たり前のことをできない人というのが一定数いました。
おそらく現在の教育システムに組み込まれればそうした人は発達障害と診断されるのでしょうが、私が中学校にいたくらいのときはまだ発達障害という病名が浸透しておらず、ほとんど診断されている人がいないという状況でした。
ただ、やはり発達障害のグレーゾーンと言ってもいいほど他人の言っていることを理解できない人たちは多かった気がします。
私は公立中学にいたものの、卒業してからはそれなりに偏差値の高い高校、大学と進学したので彼らのことを忘れていたのですが、就労移行支援に通所する中で発達障害の人たちと一緒に作業するようになってから彼らの存在を再認識することになるのでした。
当たり前のことが当たり前にできない人たち
では当たり前のことを当たり前にできない人たちはどのような行動を起こすのかというと、まず他人が言葉で言ったことを正確に把握することができません。
つまり指示を誤って解釈してしまうということです。
指示というのは多少あいまいであったとしても、周囲の環境や状況に合わせて解釈するものです。
実際、健常者は言葉をその通りに受け取るのではなく、周りの状況によってどのような意味を持つのかを理解しています。
ただ、発達障害のグレーゾーンに位置しているような人は周りの状況に合わせて解釈を変えるということができません。
また、ことばどおりに解釈することもできません。
つまり彼らは頭の中で何をやっているのかというと、自分だけの解釈で物事を見ようとしてしまうのです。
障害者雇用において採用されるコツ
障害者雇用で能力として期待されるのがまず間違いなく当たり前のことを当たり前にできる力です。
私の公立中学校時代に学年目標として掲げられていたくらいですから、中学生でもできることを求められているのです。
ただ実際に作業をやらせてみるとそれができない人の多さは半端じゃないと思います。
特に発達障害を持っている人たちの中で、上司からの指示を的確に判断してその通りに実行できる人の割合はかなり低いでしょう。
就労移行支援施設で訓練を積んでいる私なのでわかるのですが、上司からの指示を的確に理解できる人で5割、さらにそれを実行できる人で2割程度という感じでしょう。
つまり障碍者の中では当たり前のことを当たり前にできるだけで上位2割に入れるということです。
もちろんそうした訓練は行うのですが、なかなか発達特性が強い人などはできないまま就労移行支援を卒業していきます。
そして就職先で使えない人認定を受けて精神を病んでしまうというのが現状でしょう。